スポーツ理学療法学
Online ISSN : 2758-4356
1 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
研究論文(原著)
  • 岡村 俊, 飯田 開, 井上 翔太, 木津川 恭平, 千葉 昌宏
    2023 年 1 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2023/03/23
    公開日: 2023/03/23
    ジャーナル フリー

    【目的】本研究は男子高校野球選手における胸椎および肩甲胸郭関節の複合的な回旋可動域と投球時最大肘外反トルクとの関係を検討することを目的とした。

    【方法】対象者は県大会上位校に所属し,投手経験のある男子高校野球選手17名とした。胸椎回旋と肩甲胸郭関節の複合的な可動域評価をLumber Locked Rotation Testにて測定し,投球時最大肘外反トルク(以下最大肘外反トルク)の測定をPULSE Throwを用いて測定した。その後,LLR-tの投球側および非投球側への角度と最大肘外反トルクとの相関関係を検討した。

    【結果】投球側へのLLR-tと最大肘外反トルクに中等度の有意な負の相関関係(r=-0.49, p=0.04)が認められた。

    【結論】胸椎単独の回旋ではなく,胸椎と肩甲胸郭関節を含めた回旋可動域を評価することは高校野球選手の野球肘の症例や障害予防に対して有益である。

  • 水田 良実, 前田 慶明, 小宮 諒, 田城 翼, 鈴木 雄太, 浦辺 幸夫
    2023 年 1 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 2023/03/23
    公開日: 2023/03/23
    ジャーナル フリー

    【目的】女性アスリートの月経に関連したスポーツ活動中の不調の経験を明示することと,月経症状に対する対処方法の問題点を探ること。

    【方法】学校の部活動や地域のスポーツクラブに所属している16~30歳を対象としてWEBアンケート調査を実施した。月経周期によるコンディション変動の有無,月経に伴う症状によるスポーツ活動への悪影響,婦人科の受診経験,スポーツ現場での相談経験などを聴取した。

    【結果】151名から有効回答が得られ,全体の80.1 %が月経周期によってコンディションの変動があるとし,74.8 %がスポーツ活動に影響があると答えた。婦人科の受診経験があるのは13.9 %で,スポーツ現場での相談経験は7.9 %があると回答した。

    【結論】70 %以上の選手が月経に伴う症状により,スポーツ活動中に不具合を経験するにもかかわらず,婦人科受診経験やスポーツ現場での相談経験は少ない現状が浮き彫りとなった。

  • 大場 健裕, 小野 良輔, 榊 善成, 加藤 拓也, 太田 萌香, 藤岡 祥平, 佐々木 和広, 倉 秀治
    2023 年 1 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 2023/03/23
    公開日: 2023/03/23
    ジャーナル フリー

    【目的】人工靭帯による内側膝蓋大腿靭帯再建術(以下MPFLR)および脛骨粗面移行術(TTO)を併用した症例(以下MPFLR+TTO)における膝伸展筋力の特徴を明らかにすること。

    【方法】MPFLR群15名,MPFLR+TTO群11名を対象に,最終フォローアップ時(MPFL群22.8±15.6ヶ月;MPFL+TTO群22.8±9.6ヶ月)の等尺性膝伸展筋力を,膝関節90度及び30度で測定し,健患差および健患比を検証した。

    【結果】MPFLR群では,術側と非術側の間に等尺性膝伸展筋力の有意差はみられなかった。MPFLR+TTO群では,術側が非術側と比較して,有意に低い等尺性膝伸展筋力を示した。健患比は,MPFLR+TTO群がMPFLR群と比較して有意に低値を示した。

    【結論】人工靭帯によるMPFLRは,良好な膝伸展筋力の回復が得られる。一方で,TTOを併用した場合,膝伸展筋力の健患差が残存し,単独MPFLRと比較して術後の筋力回復が得られにくいことが示唆された。

  • 髙橋 和登, 山口 紗矢子, 小林 匠
    2023 年 1 巻 1 号 p. 21-27
    発行日: 2023/03/23
    公開日: 2023/03/23
    ジャーナル フリー

    【目的】足部アーチ高測定方法間の関連性および足部アーチ形態が荷重位足関節背屈可動域とバランス機能に及ぼす影響を検討することを目的とした。

    【方法】健常成人学生44名88足を対象とし,4種類の足部アーチ高測定方法にて足部形態を評価し,各測定方法間の相関を検討した。また,foot posture index - 6 item versionによって分類したNormal foot群とLow foot群で荷重位足関節背屈可動域,バランス機能を比較した。

    【結果】足部アーチ高測定方法間には一定の相関を認めた。一方,Normal foot群とLow foot群の間で荷重位足関節背屈可動域,バランス機能に有意差は認めなかった。

    【結論】足部アーチ高測定方法は,各測定方法の利点・欠点を踏まえて目的に応じて最適な方法を選択すべきである。足部形態が荷重位足関節背屈可動域やバランス機能に及ぼす影響は少ない。

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