上部消化管の術中に造設される小腸瘻カテーテルは術後早期からの経腸栄養投与に使用できるため有用である。
今回、胃空腸バイパス術施行後、空腸瘻カテーテル先端による腸管穿孔の症例を経験したので報告する。
症例は73歳男性、早期胃癌の診断にて開腹幽門側胃切除、Roux-Y再建施行、術中胆道損傷のため胆管空腸再建を加え、術中ジュジュノストミーカテーテルキット9Fr
TM(日本コビディエン)を留置した。術後、残胃小腸吻合部狭窄となり消化管バイパス術を施行した。初回の腸瘻をそのまま流用したが、再手術後第9病日の造影検査で空腸瘻カテーテル先端による消化管穿孔が確認された。腹腔ドレナージが良好であったため絶食、TPN管理にて軽快、経口摂取再開し経過良好にて再手術後第63病日に退院となった。空腸瘻カテーテル先端による腸管穿孔を防ぐためには、術中にチューブ先端の位置確認、腹壁固定を確認する事が重要と思われた。
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