気管支学
Online ISSN : 2186-0149
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26 巻, 8 号
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  • 原稿種別: 表紙
    2004 年 26 巻 8 号 p. Cover1-
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2004 年 26 巻 8 号 p. Toc1-
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2004 年 26 巻 8 号 p. App1-
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2004 年 26 巻 8 号 p. Toc2-
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2004 年 26 巻 8 号 p. Toc3-
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 山崎 浩一, 品川 尚文, 小野寺 祐也, 朝比奈 肇, 猪村 帝, 菊地 英毅, 菊地 順子, 小西 純, 浅野 文祐, 西村 正治
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 689-693
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    肺末梢小型病変に到達する気管支をバーチャル気管支鏡によりシミュレーションする方法が報告され, 我々もCT透視下経気管支生検の際にバーチャル気管支鏡により肺末梢小型病変に到達する気管支のシミュレーションを行い, その有用性を発表してきた. さらに, 経気管支生検施行中にrealtimeで肺末梢小型病変に到達する気管支をナビゲーションする新しいシステム, 気管支内視鏡挿入支援システムを開発中である. バーチャル気管支鏡による気管支のナビゲーションは, CT透視下のみならずガイドシース併用気管支内腔超音波断層法(EBUS-GS)を併用した経気管支生検の際にも, 診断率の向上と検査時間, X線透視時間が短縮されることが期待される. また, 術前バリウムマーキングにバーチャル気管支鏡によるナビゲーションと極細径気管支鏡を用いる方法は, 病変近傍に正確にマーキングする極めて有用な方法と考えられる. 今回, 本法の利点, 問題点および今後の展望について報告する.
  • 浅野 文祐, 足達 広和, 佐藤 寛之, 桐井 宏和, 松野 祥彦, 安部 崇, 安藤 守秀, 進藤 丈, 堀場 通明, 小牧 千人, 佐野 ...
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 694-696
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    肺癌患者数の増加, computed tomograpy(CT)の普及および肺癌検診への導入により, 肺末梢病変が多く発見されるようになった. 胸部X線単純写真では異常を認めず, CTでのみ病変を認める症例も増加している. しかし画像による肺癌診断は限界があり, 細胞組織診断が重要である. 肺末梢病変に対する診断方法の現状と問題点 本邦では肺末梢病変に対して, X線透視下気管支鏡検査が主に行われており, 末梢型肺癌診断における感度は40〜80%と報告されている. 1 検査には成人の場合, 通常は外径5〜6mm前後の気管支鏡が使用されてきた. 2 これら通常径気管支鏡の観察範囲は, 一般に亜区域(III次)から亜々区域(IV次)気管支程度である. 2 またS1+2, S1, S2, S6の肺尖側の病変は, 気管支鏡の先端アングル角度を最大にしても, 気管支鏡の挿入および生検器具の誘導が難しい. 3 一方, 生検器具の病変への到達は, X線透視下で判断されるので, 特に小型病変では不確実な場合がある. このため肺末梢小型病変に対する経気管支診断率は低く, 2cm以下の肺癌の場合, 陳ら3は65.6%, 遠藤ら4は76%, 森ら5は83.5%と述べている.
