プレス金型製作における磨き工程ならびに型合わせ工程の自動化を目指して,上下型の一方を電極とし他方を加工物とみなした放電加工を実施し,以下のことを確認した.
(1)極性を一定間隔で入替えることにより上型,下型の加工量を等しくすることが可能である
(2)3次元形状の上型と下型のカッタマーク除去加工としての,球揺動加工では,カッタマークの方向と揺動の方向が同一になってしまう部位が生じ,カッタマーク除去効率に違いが生じる.
(3)上記の問題を解決するために,3次元形状の上型と下型のカッタマーク除去加工を,ランダム球揺動プログラムを使用して,その時の揺動半径を徐々に大きくすることにより加工した.その結果,板厚クリアランスを均一に保ったままカッタマークの向きによらず全面同時に除去することが可能となった.したがって,これまで行われていた型合わせの工程が大幅に短縮できる.
(4)3次元形状においても切削加工におけるピックフィードを揺動半径の2倍以下にすることにより,カッタマークを効率よく除去することができる.
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