静脈経腸栄養
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28 巻 , 6 号
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特集
  • 井上 善文
    2013 年 28 巻 6 号 p. 1195-1199
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/25
    ジャーナル フリー
    1998年、2006年に発表された静脈経腸栄養ガイドラインを土台として、第3版を改訂し、出版した。担当者12人が分担して文献検索を行い、原稿を書き、21回のコンセンサスミーティングを開催して徹底的に議論して作成した。第2版ではかなわなかった、すべての推奨事項に対してその根拠となる文献および解説をつけることができた。487ページの内容であり、できるだけ多くの方に購入していただき、普及させることをもくろみ、価格も4000円に抑えることができた。序文でも述べているが、今後、さらにレベルアップしたガイドラインを作成するための土台となるものができた、と考えている。JSPEN会員のみならず、臨床栄養に携わるすべての方々から積極的に意見や質問をいただき、完成度を高めるための活動を、次世代のガイドライン作成実行委員の方々に継続していただきたい。
  • 佐々木 雅也
    2013 年 28 巻 6 号 p. 1201-1208
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/25
    ジャーナル フリー
    経腸栄養は静脈栄養に比べて生理的であり、感染性合併症などの重篤な合併症が少ないことから、多くの疾患で適応となっている。しかし、経腸栄養で十分な栄養効果を得るには、経腸栄養の種類と特徴をよく理解し、正しく選択する必要がある。また経腸栄養を施行する上で、個々の症例に適した投与方法やアクセスを選択し、正しく管理すること、さらに経腸栄養に関するリスクマネージメントの方法について理解し、合併症に適切に対応することが必須である。本ガイドラインでは、経腸栄養剤の種類と選択方法、投与法の選択基準、マネージメントの方法、合併症とその予防についてエビデンスレベルを付けて解説されている。本ガイドラインに則った経腸栄養法を実行することは、有用性の高い経腸栄養を実践する上で重要である。
  • 石橋 生哉
    2013 年 28 巻 6 号 p. 1209-1215
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/25
    ジャーナル フリー
    静脈栄養を行う上で、その適応、方法、静脈栄養製剤、アクセスの選択・使用を適切に行い、重篤な合併症を避けること、さらにカテーテル関連血流感染症の予防・治療、静脈栄養におけるリスクマネジメントを熟知することは、栄養療法に携わる医療従事者にとって必須である。
    本稿では、静脈経腸栄養ガイドライン第3版の中の静脈栄養に関する部分の中で、ガイドライン中にあるQuestionを最初に示し、ガイドライン本文中のAnswerや答えのもとになるevidenceの説明によって、第2版から新たに加えられた内容、これまで曖昧であった用語の定義、ならびに実地臨床で重要と思われる項目について解説した。
    臨床において、「静脈・経腸栄養を適正に実施するためのガイドライン」として第3版は作成されたが、その内容は膨大であり、簡単には全てを読みつくすことはできないので、本稿は第3版で改訂した静脈栄養に関する部分を有効利用するための導入として活用できるものである。
  • 小山 諭
    2013 年 28 巻 6 号 p. 1217-1222
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/25
    ジャーナル フリー
    静脈経腸栄養ガイドラインが第3版として大幅に改定され出版された。クリニカルクエスチョンを設定し、それに対して答えとエビデンスレベル、推奨度を示し、解説を加えるという形式で作成されている。本稿では栄養管理の流れを、栄養管理の必要性、栄養管理の定義、栄養管理プロセス (栄養アセスメント、栄養必要量の決定、栄養療法のモニタリングなど) の項目を、ガイドラインでのポイント、臨床現場での活用、およびESPENやA.S.P.E.N.のガイドラインとの比較などについて解説する。
  • 栗山 とよ子
    2013 年 28 巻 6 号 p. 1223-1230
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/25
    ジャーナル フリー
    7つの内科疾患、さらに内科的な管理に準ずるものとして5つの病態・状態を取り上げ、これらの栄養管理方法について、最新の文献検索を基に、国内外の栄養管理関連および各疾患のガイドラインを参照し、そのうえで本邦の現状を鑑みて、クリニカルクエスチョンに回答する形式で推奨事項をあげた。また根拠となる文献の解釈や、諸外国と本邦との相違点などについて解説した。以下、項目ごとにガイドラインのポイントを概説し、代表的なQ&Aを紹介する。