  • 山田 玄, 明田 克之, 表多 希子, 高橋 守, 谷口 雅之, 大塚 満雄, 猪股 慎一郎, 西海 豊寛, 高橋 弘毅, 阿部 庄作
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 697-703
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    目的. 気管支鏡の可視範囲には気管支静脈系の血管網が観察される. 側視型の拡大気管支ビデオスコープ(XBF240HM5, オリンパス社)を用いて, 気道病変に伴う気管, 気管支の粘膜面の血管網の変化を検討する. 対象と方法. 気管支喘息(BA)11例, 慢性気管支炎(CB)12例, サルコイドーシス(SAR)17例を対象に内視鏡画像解析ソフト(Solemio ENDO ProStudy, オリンパス社)を用いて血管面積比, 血管長比, 血管長/血管面積比, IHb値について検討した. 同様に, 腫瘍性病変23例(腺癌6例, 扁平上皮癌6例, 小細胞癌4例, 転移性肺癌7例)を対象に粘膜変化を検討した. なお, 可視範囲に異常のない15例を対照とした. また, 粘膜の微細構造の描出を目的としたNarrow bandimaging(NBI)system(オリンパス社)を用いて正常気管支粘膜の観察を行い通常光と比較した. 結果. 内視鏡画像解析ソフトでの検討では, 血管面積比と血管長比は, SARは, BA, CB, 対照よりも有意に増加し, CBは, BA, SAR, 対照よりも有意に低下していた. 血管長/血管面積比はCBが対照よりも有意に増加していた. IHb値は, CBがBA, SAR, 対照よりも有意に低下していた. 腫瘍性病変では, 腫瘍または腫瘍近傍の微小血管が増加している場合(血管増加型)と粘膜肥厚が主体の場合(粘膜肥厚型)に分けて検討した. 血管増加型では, 原発性肺癌と転移性肺癌において血管面積比, 血管長比, IHb値が対照よりも有意に増加し, 血管長/血管面積比は原発性肺癌が対照よりも低下していた. また, IHb値は, 血管増加型と粘膜肥厚型が対照と比較して有意に増加していた. 次に, NBI systemを用いて正常気管支粘膜の観察を行った. 特にB画像(400〜430nm)において通常光の観察では描出されない上皮直下の微小血管の描出が良好であった. 結論. XBF240HM5は, 内視鏡画像解析ソフトあるいはNBI systemと組み合わせることにより, 気道病変に伴う気管支上皮下の血管網の微細な変化を解析することが可能と思われる.
  • Kazuhiro Yasufuku, Masako Chiyo, Takekazu Iwata, Tomoyasu Yashiro, Har ...
    原稿種別: Article
    2004 年 26 巻 8 号 p. 704-710
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    Endobronchial ultrasound (EBUS) guided biopsy in respiratory disease is a promising new modality. The radial probe EBUS has been used for the biopsy of peripheral lung lesions using the guide sheath. In addition, theradial probe EBUS guided TBNA has increased the yield of TBNA of mediastinal lymph nodes. However it is still not areal-time procedure with target visualization. To overcome these problems, a new convex probe endobronchial ultrasound (CP-EBUS) with ability to perform real-time EBUS guided TBNA (EBUS-TBNA) was developed. EBUS-TBNAcan be used for (a) lymph node staging in lung cancer patients; (b) diagnosis of intrapulmonary tumors; (c) diagnosisof unknown hilar and/or mediastinal lymphadenopathy; and (d) diagnosis of mediastinal tumors. A total of 161 procedures have been done using the CP-EBUS. In 98 patients with lung cancer or suspected lung cancer, EBUS-TBNA wasperformed to obtain samples from 121 lymph nodes. The sensitivity, specificity, and accuracy of EBUS-TBNA in distinguishing benign from malignant lymph nodes were 92.3%, 100%, and 93.9%, respectively. EBUS-TBNA of mediastinaltumors or mediastinal lymphadenopathy was successfully performed in 26 patients. The procedure was uneventful andthere were no complications. EBUS-TBNA is a novel approach that is safe and has a good diagnostic yield. This new ultrasound puncture bronchoscope has an excellent potential in assisting safe and accurate diagnostic interventionalbronchoscopy in respiratory diseases.
