日本小児外科学会雑誌
Online ISSN : 2187-4247
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44 巻, 5 号
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  • 原稿種別: 表紙
    2008 年 44 巻 5 号 p. Cover1-
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    2008 年 44 巻 5 号 p. Cover2-
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2008 年 44 巻 5 号 p. App1-
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2008 年 44 巻 5 号 p. App2-
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2008 年 44 巻 5 号 p. App3-
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2008 年 44 巻 5 号 p. App4-
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2008 年 44 巻 5 号 p. Toc1-
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 蓮田 憲夫, 高野 邦夫, 大矢知 昇, 鈴木 健之, 毛利 成昭, 腰塚 浩三, 松本 雅彦
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 651-654
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    【目的】学童期以降に診断されたHirschsprung病(H病)に対するLynn法の有用性について検討した.【方法】1984年12月から2005年12月までに当科で経験したH病症例のうち,学童期以降に診断された症例を対象とした.H病の診断は病理組織学的に診断し,病型診断は注腸検査で評価した.症状が出現した時期,診断時の年齢,性,注腸における病型診断,手術,術後経過について検討した.【結果】当科で経験したH病症例は20例であった.このうち学童期以降に診断された症例は6例で,男児3例,女児3例であった.症状の出現は,3例は幼児期に出現し,2例は出生後から便秘を呈し,1例は不明だった.初診時の平均年齢は13歳7か月(9歳4か月から19歳6か月),注腸検査による病型診断はshortsegment(SS) typeが4例,rectosigmoid(RS) typeが2例だった.外科的治療としてSS typeの4例にLynn法を施行した.RS typeの症例は2例とも新生児期から便秘を認めており,Lynn法を行わず,Duhamel法を施行した.SS typeと診断された1例で術後充分な排便機能の改善が得られずDuhamel法を追加した.Lynn 法を施行した4例中3例で術後排便状態の改善が得られた.これらは新生児期,乳児期に臨床症状を呈さなかったSS typeの症例であった.【考察】学童期以降に本症と診断された患児のうち乳児期に明らかな症状を認めなかった症例の多くはSS typeの可能性が高く,Lynn法により排便の状態の改善が得られ有用であると考えられた.
  • 松川 泰廣, 渡邊 健太郎
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 655-660
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    【目的】乳児早期の陰唇癒合についてはこれまで報告がない.今回乳児健診から多数の紹介を受け生後3か月で多発することがわかった.乳児早期の陰唇癒合の臨床像を報告する.【方法】2003年7月から2006年12月の3年6か月間の陰唇癒合84例を検討した.尼崎市の乳児健診の女児健診数から頻度を推定した.全例鈍的に開大し,術後は母親に清潔と開大を保たせた.【結果】受診経路は,3か月健診からが41例,6か月健診が22例,9〜10か月健診が9例,1歳半健診が1例,外来が11例であった.71例は尼崎市の乳児健診からの紹介であった.最も多いときにはひと月で7例,1年で38例の紹介があった.来院年齢は生後2か月1例,3か月23例,4か月17例,5か月3例,6か月11例,7か月8例,8か月4例,9か月5例,10か月3例,1歳以上9例で,生後3か月に発生のピークがあった.健診での陰唇癒合の推定頻度は,3か月健診で0.86%,6か月健診で0.76%,9〜10か月健診で0.59%であった.77例は無症状で,1歳未満では72例が無症状であった.47例がほぼ全長癒合で,4か月以内では26例がほぼ全長癒合であった.53例が上線に微小開口していた.再癒合は17例でみられたが,上縁か下縁の微かな癒着であった.【結論】陰唇癒合は乳児期のよくある日常疾患である,生後3か月にピークがありほぼ全長癒合で発症する.乳児健診での陰唇癒合のチェックを徹底すべきである.治療よりも予防が大切で,生直後からの衛生指導を徹底すべきである.
