球のウエビネスの創成に及ぼすラッピング用砥石の影響を明らかにするために, 性状の異なる砥石で加工実験を行った.得られた結論を要約すると次のようになる.
(1) 低次のウエビネスの修正には, 軟らかい砥石が効果的であり, ある程度, 研磨量を大きくすることが必要である.
(2) 中次および高次のウエビネスは細粒の軟らかい砥石を使用して, 低い研磨速度で研磨するとよく修正される.
これらの結論を基にウエビネスの小さい高精度鋼球を量産するための, 次のような2段階ラッピングシステムを考案した.
第1段階 : 軟らかい粗粒の砥石で低次のウエビネス値が低く, かつある程度の粗さを有する球を製作する.
第2段階 : 細粒の軟らかい砥石に入れ替えて, 中次および高次のウエビネスを修正する.
このシステムにより真球度29nm, 表面粗さR
a=2nm, ウエビネスの低次, 中次, 高次の値がそれぞれ249,399, 1893nm/sで, 従来品よりもウエビネス値の低い鋼球を量産でき, このような高精度鋼球を組み込むことで, 軸受の振動レベルを低減できることが確かめられた.
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