  • 成島 道昭, 松石 純, 山下 潤, 鈴木一
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 711-716
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    局所麻酔下胸腔鏡は胸膜疾患の診断に用いられ, 有用性が高いとの報告は多い. 今回国内の局所麻酔下胸腔鏡を実施している26施設に対し局所麻酔下胸腔鏡の現状についてアンケート調査を実施した. 施行目的では, 浸出性胸水貯留症例の診断目的が16施設と多く, 胸膜剥離などの治療も行っているのは9施設であった. 施行時期は, 胸水検査にて診断がつかない場合に行う施設が15施設と最も多く, また施行方法については専用スコープであるLTF-240を用いた方法を採用している施設が多かった. 施行成績では, 高い診断率を掲げる施設も多いが, 胸水検査にて診断がつかない場合に行う施設よりも比較的早期に本法を施行している施設に高い診断率が得られている傾向にあった. 実施数については月に1〜2症例の施設が多く, 未だその普及は過渡期である. 局所麻酔下胸腔鏡は, 胸膜疾患診断において呼吸器科医が行える比較的簡便で診断率の高い検査法であり, 専用スコープ以外に従来よりその使用に慣れているフレキシブル気管支鏡の本法への応用は, その普及のための現実的な有効手段と思われた.
  • 清水 克彦, 池田 徳彦, 坪井 正博, 平野 隆, 加藤 治文, 峠 哲哉
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 717-721
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    目的. 近年CTの進歩により肺野に小型の結節影, 特に限局性すりガラス陰影(ground-glass opacity:以下GGO)を呈する病変が発見される頻度が増加しており, その治療方針に悩むことが多い. 東京医大針を用いたCTガイド下経皮肺穿刺細胞診(percutaneous CT-guided transthoracic biopsy:以下CTNB)の成績と問題点, 特にGGO病変に対する評価を検討する. 方法. 過去4年間に手術を行った腫瘍径2cm以下の小型肺癌151例のうち術前CTNBにて術前診断を得た96例を対象とした. 結果. CTNBの診断率は腫瘍径10mm以下:48.5%, 11〜15mm:62.5%, 16〜20mm:83.9%であった. 病変におけるGGOの占める割合が50%以上のGGO群43例, 49%以下のSolid群53例に分け検討したところ, Solid群では全体で75.6%, 10mm以下:62.5%, 11〜15mm:75%, 16〜20mm:86%の診断率だったのに対し, GGO群では全体で51.2%, 10mm以下:35.2%, 11〜15mm:50.0%, 16〜20mm:80.0%であり診断率に有意差を認めた. 主な合併症は気胸を30例, 34.4%に認めた. 考察. CTNBは小型肺癌に対する術前診断として有用であり, 危険性も認容範囲内である. 充実性の陰影に対しては高い診断率が得られるが, GGO優位で腫瘍径が15mm以下の病変に対しては, 確定診断が得られないことも多い.
  • 今村 文生, 上野 清伸, 吉村 真奈, 内田 純二, 楠 洋子, 児玉 憲, 東山 聖彦, 塚本 吉胤
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 722-724
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    肺野型小型肺癌の診断は通常気管支鏡を用いて行われる. しかし, 可視範囲に病変が存在することは稀なため, 生検の際に検体が病巣より採取されるとは限らず, 確定診断率は十分に高いとはいえない. 我々はShorr染色を基に迅速細胞診検査を開発した(迅速Shorr染色). 迅速細胞診を用いて気管支鏡検査時の細胞診用検体を検査室で染色し, 陰性の場合は追加検査を行うことにより, 診断率は72%から91%に改善した. 一方, 心肺機能の低下等のため外科的切除のできない患者や, 高齢者の肺野型小型肺癌に対して, 小線源治療を開発した. 21ゲージ針を用いた経皮的アプローチ, 気管支鏡を用いた経気道的アプローチの両方が可能である. 放射線肺炎は概して軽く, 局所制御も良好であった.
