医療施設における栄養士の役割は大きく分けて栄養部門における食事の調製と、ベッドサイドでの栄養ケアである。これらの現場で発揮しなければならない専門性は異なるが、ベッドサイドと栄養部門のバランスが整うことで、患者のQOL向上につながる栄養ケアが実現できる。
管理栄養士養成の新カリキュラムが平成14年度より実施されている。新カリキュラムでは、管理栄養士としての必要な知識及び技術が系統的に修得できるよう、また、臨床栄養を中心とした専門分野の教育内容の充実が図られた。
注目すべきは、カリキュラム改正の基本的考えの一つとして「チーム医療の重要性を理解し、多職種や患者とのコミュニケーション能力を円滑にすすめる能力を養うこと」が提示されたことである。ベッドサイドでヒトを対象として業務をする職種であることが強調されたと考える。養成にあたっては、管理栄養士が果たすべき多様な専門領域に関する知識・技能はもちろん、さらにコミュニケーション能力、医療人としての心構えなどの教育も検討し、医療チームの一員となり適切な栄養管理(ケア)ができる管理栄養士・栄養士の養成が望まれる。
抄録全体を表示