静脈経腸栄養
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20 巻 , 3 号
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特集 : 非経口栄養法における管理栄養士の役割
  • 近森 正幸
    2005 年 20 巻 3 号 p. 3_3-3_8
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/12/27
    ジャーナル フリー
    管理栄養士の役割は大きく変わり、厨房を出て病棟に行く時代になった。その際「腸管を使う大切さ」を充分自覚し、「栄養の目的は骨格筋の量を増やすこと」から栄養とリハビリテーションを同時に行う大切さを理解してNSTに参加してほしい。経腸栄養は管理栄養士が最も活躍できる舞台であり、なかでも栄養評価と栄養プランの作成は管理栄養士の最大の役割である。
    積極的に患者のもとに行き栄養評価を行ない、病態を考えながら栄養プランを作り、NSTカンファレンスを通じて常に栄養プランを経時的に見直し、plan do seeを行なってもらいたい。経腸栄養は、あくまで強制栄養であることから、ぜひ管理栄養士は患者の腹部触診、聴診を行ない、下痢、嘔吐などの合併症を防いでほしい。最終目標はあくまで口から食べることであり、口のリハビリテーションへの参加や嚥下食の提供を通じてスムーズな経口摂取に移行してもらいたい。
  • 足立 香代子, 川島 由起子
    2005 年 20 巻 3 号 p. 3_9-3_13
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/12/27
    ジャーナル フリー
    非経口栄養法への関わりについては、スキルに個人差があり、施設によりチームのあり方も異なるので、誰が何を行うかを具体化することは難しい。しかしながら、管理栄養士がスクリーニングやアセスメントを担う施設においては、非経口栄養量の把握なくしてこれを行い得ないし、とりわけ非経口栄養から経口栄養法への移行期には、関与が必要になる。さらにプランニングの中でも栄養必要量の算出は、管理栄養士ができる領域であり、経腸栄養剤の選択は、この設定量が適正であれば管理栄養士が行うことができる。いずれにしても、これら領域については、各専門職の誰が行っても良い部分と専門職に任せるべき部分があり、各組織で決めるべきことかと思う。
  • 伊藤 明美, 成田 清, 雨海 照祥
    2005 年 20 巻 3 号 p. 3_15-3_19
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/12/27
    ジャーナル フリー
    近年、胃瘻や空腸瘻造設数の増加、在宅におけるTPN (HPN) の普及により、非経口栄養補給管理はますます重要となってきた。日本の栄養士業務は、これまで経口摂取患者の栄養管理が主体であったが、NSTを基盤とするチーム医療の急速な普及や栄養士法の改正等の社会的背景の変化により非経口栄養管理は管理栄養士の業務であるという認識が定着しつつある。非経口栄養管理への関わり方は今後、管理栄養士の医療現場における新たな業務確立に大きく影響する。そのためには栄養スクリーニング、アセスメント、プラン作成、モニタリング業務における管理栄養士の役割を明確化し、卒後トレーニングシステムを構築することが急務である。また、より高度な知識・技術の習得が求められる医療現場においては、専門栄養士制の検討も必要と考える。管理栄養士の臨床現場における治療への参画には、教育、実践、研究への組織レベルでの取り組みが不可欠である。
  • 田中 奈津代
    2005 年 20 巻 3 号 p. 3_21-3_27
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/12/27
    ジャーナル フリー
    NSTが注目され栄養管理に携わる管理栄養士が増えてきている。栄養管理を行う上で非経口摂取も重要な栄養投与ルートであり、管理栄養士も積極的にかかわるべきである。当院でも管理栄養士が経口摂取・非経口摂取ともに積極的にかかわり、栄養管理の中心的役割を担っている。
    経腸栄養法で用いられる栄養剤は食品であるものがほとんどできわめて多くの種類が発売されている。どの栄養剤を選ぶにしてもまずは患者が必要とする栄養量が投与されている事が一番重要である。実際の投与には、浸透圧、電解質、蛋白質、糖質などに注意し栄養剤の選択を行う。また、病態別の栄養剤も数多く発売されているので対象となる患者の病態にふさわしい栄養剤を選択することが望ましい。
    投与ツールに関しても「安全で患者に負担が少なく適切な栄養投与が行える」事をポイントに選択する。
    今後は管理栄養士も非経口摂取に対して幅広い知識をもちさらに栄養管理を支えていくべきではないだろうか。
  • 坂本 八千代
    2005 年 20 巻 3 号 p. 3_29-3_32
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/12/27
    ジャーナル フリー
    経腸栄養施行時に下痢を起こすと電解質の異常をきたし、消化吸収が阻害され低栄養状態を引き起こす。下痢の原因として腸管粘膜の状態の悪化、経腸栄養剤の浸透圧や成分の問題、注入速度の問題、チューブなどの衛生管理などが考えられる。管理栄養士として衛生的な管理に貢献すると共に経腸栄養剤の選択、ビフィズス菌の利用、水溶性食物繊維の利用などを提示し下痢に対する対策を図り、予防することが重要と考える。管理栄養士が経腸栄養施行時に栄養面からアセスメントしINとOUTを観察することで、適切な排便コントロールが得られ、低栄養を改善、予防する役割を担っていると考える。
JSPEN全国栄養療法サーベイ委員会 報告
原著
  • 丘 龍祥, 仲川 義人, 東海林 徹, 清野 由美子, 柏倉 美幸, 水谷 雅臣, 木村 理, 竹下 光弘
    2005 年 20 巻 3 号 p. 3_47-3_52
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/12/27
    ジャーナル フリー
    近年、NST (Nutrition Support Team) を導入する施設が急増している。当院でも2003年3月よりNSTが導入されたが、医療スタッフの栄養管理に関する認識の差が大きく、さらに入院時の患者に対する栄養評価が必ずしも行われないために、NST活動は低迷していた。この状況を改善するため汎用ソフトウェアを利用した独自の栄養アセスメントシステムの構築・導入を行った。本システムは、患者情報管理、主観的包括的栄養評価 (SGA)、身体状況、身体計測、血液検査データ入力による種々の栄養評価を自動化し、栄養アセスメントシート作成機能が付加されている。さらに本システムには、評価結果に基づいた輸液処方の設計ソフトウェアも併せて構築した。本システム導入により専門スタッフによる適切な栄養管理が可能となり、担当薬剤師が適切かつ迅速に高カロリー輸液療法の処方例を提示できるようになった。
  • 坂本 芳美, 岡 美和子, 深田 靖彦, 河内 正治
    2005 年 20 巻 3 号 p. 3_53-3_56
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/12/27
    ジャーナル フリー
    血清アルブミン値は栄養評価として信頼でき、かつ安定した指標として臨床の場で広く認められている。最近ではRBP (retinol-binding protein)、TTR (transthuyretin : 慣用名prealbumin)、Tf (transferrin) 等の半減期の短いRTP (Rapid Turnover Protein) とともに栄養アセスメント蛋白と呼ばれている。しかし、その測定値において、体位による変動が、臨床上問題になるほど大きいことは、栄養療法を行なう臨床の場ではほとんど知られていない。
    今回われわれは、体位による変動を健康成人において調査した結果、血清アルブミン値をはじめRTP値が採血時の体位で10%程度の差を生じることが判明し、採血時の体位が無視できないことを確認した。栄養アセスメント蛋白を栄養評価指標として用いる際には、体位、体位保持時間を考慮しなければ誤った判断を下す可能性があると考え、その際の標準体位を決定し、アナウンスする必要があると考える。
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