オンライン計測管理システムを機能させるための基本的条件として,計測システムの管理,計測間隔,予測方法の3項目を立て,プラスチック成形工程をモデルとした検討を行った.さらに,成形実験により得られた工程変動のデータを用いた工程の予測・制御方式のシミュレーション実験を行い,次の結果を得た.
(1) 成形品の重量により成形工程の変動をとらえたところ,工程変動は,一方向のドリフトがなく緩やかなうねりだけの場合,初期ドリフトに続き緩やかなうねりのある場合,緩やかなドリフトが残る場合の3つの場合に分かれ,それぞれに制御条件の効果に違いを生じる.
(2) 成形工程の制御において,オンライン計測のサンプリング数を増し測定値の信頼性を上げることにより,成形品のばらつきを減らすことができるが,サンプリング数に反比例して分散が小さくなるわけではない.
(3) 工程平均の予測を行うことは,製品のぼらつきを減らすために有効である.
(4) 割引係数法は,一方向にドリフトする工程には有効ではないが,うねりのある工程に対しては有効である.
成形工程においては,オンライン計測する時点で製品が熱を持ち,まだ安定していないこと,成形条件によって寸法などいくつかの特性が関連しながら変化すること等の困難さがあり,このシステムを実際に適用するためには,オンライン計測方法の詳しい検討が必要である.
製品の計測によるオンライン計測管理の考え方は,プラスチック成形以外の工程においても有効であると考えられ,そのためのシステムの設計には工程変動の検討,オンライン計測方法の検討が重要な役割を果たす.
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