【目的】本研究は男子高校野球選手における胸椎および肩甲胸郭関節の複合的な回旋可動域と投球時最大肘外反トルクとの関係を検討することを目的とした。
【方法】対象者は県大会上位校に所属し,投手経験のある男子高校野球選手17名とした。胸椎回旋と肩甲胸郭関節の複合的な可動域評価をLumber Locked Rotation Testにて測定し,投球時最大肘外反トルク(以下最大肘外反トルク)の測定をPULSE Throwを用いて測定した。その後,LLR-tの投球側および非投球側への角度と最大肘外反トルクとの相関関係を検討した。
【結果】投球側へのLLR-tと最大肘外反トルクに中等度の有意な負の相関関係(r=-0.49, p=0.04)が認められた。
【結論】胸椎単独の回旋ではなく,胸椎と肩甲胸郭関節を含めた回旋可動域を評価することは高校野球選手の野球肘の症例や障害予防に対して有益である。
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