【目的】腹部画像検査前は絶食が慣例とされているが, 肝硬変患者は代謝亢進状態にあるため低栄養状態になりやすく, 栄養サポートが必要である. 本研究の目的は, 肝疾患患者の検査前絶食を議論するために, その実態を調査することである.
【対象及び方法】2010年6月, 日本静脈経腸栄養学会認定NST稼働施設1274施設を対象に,画像検査前の食事状況につきにアンケート調査を実施した.
【結果】アンケート回収率は28.6%であった. 83.6%の施設が、肝疾患患者の腹部超音波検査前に絶食としていたが, 56.5%の施設は肝硬変患者に絶食は好ましくないと回答しており, 64.0%で検査前補食の導入を検討していた.
【結論】慢性肝疾患患者においても検査前絶食としている施設が多いことが明らかとなった。しかし, 検査前補食についてのエビデンスの蓄積や学会からの指針などによって, 今後, 検査前補食が導入されるものと考えられた.
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