触針の動きを光てこで拡大する表面あらさ測定機は,あらさ測定にとつて最も古くから行なわれている歴史的作品であり,正確な断面曲線を求めるのに適している。これは,元来機械技術者が加工面の性質を研究する上に表面の微小形状を測定することが必要になつて開発したもので,著名なG.Schmaltz以来多くの研究者がすぐれた考案を施してきた測定機である。
表面あらさを最大高さで表示するとぎ,作業条件の設定を行なうとき,そしてまた加工面の研究をするときには,この測定機はかくことのできないものである。しかし,測定に時間のかかること,部品の形,大きさ及び部品のおかれた位置に測定が制限されること,さらに耐振性の劣ることから生産直結のあらさ管理には,むしろ電気的拡大式のものの方が適している。
光てこ式測定機は,正確な断面曲線の測定記録が第一目的であるから高感度にして安定であり波形ひずみの少ないこと,その上取り扱い容易なものであることが要求される。現在,この種測定機の代表作は考案者の名をつけで一般によばれている大越式,小坂式,山本式さらに国外のものにLeitz-Forster式測定機がある。これらはいずれも独自の機構が用いられていて,光てこ式の諸種の問題をそれぞれの方法で解決している。しかし,主要機構はほとんど同一原則に基づく設計であつて,精密機械というよりはむしろ計器の要素が非常に多く,一連の設計基準がある程度定められているように思われる。そこで光てこ式測定機の設計上の主点をごく概略記してみる。
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