  • 白石 武史, 平塚 昌文, 山本 聡, 岩崎 昭憲, 白日高 歩
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 725-729
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    我々は過去10年間に, c-Stage I原発性非小細胞肺癌に対し68例の区域切除を行った. うちND2郭清を伴うもの(36例)を積極的縮小手術, ND1以下のものを消極的縮小手術と位置づけている. 現在までの全体の5年生存率は64.6%であった. 区域切除群の結果をretrospectiveに同時期の葉切群と比較し, 予後に寄与する因子を解析することにより区域切除術の妥当性を検討した. 対象. 1994年1月〜2004年3月にc-Stage I非小細胞肺癌でND2リンパ節郭清を含む葉切除または区域切除を受けた294例. 葉切258例, 区切36例. 葉切除群の5年生存率は69.1%, 区切は64.6%(p=0.646)であった. Cox比例ハザードを用い, 予後に対する危険因子を検討した. 結果. 単変量解析で有意な危険因子は, 腫瘍径[0〜2cm vs 2.1cm<;p=0.032], リンパ節転移[転移+vs-;p=0.009], 組織分化度[高分化vs中低分化;p=0.018], 胸膜陥入[p=0vsp=1以上;p=0.016]であり, 術式[葉切vs区切]はp=0.983であった. 多変量解析では胸膜陥入[p=0.04]のみが有意な因子であり, 組織分化度がp=0.06を示した. 区域切除術のよい適応と考えられるT&InE;≦2.0cm, pNO症例群の5年生存率は肺葉切除術で84.1%, 区域切除術で71.0%を示した(p=0.51). まとめ. c-Stage Iに対して, ND2区域切除は積極的根治手術となりうる可能性がある. ただし, 根治的区切に対するコンセンサスが得られていない現状では, 予後を悪化させる可能性のあるT>2.0cm, pN(+), 胸膜陥入(+), 低分化度症例への適応は慎重にし, さらに症例を重ね検討する必要がある.
  • 松本 勲, 小田 誠, 常塚 宣男, 田村 昌也, 滝沢 昌也, 谷内 毅, 川上 和之, 太田 安彦, 渡邊 剛
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 730-734
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    背景. 近年, 肺野小型病変が発見される機会が増加している. 微小な病変や胸部CT写真上すりガラス陰影を呈する病変の確定診断は内科的検査では困難で, 胸腔鏡手術が有用である. また, 最近, 末梢小型肺癌に対して積極的縮小手術の試みがなされている. 目的. 術前診断未確定の径20mm以下の肺野小型病変に対する胸腔鏡による診断および治療について検討した. 対象. 2000年1月から2004年1月に確定診断が付かず, 当科で胸腔鏡:下手術を行った最大径20mm以下の肺野末梢小型腫瘤の154例. 原則として術前に, CTガイド下に糸付きフックワイヤーを使用し腫瘍部のマーキングを施行した. 胸腔鏡下に肺部分切除または区域切除を行い, 術中迅速病理診断を行った. 末梢小型肺癌に対しては術前に同意を得た症例に積極的縮小手術を施行した. 結果. CTガイド下マーキングを施行した149例中, 45例で軽度の気胸を生じたが, 胸腔ドレナージを要するものはなく, 重篤な合併症はなかった. 病理診断は悪性121例, 異型腺腫様過形成7例, 良性26例. 全例で確定診断を得ることができ, 生検での切除断端の病変遺残はなかった. 原発性肺癌117例中36例(30%)に対して積極的縮小手術を行った. 組織型は腺癌34例, 扁平上皮癌2例で, 病理病期はIA期34例, IIA期1例, IIIA期1例であった. 積極的縮小手術症例の予後は全例1〜51か月生存中で局所再発および遠隔転移はない. 結語. CTガイド下マーキング後の胸腔鏡下肺生検は重篤な合併症はなく, 確定診断が確実で有用な生検法であった. 肺野末梢小型肺癌に対する積極的縮小手術は, 慎重な症例選択の下に行うことにより, 患者のQOLを保ちながら良い予後を得ることができた. ただし, 局所再発の可能性があり, 患者に十分説明した上で慎重に行った. また, 術式の決定は術中病理診断を根拠としたが, 腺癌の術中迅速病理診断は過大評価される傾向にある一方, 過小評価される場合もあり慎重を要する.