  • 高野 洋一, 安福 正男
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 661-666
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    【目的】メッケル憩室は小児外科領域においてよく遭遇する消化管奇形である.メッケル憩室症は下血,腹痛,イレウス,腸重積などの多様な症状を呈するため,しばしば診断に難渋することも経験する.メッケルシンチが最も信頼性の高い検査法であるが,下血による貧血や異所性胃粘膜を持たない症例では偽陰性となることも少なくない.そこで今回,メッケル憩室に対する超音波検査の有用性を検討した.【方法】2003年から2006年までの4年間に当科で経験したメッケル憩室を有する患者,9例中術前超音波検査が施行された8例に対し後方的にメッケル憩室か否かの術前診断の有無,超音波画像と術中所見の関係,メッケルシンチとの関係を検討した.【結果】メッケル憩室に伴う症状のなかった2例とイレウスを呈していた1例ではメッケル憩室の存在を術前の超音波検査では指摘できなかった.またこの3症例ではメッケル憩室の存在を疑わなかったためメッケルシンチは行っていない.その他の有症状の5例では術前に超音波検査でメッケル憩室と診断をすることができ,それぞれ特徴的な超音波像を呈していた.これら症例ではそれぞれ,(1)内部に高エコー層,その外に低エコー層を持ち腸管と連続する嚢胞性病変を呈したもの,(2)臍部と腸管の間に連続するもの,(3)穿孔し偽性嚢胞を形成したためsnowman's appearanceを呈したもの,(4)腸重積の先進部として観察されたものであった.なお症状を有した5例中4症例にメッケルシンチを施行しているが1例は偽陰性であった.【結論】メッケルシンチは精度が高く有効な術前検査法であるが,メッケル憩室症の術前診断として超音波検査も有用であると考えられた.また,メッケル憩室症の超音波像についての報告例は少ないが,メッケル憩室は超音波上も特徴的な画像を呈し,その超音波像を知ることは臨床上必要であると考えられた.
  • 秦 信輔, 奈良 啓悟, 野村 元成, 大島 令子, 前田 栄, 賀川 義規
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 667-671
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    【目的】小児片側鼠径ヘルニアに対する術前超音波検査による対側鞘状突起開存(contralateral patent processus vaginalis (CPPV))の検索およびCPPV陽性例における対側同時手術により小児片側鼠径ヘルニア術後の対側発症率が低下したか否か検討した.【対象と方法】1998年8月より2002年12月に経験した348例の片側鼠径ヘルニアのうち術前超音波検査にて74例(21.3%)がCPPV陽性と診断され両側手術を受けた.残る274例(男児128例,女児146例)のCPPV陰性である片側手術症例を手術施行群とした(平均観察期間6年5か月).続く2003年1月から2005年12月までに経験した片側鼠径ヘルニア245例(男児127例,女児118例)では超音波によりCPPV陽性であった53例(21.6%)も対側手術を行わず経過を見ておりこれを経過観察群とした(平均観察期間2年10か月).当院にて対側手術を行った症例を対側鼠径ヘルニア発症例とし対側発症率を2群間で検討した.【結果】手術施行群の対側発症例は274例中3例(1.1%)であったのに対し経過観察群の対側発症例は245例中22例(9.0%)で有意に発症率が低下した(p<0.0001).また経過観察群の対側発症例22例のうち19例は術前検索にてCPPV陽性例であった.経過観察群における術前検索にてCPPV陰性例の対側発症率は192例中3例(1.6%)であった.また手術施行群および経過観察群をあわせた術前検索CPPV陰性例の対側発症率は462例中6例(1.3%)であった.【結論】小児片側鼠径ヘルニアにおける術前超音波対側検索は片側術後対側発症予防に有用である.
  • 川嶋 寛, 岩中 督, 北野 良博, 内田 広夫, 四本 克己, 石丸 哲也, 五藤 周, 芳田 真理子
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 672-678
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    【目的】肥厚性幽門狭窄症の外科的治療法には,様々な術式が推奨されている.今回,合併症と手技のラーニングカーブの観点から,腹腔鏡下幽門筋切開術がその標準術式の一つになりうるかについて検証する.【方法】埼玉県立小児医療センターにおいて1998年から2007年に経験した181例の腹腔鏡下幽門筋切開術の,術者,手術時間,合併症などを後方視的に分析・検討した.なお,これらの結果を1997年以前の右上腹部横切開による幽門筋切開術175症例,臍上部弧状切開による71症例と比較した.統計学的検討はStudent's t testおよびχ^2検定を用い,p<0.05を有意差ありとした.【結果】合併症に関しては,246例の開腹術では経験しなかった粘膜穿孔,十二指腸穿孔,切開不十分による再手術を1例ずつ経験した.術者別の評価でそれぞれ1例目,3例目, 3例目と経験の浅い時期に発生した合併症であった.手術時間から判断する施設のラーニングカーブとしては,開始期に46分要したものが4年後に35分で実施できるようになった.医師個人のラーニングカーブでは約8例の経験で安全で確実な手術が実施可能となった.手技の獲得と安全な実施には,熟達した指導医の存在が不可欠であった.【結論】腹腔鏡下幽門筋切開術は,年間約20例の症例を有する施設においては,適切な体制と指導のもとで標準手術と認定できる手術と考えられた.
