本研究の目的は,中学生における悩みの種類による,友人に対する相談行動の利益・コストの程度,相談行動との関連の差異を検討することである。中学生1340名(男子670名,女子670名)を対象とした質問紙調査の結果,予期される利益・コストは,悩みの種類に関係なく,ほほ同程度であること,また,悩みの経験および,相談実行の利益である「ポジティブな結果」の予期は,悩みの種類や性別を問わず,一貫して相談行動を促進することが明らかになった。しかしながら,残る利益・コストの各要因は,相談行動と一貫した傾向を示さなかった。これらに基づく,本研究の示唆と今後の課題が考察された。
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