  • 大崎 能伸, 澁川 紀代子, 中尾 祥子
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 735-739
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    気管支鏡検査は重大事故の発生率という観点からは安全な検査であるといえる. しかし, 発生率が低くても検査中に合併症が発生すると重篤な傷害に進展する危険性が高い. 気管支鏡検査時の合併症のうち頻度が高いものは, 大量出血, 気胸, 呼吸不全, 喘息発作, 心筋梗塞, 不整脈, リドカイン中毒, 炎症, 気道閉塞の悪化などと報告されている. 気管支鏡検査での意識に上がるリスクを軽減するには, インシデントレポート制度よりも, 検査中に気がついたことが不安全状態かどうかを判断して, 不安全状態であればすぐに改善することがよいと思われる. また, 合併症が発生した場合を想定してシミュレーションを繰り返して行い, フェイルセーフが十分であるか絶えず検討することがよいと思われる. 発生頻度が極めて少ないが重大事故につながる事例とその対策については, 本学会誌の教訓的事例や投稿論文や学会発表などを通じて検査グループや施設の中での知識として共有しておく必要がある.
  • 小田 誠, 松本 勲, 常塚 宣男, 呉 哲彦, 田村 昌也, 谷内 毅, 滝沢 昌也, 川上 和之, 太田 安彦, 渡邊 剛
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 740-742
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    目的. われわれは苦痛のない気管支鏡検査の観点から本邦でもいち早く経静脈的sedationを導入してきた. 安全で苦痛のない気管支鏡検査へのわれわれのこれまでの取り組みを検討した. 対象と方法. Sedationの方法は1984年以降は塩酸ヒドロキシジンの筋注, 1994年以降はジアゼパムと塩酸ペチジン静注, 1996年以降はミダゾラム静注とフルマゼニル静注による拮抗, 1998年以降はミダゾラム静注のみとし, ミダゾラム投与量も年齢別に設定した. 抗菌薬は使用せず, 1998年6月からは硫酸アトロピンの使用を中止した. 1994年以降は, 検査前に静脈路の確保, パルスオキシメータの装着を行い, 経鼻的酸素投与を開始し, 明るい部屋で検査を行った. 2001年以降は文書にて患者に説明し, 全例に書面での同意承諾書を取得した. 結果. 1998年6月以降に気管支鏡検査を施行した1235例において, 重篤な感染, 硫酸アトロピン投与を要する症例は認めなかった. 検査途中での検査中止例は無意識下のあばれの9例, 出血(輸血例なし)の12例に認めた. まとめ. 現在のわれわれの気管支鏡検査法は安全性と患者への苦痛軽減から評価できるものと考える.
  • 千場 博
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 743-745
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    気管支鏡検査および処置に際しては, すべての被検者に感染症が存在する危険性があると認識して器具の洗浄消毒滅菌を確実に行い, 医療スタッフも自身への感染防御には常に注意を払うべきである. 内視鏡の消毒剤に関してはグルタールアルデヒドが汎用されているが, 次世代の高レベル消毒剤であるフタラール製剤と過酢酸製剤が特に抗酸菌に対してグルタールアルデヒドに比べ有意に高い殺菌力を示している. 周辺機器に関してはできるだけディスポーザブル製品を使用することが望ましい. 本稿は, 日本呼吸器内視鏡学会のホームページ上に掲載した手引書「気管支鏡検査を安全に行うために」(日本呼吸器内視鏡学会, 安全対策委員会編)の感染対策の項と同じ内容である.