  • 笠原 群生, 福田 晃也, 佐藤 衆一, 重田 孝信, 佐々木 一成, 中里 弥生, 田中 秀明, 黒田 達夫, 本名 敏郎, 松井 陽
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 679-688
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    【目的】肝移植プログラム開始から2年が経過した国立成育医療センターにおける肝移植医療の成績を報告する.【対象と方法】国立成育医療センターにおいて2005年11月から2008年2月までに肝移植を行った48名の小児症例について,手術成績,感染症,拒絶反応等について検討した.【結果】対象疾患は胆道閉鎖症(41.6%)・代謝性肝疾患(29.2%)・劇症肝炎(18.8%)であった.ドナーの平均手術時間5時間31分,出血281mlであった.レシピエントの平均手術時間9時間46分で出血139ml/kgであった.免疫抑制療法はtacrolimusとステロイドの2剤併用療法で,急性拒絶反応を22.4%に認めた.患者・グラフト生存率90.7%であった.【結論】経過観察期間は短いが,小児肝移植は末期肝疾患患者にとって安全な医療であると考えられる.
  • 野村 純子, 飯尾 賢治, 加藤 純爾, 新美 教弘, 田中 修一, 水本 知博
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 689-694
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    症例は3歳男児.脳性麻痺に伴う球麻痺のために気管切開管理を行っていたが上気道感染を繰り返した.このため精査を行い胃食道逆流症と診断し,Boerema-Filler法による噴門形成術と胃瘻造設術を施行した.術後2日目に盲腸穿孔による汎発性腹膜炎を発症した.穿孔の原因は盲腸が捻転しその内圧が上昇したためと考えられ,回盲部切除とドレナージを施行し救命しえた.盲腸捻転は,小児の急性腹症の中では稀で,重症心身障害児に比較的多いとされるが,特異的症状に乏しいため早期診断は困難である.腸管の壊死がなければ,捻転を解除し盲腸と上行結腸を後腹膜に固定することが一般的であるが,固定後の再発例も認められるため,確実な固定が困難な場合には腸管切除も考慮すべきと思われる.脳性麻痺例に消化管穿孔を含む急性腹症をみた場合,盲腸捻転を念頭におく必要があると思われた.
  • 出口 英一, 岩井 直躬, 木村 修, 久保田 良浩, 深田 良一, 小野 滋, 佐々木 康成, 嶋寺 伸一, 文野 誠久, 津田 知樹, ...
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 695-699
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    1983年から2005年までの23年間に当科で経験した食道閉鎖症55例のうち,待期的食道吻合術を適応したlong gap例を対象として後方視的に臨床的検討を行った.検討した症例は5例(Gross A型; 2例,B型; 1例,C型; 2例)でgapの長さは25mmないし35mm以上であった.5例中4例には,Howard-Myers法による上部食道盲端延長法を施行した.これら4例中3例には,上下盲端が重なり合った時点で食道食道吻合術を行った.他の1例では先天性心疾患の治療に難渋し,心臓手術が優先されたため7歳時にRehbein-加藤法による根治術を行った.一方,前医により頸部食道瘻を造設された1例には,木村法による上部食道のmulti-staged extrathoracic elongationの後,食道吻合術を行った.今回検討した5例全例で術後吻合部狭窄を認め,食道拡張術を要した.術後10年以上経過した3例中,2例は予後良好であった.B型で術後の吻合部狭窄に対し再吻合術を要した1例では,12年を経過してGERに対する再噴門形成術を要し,現在嚥下機能障害と吻合部狭窄に対して加療中である.食道開鎖症long gap例に対する待期的根治術は,術後に吻合部狭窄を認めることはあるが,患児固有の食道を用いた治療が充分可能であった.
