以上, 本研究の範囲内での結果をまとめると次のようになる.
(1) 湿式の工作物側への熱流入割合 (α
w)
wetは乾式の場合の (α
w)
dryよりも, ある臨界の実砥石切込み (ta) crまでは相当小さい. (
ta)
crは下向き研削にし, テーブル速度および砥石周速度を遅くすると, 大きくなる傾向を示す.
(2) (
ta)
cr以下の工作物側への熱流入割合 (α
w)
pbは, 実砥石切込みが大きくなると小さくなるが, テーブル速度, 砥石周速度および上向き研削と下向き研削の違いによっては, それほど変化しない.
(3) 湿式の研削液側への熱流入割合 (α
f)
wetは, (
ta)
crまでは大きいが, (t
a)
cr以上では急減する.また, υが大きくなると, (α
f)
wetは小さくなる傾向を示す.
(4) 発生研削熱の内, 第一段階的に工作物側へ熱流入する割合と工作物側から第二段階的に研削液側へ熱流入する割合の比をβ
pbとすると, 近似的に (α
w)
pb=β
pb・ (α
w)
dryとおける.式中のβ
pbに対して, 工作物側から研削液側への熱伝達にも, Jaegerの移動熱源理論を適用して導いた数式が, 実験式的に適用可能である.
(5) 数式では, βpbは
vを遅くし,
Vを速くすると小さくなり, 砥石切込みはほとんど影響しない.常用の範囲の
v=0.1m/s,
V=32m/sの場合では, β
pb=0.266であり, 多少研削条件が変化してもそれほど変わらない.これに対して, 式の適用範囲を拡張し, 極端な条件である
v=0.001m/s,
V=200m/sを考えると, β
pb=0.0212と1/10以下になった.
(6) 研削液側への熱流速 (α
f)
wet・
qは (
ta)
crまではあまり変わらず, それ以上になると急減する傾向を示す. (
ta)
cr以下の (α
f)
wet・
qは
vが大きい方が大きくなる傾向を示す.
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