  • 谷川 吉政, 青山 昌広, 本多 康希, 辻 清太, 日比野 佳孝, 松野 匡克, 白木 晶, 滝 文孝
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 746-750
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    背景. 呼吸器内視鏡施行時の安全対策の一つとして, 機器の消毒と点検は重要な事項である. 消毒薬の選択や洗浄法についてはガイドラインを遵守すべきであるが, その実践の際に各施設において必ずしも問題が無い訳ではなく, 当院でもglutaraldehyde(GA)からortho-phthalaldehyde(OPA)への消毒剤変更を要した. 目的. OPAによる呼吸器内視鏡洗浄消毒法の有効性について検討を行う. 方法. 呼吸器内視鏡検査の連続83件について, チャンネル内ブラシ洗浄後に0.55%OPA製剤にて自動洗浄機による洗浄消毒を行い, 全洗浄過程終了後の鉗子チャンネル内, 鉗子口, 吸引口について一般細菌および抗酸菌培養を行った. 結果. 83件249検体中, 11件11検体で培養陽性となった. 内訳は, 鉗子口からS. epidermidis 7検体, Propionibacterium 1検体, 吸引口からS. epidermidis 1検体であった. 抗酸菌培養はすべて陰性であった. 自動洗浄機におけるOPA濃度について検討を行ったところ, 自動洗浄機の洗浄回数の増加に伴い, 自動洗浄機薬液タンク槽内におけるOPA濃度が希釈のために著しく低下することが判明した. そのためOPA有効濃度を維持するためには適宜濃度を確認する必要があった. 結論. OPAによる内視鏡洗浄法はGAと同等の消毒効果を有しており, 安全性にも優れているが, 希釈等の消毒工程に影響する因子などにも留意し, 洗浄消毒効果が維持できているか否かは各施設で定期的に確認される必要がある.
  • 渋谷 泰寛, 駒崎 義利, 林 宏紀, 馬場 久美子, 楢戸 律子, 上村 なつ, 小室 巌, 榎本 達治, 中村 清一, 小山 茂
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 751-756
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    目的. 気管支鏡検査前の血液感染症検査は多くの施設で実施されている. 検査項目はHBs抗原, HCV抗体, 梅毒血清反応, HIV抗体の場合が多い. 一方, 包括支払制度(DRG/PPS)の導入に伴い, 日常診療での検査項目の見直しが行われている. また, 消化管内視鏡検査前血液感染症検査の必要性を再検討する動きもある. 今回我々は, 当院の気管支鏡検査前の血液感染症検査の実態を調べ, 必要性の検討を行った. 方法, 結果. 2002年1月から2003年12月までに当院で施行された気管支鏡検査406例の血液感染症検査項目と陽性率を調べた. 99.3%に感染症検査が行われており, 内訳はTPHA, HBs Ag, HCV Abが各100%, RPR 22.5%, HBs Ab 5.2%, HIV Ab 0.7%であった. 陽性率はTPHA 4.7%, HBs Ag 4.1%, HCV Ab 3.8%で, RPR, HIV Ab 0%であった. 同期間の気管支鏡検査に関連した血液汚染事故(針刺し事故を含む)の発生はなく, 気管支鏡検査を介した血液感染症発生の報告はなかった. 考察. 当院では, 患者ごとに気管支ファイバーを変えており, オルトフタルアルデヒドを使用し内視鏡自動洗浄装置で滅菌を行っている. 気管支鏡を介した血液汚染事故の発生もなく, 仮に発生したとしても24時間緊急検査を行うことが可能である. 気管支鏡検査前の血液感染症検査実施率は依然高いが, スタンダードプリコーションを遵守していれば気管支鏡検査前の血液感染症検査は不要と考えられる.
  • 山本 英彦
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 757-761
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    気管支鏡検査前の最も重要なリスクマネージメントは適切なインフォームドコンセント取得である. すなわち本検査が必要である理由(目的), 検査方法, 起こりうる合併症などを十分に説明し, 可能な限り文書で同意を取る必要がある. 検査自体は, 安全で苦痛のない検査を目指すべきであり, この目的のためには服薬状況や薬物アレルギーの問診, 心肺肝腎機能などの患者情報の収集, さらには局所麻酔剤や鎮痛剤など前投与薬剤の選択と投与方法の工夫が要求される. 感染対策としては, 被検者に使用する検査器具を確実に消毒するだけでなく, 施行者への感染対策にも配慮する必要がある. 検査にあたっては生検など観血的処置が必要であったり患者の全身状態が悪い場合もあり, 常に重篤な合併症発生の可能性を念頭に入れた対策を行うことが重要である. すなわち検査施行者が大出血など重大な合併症の起こりうる状況とその対処法に習熟するだけでなく, 管理者は病院全体のシステムとしての問題発生時の対応(人的な応援体制や救急カートの整備, 事故発生後の対応方法など)を確立しておかなければならない. 検査後には注意事項を適切に伝達して合併症発生の早期発見に努めるとともに, 検査結果の報告を確実に行うシステム作りも必要である. 気管支鏡検査の危機管理としては, 個人の技量, 知識のレベルアップ以外にも, 説明文書や麻酔法の工夫など診療科単位で整備する必要のある事項, 問題発生時の危機管理など病院全体で取り組むべき問題がある. 気管支鏡検査を安全に行うには, 個人の技量, 経験と病院全体のサポート体制を考え併せ, それに応じた手技の内容を決定することが重要である.