  • 中岡 達雄, 中川 賀清, 矢野 常広, 植村 貞繁, 渡部 茂, 今井 茂樹
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 700-703
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    1歳10か月女児の急性膵炎に対し,造影CT冠状断再構築像を用いて総胆管非拡張型膵・胆管合流異常症(PBMJ)と診断しえた症例を経験した.PBMJの診断に通常用いられる内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)は,小児では全身麻酔が必要であるうえ被曝量も多く,膵炎の増悪の可能性が危惧される.近年よく行われている磁気共鳴画像診断装置を用いた胆道造影(MRCP)は,被曝がなく冠状断,矢状断など任意のsliceで断層像を得られるが,撮影時間が長く解像力に劣るため,息止めのできない乳幼児では,拡張総胆管の描出は可能でも,合流異常そのものの描出は困難である場合が多い.Multi-detector CTは短時間で高解像の画像を得ることができ,さらに冠状断,矢状断の再構築も可能となっている.今後,乳児や若年幼児のPBMJの診断に対して,造影CTは試みる価値があると思われた.
  • 漆原 直人, 松岡 尚則, 谷 守通, 福本 弘二, 鈴木 孝明, 福澤 宏明, 川島 章子, 長谷川 史郎
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 704-708
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    両側ウイルムス腫瘍では,腫瘍の完全切除と腎機能温存を目指す腎部分切除を行う必要がある.今回,超音波凝固切開装置であるフック型ハーモニック・スカルペル^[○!R](HS)を用いて無阻血下に両腎部分切除を行ったので報告する.症例は1歳4か月の女児.Regimen DD-4Aが12week終了した1歳8か月で両腎部分切除を行った.手術は腎動静脈,尿管にテーピングした後,術中USにて切除ラインを決め,腎皮膜をHSフック内側のシャープ縁で切開し,続いて腎実質をフック背面のプラント面で破砕切離し露出した太い血管は結紮切離し,細い血管と切離面の止血は側面のフラット面と水出しバイポーラを使用した.途中,露出した腎盂壁の剥離はブラント面,腎盂切離にはシャープ縁を使用した.腫瘍切離後に開放した腎盂を縫合閉鎖し,より大きく正常腎が残った左腎は,切離面に大網を挿入し切離面を縫合閉鎖した.腫瘍切離中の出血は少量で,フック型HSは腎部分切除に有用な器具と思われた.
  • 佐伯 勇, 佐保 尚実, 荻田 桂子, 飯田 則利, 卜部 省悟
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 709-713
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    症例は1生日の女児.出生当日より胆汁性嘔吐を繰り返し,腹部X線写真でdouble bubble signを認め,十二指腸閉鎖症の疑いで当科に紹介となった.上部消化管造影検査では十二指腸水平脚での途絶像を認め,十二指腸閉鎖症を疑い緊急手術を施行した.開腹すると空腸腸間膜に嚢胞を認め,それを軸に腸管が360度捻転をきたしており,捻転を解除後嚢胞のみを剥離して摘出した.病理組織検査で空腸重複症と診断された.腸管重複症により腸捻転をきたした症例は本邦で10数例報告されているが,生後早期の発症により十二指腸閉鎖症との鑑別を要した報告はない.また,腸管重複症では一般に隣接する正常腸管の合併切除が行われるが,自験例では重複腸管のみの切除が可能であった.新生児の腸管重複症と手術に関して文献的考察を加えて報告する.
  • 畑田 智子, 大浜 用克, 新開 真人, 武 浩志, 北河 徳彦, 工藤 博典, 望月 響子, 田中 水緒
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 714-718
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    症例1は8歳男児,半年前より血痰を認めるようになった.画像検査より肺分画症,CCAMを疑い左下葉切除を施行したところ,病理検査にて炎症性筋線維芽細胞性腫瘍(IMT)と診断された.症例2は15歳女児,喘息発作時に血痰がみられ,炎症反応の上昇と右上葉に異常陰影を認めた.過誤腫,またはリンパ腫を疑い右上葉切除を施行したが,病理診断からIMTと診断された.肺IMTは原発性肺腫瘍では比較的稀な疾患ではあり術前診断は困難であるが,成人に比べて小児では発生頻度が高いことから,鑑別診断の一つに考慮すべき疾患である.
