以上に詑したことを要約すると, 構威匁先を伴なわない洗れ型切屑を生ずる切削では, 珂削条件が切削機溝に及ぼす影響は, 先に求めた基礎式 (A) ~ (D) によつて次のように説明付けられる。
(1) すくい角が増すと, (A) によつて勢断面と切削抵抗とのなす角ωが減り, (B) によつて摩擦角βが増す。勇断角φは (C) によつてすこし増す。このφの増加とωの減少のために, 切削抵抗
Rは (D) によつて減少する。
(2) 切削速度が増すと, 刃先温度の上昇が主原因となつて, すくい面と勢断面とにおける勇断応力の比τ
c/τ
sが減り, (B) によつてβが減り, (C) によつてφが増す結果, (D) によつてRが減少する。
(3) 切込が増しても匁先温度が上昇してτ4τ§が減り, (B) によつてβが減り, (C) によつてφが増して, (D) によつて比切削抵抗
R/bt1 ちが減少する。
(4) 被削材温度が上昇するとτ
sが減るのでRが減る。
(5) 多くの材料は高温になる程変形抵抗の滅少率が増すので, 被削材湿度が上昇するとτ
c/τ
sが減り, (B) によつてβが減り, (C) によつてφが増して, これも
Rを減少させる。しかし高マンガソ鋼や銅では, 加熱による変形抵抗の減少率はほぼ一定であるので, このような現象はおこらない。
抄録全体を表示