2・2の解析は,工作物が研削砥石と常に接触ないし切込んでいる状態にあるように工作物1回転当りの砥石の送りが充分あるものと仮定した。しかし実際の場合は,歪量が大きい程かような仮定が成り立ち難く,このような場合は2・3で考察したスパーキングアウトの状態に近くなり,したがつてスパーキングアウトに入る前でも
Φ≠0を満足する角数の歪成分は除かれるものと考えられる。このようにして,心無加工を受けた工作物の仕上り形状は,
Φ=0を少くとも近似的に満足するような角数の歪を持つ。
以上を考慮しつつ次の結論を得る。
(1)心高が比較的低い場合,奇数角の歪円が残り易い。3角歪が最も残り易く,5角,7角などがこれに次ぐ。
(2)上記奇数角は,工作物の慣性モーメントおよびブレード頂角が大きい程除去し易い。
(3)心高が高くなると,奇数角の歪成分が除かれて,偶数角歪成分が残り易い。この角数
neは
ne≒π/γ
抄録全体を表示