  • 上原 秀一郎, 澤井 利夫, 井原 欣幸, 佐々木 隆士, 臼井 規朗, 福澤 正洋
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 719-722
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    症例は在胎39週5日,経膣分娩で出生した女児.在胎33週に孤立性の腸管拡張を認め,先天性結腸閉鎖症を疑った.出生直後,注腸造影検査では左側腹部にmicrocolonを認め,左上腹部で盲端に終わっていたこと,腹部超音波検査により右側腹部に孤立性の拡張腸管が認められたことから先天性結腸閉鎖症と診断し,緊急手術を施行した.離断型右半結腸閉鎖症であり,口側と肛門側結腸との口径差が大きいため一期的吻合は行わず,各々の盲端を単孔式人工肛門とした.術後肛門側結腸に食物繊維添加生理食塩水を持続注入し,肛門側腸管の拡張を図り,出生53日目に結腸-結腸吻合術及び人工肛門閉鎖術を施行した.一期的手術が安全に施行し得ない場合や一期的手術により結腸や回盲弁を失う危険性のある場合は二期的手術とするのが最良と思われたまた出生後直ちに手術を含む外科的管理が必要であることから本症の出生前診断の意義は大きいと考えられた.
  • 高尾 智也, 岩村 喜信, 後藤 隆文, 中原 康雄, 浅井 武, 金川 勉, 青山 興司
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 723-727
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    症例は4歳2か月,女児.急に腹痛・嘔吐が出現し,翌日に近医受診.高度の腹部膨満が認められ,腹部立位単純X線で胃拡張と腸管ガス消失を認められたため入院となった.絶食と胃管挿入で腹痛は消失したが腹部膨満は改善しないため,精査加療目的で入院7日目に当院に転院となった.当科入院後の腹部立位単純X線と上部消化管造影で胃軸捻転症と診断した.経鼻胃管による減圧療法にて症状軽快したため入院7日目に退院となった.その後,家族の希望により発症から43日目に予防的に臍内弧状切開にて胃固定術施行した.術後1年3か月,再発なく術後経過良好である.
  • 畑中 玲, 岩中 督, 川嶋 寛, 金森 豊, 杉山 正彦, 古村 眞, 中原 さおり
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 728-731
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    重症筋無力症は病態に胸腺が深く関わっており胸腺摘出術の効果が確立されている.そのアプローチはさまざまであるが低侵襲であることを利点に胸腔鏡下胸腺摘出術が行われ報告されてきた.本邦では小児の重症筋無力症に対して補助切開を置かずに胸腔鏡下胸腺摘出術を施行した報告はなかったが,今回12歳女児に発症した重症筋無力症に対して完全胸腔鏡下の本術式を経験した.手術は分離肺換気下に2本のワーキングポートと1本のカメラポートを挿入して左胸腔から縦隔に到達した.視野は良好で大きな問題なく胸腺を全摘することができた.手術時間は196分,出血量は150mlであった.術後も合併症なく経過した.胸腔鏡下胸腺摘出術は胸骨正中切開による胸腺摘出術と変わらない成績が報告されており,低侵襲,美容の観点からより有利な手術であり,標準的な治療となり得るか症例を重ね検討する価値がある.
  • 家入 里志, 廣瀬 龍一郎, 中辻 隆徳, 秋吉 潤子, 木下 義晶, 増本 幸二, 橋爪 誠, 田口 智章
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 732-736
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
    遅発性先天性横隔膜ヘルニアに対して腹腔鏡下根治術を施行した3乳幼児症例を経験したので報告する.症例1は1歳4か月の男児で気管支炎に罹患した際の胸部X線にて異常を指摘され当科に紹介された.症例2は8か月女児でRSウイルス感染時の胸部X線にて異常を指摘され当科に紹介された.症例3は5か月男児で当科にて両側水腎症の術後のフォローでのCTにて発見された.症例1は有嚢性で完全体内結紮,症例2は無嚢性で体外からのアンカースーチャーを併用した体外結紮,症例3も無嚢性で体外結紮のみを用いて,いずれも一期的に縫合閉鎖した.横隔膜ヘルニアに対する腹腔鏡下手術を行う場合は縫合操作を行う場合の運針の方向を考えたポート位置の設定が重要であり,手術の成否を左右する.今回の3症例は腹腔鏡挿入時の欠損孔の所見からポート位置を決定することにより安全に縫合操作が可能であった.
  • 正田 純一
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 737-
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 海保 隆
    原稿種別: 本文
    2008 年 44 巻 5 号 p. 737-738
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2008 年 44 巻 5 号 p. App5-
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2008 年 44 巻 5 号 p. App6-
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2008 年 44 巻 5 号 p. App7-
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2008 年 44 巻 5 号 p. App8-
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
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  • 原稿種別: 付録等
    2008 年 44 巻 5 号 p. App9-
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
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  • 原稿種別: 表紙
    2008 年 44 巻 5 号 p. Cover3-
    発行日: 2008/08/20
    公開日: 2017/01/01
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