  • 櫻井 洋一
    2013 年 28 巻 6 号 p. 1231-1238
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/25
    ジャーナル フリー
    外科疾患患者に対する栄養療法は手術後患者のアウトカムを決定する重要な因子であり術前の栄養状態に応じた適切な周術期栄養管理や重症病態患者に対する栄養管理を行うことにより確実にアウトカムの向上を図ることが可能である。周術期・重症病態に対する栄養管理は近年数多くの臨床試験が行われ新しいエビデンスが蓄積されており、これらを含めた本邦独自のガイドラインが改訂された。これらに基づいた適切な栄養管理により合併症の予防・治療など確実に臨床的アウトカムの改善が期待できる。周術期・重症病態に対する栄養管理に関するQ&A形式のガイドラインにより実際の臨床に即した方法を理解できるようになり、それらの根拠を解説文に明解にまとめられており外科疾患患者管理を行うすべての職種に有用なランドマークとなると考えられる。
  • 曺 英樹
    2013 年 28 巻 6 号 p. 1239-1243
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/25
    ジャーナル フリー
    改定された小児の静脈経腸栄養ガイドラインについて概説した。小児領域では年齢、疾患をそろえたRCTが少なくエビデンスに乏しいが、実際の我が国の医療制度にあわせた実践的なガイドラインを目指して編集された。新生児・未熟児については別に項目が定められた。本ガイドラインでは、成人用のデバイス、製剤を安易に使用することなく、年齢、体重、病態にあわせた適切な方法で適切な栄養剤を投与することが推奨されている。
原著
  • 巽 博臣, 升田 好樹, 今泉 均, 吉田 真一郎, 坂脇 英志, 後藤 京子, 原田 敬介, 信岡 隆幸, 平田 公一
    2013 年 28 巻 6 号 p. 1245-1250
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/25
    ジャーナル フリー
    【目的】重症患者における早期経腸栄養開始後は便秘・下痢が問題となる。排便量から緩下剤の継続・休止や必要な処置・検査などを決定する排便コントロール基準 (以下、本基準) の効果について検討した。【対象および方法】ICUで経腸栄養を7日以上継続した53症例 (導入前群24例、導入後群29例) を対象とした。「一日排便量≥300g」を下痢、「48時間以上排便がない状態」を便秘と定義し、経腸栄養開始後1週間の排便状況を両群間でレトロスペクティブに比較検討した。【結果】一日排便量の1週間における推移は導入前後で交互作用がみられた。7日間における下痢の頻度は導入前群2.5±0.3日、導入後群2.0±0.3日と有意差はなかったが、便秘の頻度は1.5±0.3日から0.7±0.2日に、便秘または下痢の頻度は4.0±0.3日から2.6±0.3日に有意に減少した。【結語】排便量に従って薬剤投与や浣腸処置の追加を判断できる本基準の導入により、排便量および下痢・便秘の頻度が減少した。本基準の導入により適切な排便コントロールが可能となり、経腸栄養管理を有効かつ安全に実施できると考えられた。
  • 堤 保夫, 武川 茉莉子, 濵口 英佑, 田中 克哉, 久米 克佳, 中屋 豊, 堤 理恵
    2013 年 28 巻 6 号 p. 1251-1257
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/25
    ジャーナル フリー
    【目的】本研究では、エネルギーの過剰投与が筋タンパク異化および栄養ストレスに与える影響について検討した。【対象及び方法】対象は、当院ICUに入室した患者のうち呼吸管理を必要とする患者30名とした。エネルギー消費量を測定し、投与エネルギー量と比較して投与不足となっている群 (U群)、両者がほぼ一致している適正群 (A群)、過剰投与となっている群 (O群) の3群に分け比較検討した。【結果】尿中クレアチニン量による補正尿中3-メチルヒスチジン値及び尿中ノルアドレナリン値はU・A群に有意差はなかったが、O群では有意に増加していた。さらに、尿中3-メチルヒスチジン値と尿中ノルアドレナリン値の間に相関関係が認められた。【結論】エネルギーの過剰投与により筋タンパクの異化が亢進するとともに、ノルアドレナリンの分泌に伴う栄養ストレスが筋タンパク分解を促進させることが明らかとなった。
  • 木原 直貴, 児玉 みどり, 黒田 克美, 玉井 範子, 前田 晃
    2013 年 28 巻 6 号 p. 1259-1264
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/25
    ジャーナル フリー
