測定の精度評価の参考にと思い, 工作機械の精度評価についての考え方を紹介したが, 測定器の場合と比較して, 考慮すべき項目が多く, かつまだ整理解明がなされていないことが多く, 現状での評価の困難さを述べることとなり, 工作機械の関係者として自責している.しかし, 現在多くの研究者が加工精度と工作機械の精度に関して旧来に比して一層努力していることを知る者として, 近い時期に明解な精度評価論が提出されることを期待している.なお, 工作機械と測定器は製品を生みだす父母の関係と言える程不可分の関係にあり, 今後共互いに技術の研鑽を図り交流を深めて行く必要があると思う.
工作機械は現実的である反面, 妥協が大きい欠点があり, 測定器は厳密さを追求する反面実用性の面で遅れを持つように感じられる.工作機械も測定器も自動化を一層進める必要がある機械装置であり, 理想的には測定器の厳密さと, 工作機械の剛生をかね備えたものとなるのが望ましいと思い始めている.
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