以上, 多石ダイヤモンドツルアを用いたメタルボンドCBN砥石の形直し特性と砥石の性能に及ぼす形直しの影響を検討した結果をまとめると以下のようになる.
(1) 同一設定形直し量での実形直し量は, 弾性率の大きいメタルボンドCBN砥石の方がレジンボンドCBN砥石よりも大きくなる.
(2) 一定の形直し切込みで形直しを行っていく場合のメタルボンドCBN砥石の形直し過程も, レジンボンドCBN砥石同様4段階に分類される.
(3) 第2段階中ごろの形直し過程までは, 切れ刃逃げ面は大きくなるが, 切れ刃分布が密になり, 結合剤金属の切れ刃への付着や目づまり形成が少なく, 良好な形直し特性が得られる.また, 実抵石切込み率, 研削抵抗, 研削温度および仕上面粗さ等の研削特性も比較的良好である.
(4) 第2段階中ごろ以降では, 結合剤金属が切れ刃に溶着したり, 目づまりとなるので, 形直し特性が悪くなり, 同時に研削特性も悪くなる.このため, メタルボンドCBN砥石の場合は, レジンボンドCBN砥石よりも早い過程の第2段階初期までの過程だけを用いた形直しを行う手順にするのが望ましい.
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