本報告は三点接触式球軸受中り鋼球の運動状態を考察し, 併せてこの球軸受の作用中の特性を研究し, 本球軸受の設計製作に資せんとするものであり, 球軸受中の鋼球の惑星運動に關する計算及び基礎的な力學的計算を行つたものである.
この計算の結果によれば球軸受中の鋼球に遠心力を生ずるため, 球軸受は或る限界回轉数以内に回轉せねばならぬことが判つた.更に鋼球は錐揉み運動を行ひ, これがため球にジャイロ式の偶力が発生することも判つた.従つてこの種の球軸受中の鋼球が緩かな捻れ運動を行ふと言ふ従来の臆測に理論的根拠を与へ得た.
鋼球に捻れ運動が起り, 鋼球全面に亘り均等に磨耗が起る.その結果として球軸受の壽命が延長出来ることになるのであるが, この事實は吾入が豫て期待し確認したいと思つていた所である
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