【目的】炎症性腸疾患に対するアスペルギルス・オリゼーNK菌発酵穀物胚芽(
A. oryzae NK菌麹)の防御効果を評価するため、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)惹起大腸炎の病状と大腸粘膜サイトカインに及ぼす影響を検討した。【方法】雌性 Balb/cマウスを4群(各群 n = 6)に分け、精製飼料、2%又は5%
A. oryzae NK菌麹含有精製飼料を与えた。14日後、正常群を除く3群には3%(w/v)DSS飲料水を与え大腸炎を惹起し、6日後に大腸組織の病理学的所見と大腸粘膜サイトカイン濃度を調べた。【成績】
A. oryzae NK菌麹の前投与は、DSS大腸炎マウスの体重減少、肛門出血、大腸長の短縮、大腸障害などを抑制した。大腸粘膜の IL-6、TNF-α、IL-1βの過剰産生を有意に抑制し、IFN-γ/IL-10比の低下を正常マウスのそれに近づけた。【結論】マウスの DSS惹起大腸炎に対して
A. oryzae NK菌麹は有益な防御効果を示した。
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