以上, 関節形マニピュレータの腕部, 手首部および指部における2自由度動作の駆動機構に差動歯車機構を利用する方法について述べた.その際の特徴として,
(1) 機構的に実現が容易である.
(2) 構造的にはアクチュエータの集中的配置ができ, かつアクチュエータの小形化が可能となる.
(3) 柔的, 剛的動作を有効に使い分けることにより,
種々の動作機能を与えることができる.
などが得られた.また柔的動作を積極的に利用した例として順応指を示し, その指のもつ順応動作が物体把握の動作制御の簡易化に有効であることを示した.
また, 実用的なマニピュレータのメカニズムの実現とその制御方法および剛的, 柔的動作の実作業上での有効な利用手法については別の機会にゆずることにする.
抄録全体を表示