クロスローラガイドを組み込んだxテーブルに外部荷重とモーメントの合成荷重が作用する場合のガイド内負荷分布式をたて,最大分布負荷,負荷分布の変動状態およびxテーブルの姿勢変化を理論解析して検討を加えた.また,種々の荷重偏心率でテーブル走行中の姿勢変化状態を実測し,予圧が零の理論値と比較した.結果を要約すると以下のようになる.
(1)テーブル中心に荷重が作用する見掛け上偏心荷重でない条件下でも,テーブル両端のストロークエンドでは偏心荷重状態になるので,各ころに働く分布負荷はかなりの片当たり状態となり,最大分布負荷も偏心零の場合に比べ2倍程度まで増大する.
(2)偏心荷重が作用すると,各ころに働く分布負荷は極端な片当たり状態となり,最大分布負荷も偏心零の場合に比べ3~7倍程度まで増大する.
(3)予圧の付与効果は大きく,負の予圧,すなわちがたつきを付与した場合には剛性や案内精度は著しく損なわれる。最大分布負荷を最小にする最適予圧付近から剛性や案内精度は著しく向上する.ただ,案内精度向Lのために過剰な予圧を付与することは寿命の点から問題になるため,目安としては最適予圧からその2倍程度までであろう.
(4)種々の荷重偏心率に対して理論値は定性的に実験値によく合致したが,定量的には変位5成分の内いずれかの1つまたは2つが実験値に合致しなかった.
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