半導体製造工程におけるウエハ表面の洗浄は1970年にW.Kernらが提唱したRCA洗浄方法をもとに行われてきた.この方法は,過酸化水素をベースに硫酸,アンモニア,塩酸などの薬液を混合し,高温にて洗浄を行うバッチ式である.このため,薬液の蒸気によるクリーンルーム内の汚染,薬液のすすぎのために必要な超純水の使用量の増加などの問題が生じる.これらの問題を解決するために,新しい洗浄方法が提案された.この方法では超純水や薬液の使用量が極めて少なく,超音波励起水やオゾン水等の機能水が利用されている.現在,機能水と呼ばれる水は幅広く存在し,それによる洗浄も要求される分野によって多種多様である.従って,機能水を有効に活用するためには機能水に関する理解が必要と考えられる.ここでは,機能水の定義および各種機能水について紹介することにする.
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