  • 千代 雅子, 渋谷 潔, 星野 英久, 岩田 剛和, 矢代 智康, 安福 和弘, 伊豫田 明, 尾辻 瑞人, 関根 康雄, 飯笹 俊彦, 廣 ...
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 762-765
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    自家蛍光に2つの反射光を組み合わせて観察する電子蛍光気管支鏡(AFI)の有用性について報告する. 2003年10月より2004年5月までに75症例に対し検査を行った. 男性73名(喫煙者70名, 平均年齢68.3±8.4歳), 検査理由は喀痰異常症例60例, 胸部異常影9例, その他血痰6例であった. 今回使用した改良型AFIは通常の電子スコープと同様の使用方法にて観察生検が可能である. 光源の切り替えをワンタッチで行い通常の観察から蛍光観察へ, また蛍光から通常観察へ簡便に移行できる. 白色および蛍光で異常所見部位を記録し異常が疑われる部位は生検を行った. 43箇所より生検:し12箇所(11症例)の肺癌と1例の上咽頭癌および11箇所のdysplasiaを検出した. 白色電子スコープによる癌およびdysplasiaの検出の感度は23/25(92%)特異度は7/18(38.8%)で, 蛍光では感度24/25(96%)特異度12/18(66.6%)であった. また, 中枢型肺癌12症例については手術(気管支形成術)6例, 重粒子治療3例, 化学療法3例, LASER治療1例を施行した.
  • 叶 康司, 栗本 典昭, 宮澤 輝臣, 岩本 康男, 宮津 由香, 石田 敦子, 河野 修興
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 766-771
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    目的. ダブルチャネル気管支鏡を使用した腔内細径超音波(endobronchial ultrasonography, EBUS)ガイド下TBNA(transbronchial needle aspiration, ダブル群)とシングルチャネル気管支鏡を使用したEBUSガイド下TBNA(シングル群)とコンベックス型超音波内視鏡(endoscopic ultrasound, EUS群)の診断率についての比較検討を行った. 対象. ダブル群30例, シングル群25例, EUS群30例にTBNAを実施した. 方法. ダブル群:ダブルチャネル気骸鏡の2. 8mmのチャネルにEBUSプローブを挿入して穿刺部位を決定した. 19ゲージのTBNAカテーテルを2.0mmのチャネルに挿入して病変を穿刺後, EBUSプローブを穿刺部位まで誘導しリンパ節内の針を確認して生検した. シングル群:気管支鏡のチャネルにEBUSプローブを挿入して穿刺部位を決定後, EBUSプローブを抜いて, 19ゲージのTBNAカテーテルを挿入して生検した. EUS群:目標のリンパ節をリアルタイムに観察しながら22ゲージの針を穿刺して生検した. 結果. ダブル群ではリンパ節内の針は点状高エコーとして描出された. EUS群では針は線状高エコーとして描出された. 診断率(組織診+細胞診)は, ダブル群97%, シングル群76%, EUS群83%であり, ダブル群はシングル群に比べ有意に高い結果であった(p=0.025). 組織診のみの診断率はダブル群79%, シングル群68%, EUS群47%で, ダブル群はEUS群よりも有意に高い結果であった(p=0.01). 結語. ダブル群は組織針を使用できるため, 良性病変を含めた診断に有用であり迅速細胞診がない状況下で高い診断率を示す. EUSは真のリアルタイムガイダンスであり, ステージ分類や悪性疑いなどの細胞診が要求される場合に有用な方法である. 迅速細胞診や組織針の使用が可能になれば診断率がより上昇すると考えられる.
