6.1表面凹凸の分類
散乱分布測定は, 表面粗さの周波数成分を分離して評価することを可能にした.これは, どこを改良すれば良いかという開発の手掛かりを与える点で優れている.
a) うねり (
l>1mm); 鏡面の法線のゆらぎとして考えられ, X線の反射強度分布の中心部の幅を広げる.
b) 粗さ (1mm>
l>1μm); 回折による散乱を起こし, X線の反射強度分布の内で, ピークの回りの裾を与える.入射X線波長, 入射角, 表面波長で散乱方向が決まり, 粗さの振幅の2乗に比例した散乱強度を与える.
c) 超微細構造 (1μm>
l); 1μm以下の波長の凹凸は, 入射角1°以下の場合, 波を回折させることはなく, 全体としての平均的な“場”として反射する.しかし, 入射角が臨界角を越えると, 表面波長数十nm, 高さ数nmの超微細構造のつくる密度勾配に入り込むようになり, 反射率の低下を引き起こす.
6.2測定法と凹凸の種類
うねりはまさに法線を可視光で測定するのが最適であり, 第3章の形状計測法が使える.X線では反射強度分布のコアの幅で評価できる.粗さは第4章のOptical Profilorneter, 触針法, 顕微鏡で評価できる.X線では散乱として測定にかかる.超微細構造は, STMで調べられ, X線では反射率の大角側の低下として認められる.
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