    【目的】高齢者はProtein Energy Malnutrition (PEM) に陥りやすく、術後合併症のリスクが高い。免疫賦活栄養剤を用いたNutritional Support Team (NST) による集中的栄養管理が大腿骨頸部骨折手術の短期術後成績に及ぼした影響を調べた。【対象及び方法】2009年12月から2011年4月の期間で75歳以上の大腿骨頸部骨折手術症例を対象に後向きに調査を行った。術前からの介入群30例 (NST (+) 群) と非介入群30例 (NST (−) 群) に分け、Alb、BMI、食事摂取量、リハビリ病棟への転棟日数、術後在院日数、術後合併症について比較検討した。【結果】術前の患者背景には、両群で有意差は認めなかった。手術から回復期リハビリ病棟への転棟日数は、(−) 群11.3±5.4日: (+) 群8.9±9.4日で (+) 群で有意に短縮し、術後28日目のAlb値は (−) 群3.20±0.39g/dL: (+) 群3.52±0.31g/dLと (+) 群で有意に高値となった。【結論】NST介入により転棟日数の短縮に寄与した可能性がある。しかし、この結果は前向きの症例数の多い検討において確かめられる必要がある。
施設近況報告
  • 横山 奈穂美, 宮田 亜紀, 三輪 恭子, 菅原 淳
    2013 年 28 巻 6 号 p. 1265-1268
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/25
    ジャーナル フリー
    【目的】胃瘻造設は急性期病院で行われるが、造設後の管理は慢性期病院、在宅や介護施設が殆どである。本研究では、介護施設での胃瘻管理に関するアンケートから半固形化栄養法について報告する。【対象及び方法】当院と連携している152の介護施設を対象にアンケート調査を行った。【結果】75施設から回答を得た。半固形化栄養法については、43%の施設がよく知らないと回答した。受け入れ困難な理由は、認識不足、コスト、投与の煩雑さが挙げられた。半固形化栄養製剤を使用する施設が最も多かった。半固形化栄養法による改善点は、「特にない」と感じている施設が最も多かった。また、十分な情報や知識を習得する場が少ないとの意見が多かった。【結論】介護施設では半固形化栄養法は十分周知されていなかった。今後、介護施設で半固形化栄養法を行うためには、正しい知識や情報の共有、介護施設でも継続できる投与方法を検討することが重要であると考える。
  • 伴 尚子, 山内 健, 下村 瑞代, スビヤント ケイジ, 青木 智子, 池田 隆史, 馬原 靖明, 内田 悠紀
    2013 年 28 巻 6 号 p. 1269-1273
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/25
    ジャーナル フリー
    当院のNSTが活動を開始した2008年4月より2011年7月までに介入した患者35名の栄養管理について後方視的に検討した。患者の年齢は平均9.1歳 (0~27歳) で、約半数は神経疾患を有していた。介入内容は、栄養剤の変更34%、栄養投与法の変更19%、微量元素欠乏等の合併症の予防17%、投与量の適正化12%、経口栄養剤の付加7%、PEGの推奨5%であった。NST介入により栄養管理法の変更は32例 (91%) に行われた。NST介入後に投与された経腸栄養剤は重複例を含めると消化態栄養剤11例、半消化態栄養剤15例 (うち薬品13例) であった。消化態栄養剤が投与された11例中9例は在宅経管栄養成分栄養法の加算が算定されていた。薬品の経腸栄養剤は経済的な理由で選択されており、消化態栄養剤は在宅経管栄養成分栄養法の算定を目的としたものがあった。2012年4月より小児経管栄養加算が新設され、今後は児の病態に即した適切な栄養剤が選択されることが期待される。
症例報告
  • 飯田 則利
    2013 年 28 巻 6 号 p. 1275-1278
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/12/25
    ジャーナル フリー
    小腸広範切除後には、糖や蛋白質に比べ脂肪の吸収障害が長期に及ぶ。脂肪の消化吸収試験には便中脂肪の染色や定量法、放射線同位元素を用いる試験があるが日常臨床では頻用されていないのが現状である。症例は20歳代の重症心身障害者で、16歳時に腸回転異常症に伴う中腸軸捻転・壊死に対して回盲弁を含む小腸広範切除および術後の小腸皮膚瘻に対する再手術により残存小腸は幽門以下75cmとなった。栄養投与は胃瘻からの半固形化栄養剤の投与と中心静脈栄養で、脂肪源は経腸栄養剤に含まれる脂肪のみであった。血清中リノール酸分画は当初低値であったが、短腸となって2年3ケ月後には基準値に達し以後維持した。また、ω6系必須脂肪酸欠乏時に高値を呈する5,8,11―エイコサトリエン酸も短腸となって2年5ケ月後に基準値に達した。以上より、本症例では短腸となって2年以上を経過して脂肪の消化吸収能が回復したことが示唆された。
平成24年度日本静脈経腸栄養学会フェローシップ受賞者学会参加記
日本静脈経腸栄養学会認定地方研究会
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