  • 津島 健司, 久保 恵嗣, 本田 孝行
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 772-776
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    背景. 胸部CT検診の普及に伴い, 胸部X線写真では判読不能な微小肺癌が同定される. 末梢微小肺癌を含めた術前病理学的診断を確立するために, real-time CTガイド下気管支鏡を施行し, テレビ透視下気管支鏡との診断成績を同一の術者(筆頭者)による結果を元に検討した. 方法. 従来の気管支鏡と同様の処置後, 東芝製Asteion Multi CTのテーブル台に寝かせた. Real-time CT下気管支鏡時に術者は患者の頭側に立ち, real-time CTモニターと気管支鏡モニターは患側に配置した. 管電流は10mAs, 管電圧は120kVとした. 使用した気管支鏡は3C40, P40で, 細径気管支鏡で結節までの気管支を同定し, P40で生検, 吸引および擦過細胞診を施行した. 照射時間の縮小のため仮想気管支鏡, 迅速細胞診を適宜併用した. 同一術者によるテレビ透視下成績を腫瘍径別に比較した. 結果. real-time CT下気管支鏡で82結節に施行し, その内訳は10mm以下21例, 11〜15mm24例, 16〜20mm19例, 21〜25mm9例, 26mm以上9例で, 正診率は62.2%, テレビ透視は78例に対して正診率52.6%で明らかな有意差は無かった. 15mm以下結節の正診率は有意差(p=0.039)でありreal-time CT下の方が優れていた. 患者への放射線曝露は通常のthin-section CTを撮像した場合と同量であった. 結語. 15mm以下結節でreal-time CT下気管支鏡は高い正診率であった. 20mm以上では両者に差を認めなかった. 鉗子のreal-timeな同定が可能であり, 偽陰性を減らすことが可能であった.
  • 宮津 由香, 宮澤 輝臣, 檜山 桂子, 岩本 康男, 石田 敦子, 叶 康司, 檜山 英三
    原稿種別: 本文
    2004 年 26 巻 8 号 p. 777-779
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    適切に選択された早期中心型肺癌にPDTを施行した場合, 予後は非常に良好であるが, 我々は早期に再発する症例, あるいは第二次癌が発生する症例を時として経験する. 早期中心型肺癌を持ち, PDTにて加療後長期間に経過観察を施行できた症例の経過観察中に採集された気管支上皮の生検標本を用いテロメラーゼ蛋白の免疫染色をin situで施行した. CRが持続する症例の生検標本ではテロメラーゼ蛋白は陰性であった. しかし, 再発あるいは近傍より第二次癌が発生した症例の生検標本には, H-E染色"正常"の気管支上皮に癌発生前にテロメラーゼ蛋白の陽性を認めた. PDT後にCRが得られても"テロメラーゼ蛋白陽性非腫瘍性気道上皮"が検出されれば, 新たなPDT後の予後不良因子になるかもしれない.
  • 原稿種別: 付録等
    2004 年 26 巻 8 号 p. App2-
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2004 年 26 巻 8 号 p. App3-
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2004 年 26 巻 8 号 p. 1-4
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2004 年 26 巻 8 号 p. 5-9
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2004 年 26 巻 8 号 p. 10-11
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 索引
    2004 年 26 巻 8 号 p. 1-5
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 索引
    2004 年 26 巻 8 号 p. 6-11
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 索引
    2004 年 26 巻 8 号 p. 12-17
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 表紙
    2004 年 26 巻 8 号 p. Cover2-
    発行日: 2004/12/25
    公開日: 2016/10/15
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