気管支学
Online ISSN : 2186-0149
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27 巻, 5 号
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  • 原稿種別: 表紙
    2005 年 27 巻 5 号 p. Cover1-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2005 年 27 巻 5 号 p. App1-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2005 年 27 巻 5 号 p. App2-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 付録等
    2005 年 27 巻 5 号 p. App3-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2005 年 27 巻 5 号 p. Toc1-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 原稿種別: 目次
    2005 年 27 巻 5 号 p. Toc2-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 金子 公一
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 353-354
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    本年4月1日より個人情報の保護に関する法律が全面施行され各分野で対応に追われていると思うが, 施行にあたっては特に影響の大きな金融, 情報通信の分野と並んで医療分野でも特別な対応が求められている. 患者情報に関しては医療関係者に守秘義務があるが, これは医療者側に義務として課せられているものであるのに対して, 今回の個人情報保護法は患者側の権利として患者自身が個人情報をコントロールするものであり, 考え方の根本に大きな違いがある. この法律は2年前に成立しており本年4月の全面施行に向けてガイドライン作成などの環境作りがなされてきた. 法律の成立は1980年のOECD(経済協力開発機構)理事会勧告の個人情報保護8原則すなわち, 1)収集制限の原則, 2)データの正確性の原則, 3)目的明確化の原則, 4)利用制限の原則, 5)安全保護の原則, 6)公開の原則, 7)個人参加の原則, 8)責任の原則, を踏襲しており, あらゆる分野での情報が国境なく自由に交錯する中でグローバルスタンダードとしてのプライバシー保護の必要性から成立が図られた.
  • 瀧澤 弘隆
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 355-356
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    この度永井厚志会長がメインテーマ「智と技, そして心」を掲げて開催された第28回日本呼吸器内視鏡学会が盛会のうちに終了した. 自家蛍光気管支鏡や往時は夢であった超音波気管支鏡が実用化されて早期癌や病期の診断に活躍し, 多岐に亘るインターベンションの発達と相侯って, 呼吸器疾患全般の診断治療に活躍している様には目を見張るものがあった. 内視鏡自体の改良のみならず, virtual bronchoscopyにCT技術が駆使され, また, 内視鏡を基軸として内科と外科の間に密接な協力関係と役割分担が強化されて, それぞれの講演や研究が組織横断的結合の成果として行われているのは誠に心強い限りであった. 更に呼吸器インターベンションハンズオンセミナーでは, 内外の練達の士が自らの優れた技術を公開して直接コツの伝授を行った広い会場は, 熱気で溢れ素晴しい光景であった. このような現況に至る起爆剤となったのは, 池田茂人先生によるフレキシブル気管支鏡の開発普及と幾多の研究者によるたゆまぬ改良の賜である.
  • 江夏 総太郎, 白石 武史, 岩崎 昭憲, 山本 聡, 白日 高歩
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 357-360
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    背景. 悪性腫瘍による気道狭窄は呼吸困難を来し, 分泌物や出血で容易に窒息を引き起こす. 目的. 今回, 当施設における気管分岐部狭窄に対するDynamic stent留置の経験を報告する. 対象. 1994年から2003年までに悪性腫瘍による気管分岐部狭窄に対しDynamic stentにて治療された10例を対象とした. 手技. 全身麻酔下に専用の鉗子を用いてDynamic stentを把持, 気管内挿管の要領で挿入した. 結果. 2例以外の患者で呼吸困難の改善が得られた. 改善しなかった患者の内訳は1例が癌性リンパ管症であり, 1例は肺炎であった. ステント留置後の平均生存期間は5. 7ヶ月であった. 合併症2例(肺水腫, 喉頭浮腫)を認めたが術後管理にて改善した. 結語. 気管分岐部狭窄に対してDynamic stentは有用であり, 安全な挿入のために技術の習熟を要する.
  • 大石 久, 桜田 晃, 岡田 克典, 佐藤 雅美, 山中 澄隆, 松田 安史, 宮本 彰, 菅原 崇史, 松村 輔二, 近藤 丘
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 361-366
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    背景・目的. 原発性肺癌の診療において, 縦隔リンパ節や肺門リンパ節への転移の有無を知ることは, 治療の決定において重要である. 我々はリアルタイム超音波ガイド下経気管支針吸引(real time endobronchial ultrasound-guided fine needle aspiration : 以下EBUS-FNA)を導入し, 原発性肺癌の縦隔, 肺門リンパ節転移の病理学的診断を施行したので, その結果を報告する. 対象. 2003年3月から2004年1月の間に, 当科にて縦隔, 肺門リンパ節に対し, EBUS-FNAを施行した19例の原発性肺癌症例. 結果. EBUS-FNA施行中, 施行後の合併症は認めなかった. 19例中EBUS-FNA陽性が8例, 陰性が11例であった. EBUS-FNA施行後の縦隔鏡検査や肺癌根治術で真の結果が判明した16症例における全22リンパ節にて, 検査精度について検討したところ, 感度は73%, 特異度は100%であった. ただし, #3のリンパ節における感度は25%, #3を除いた部位での感度は100%であった. 結論. EBUS-FNAは安全かつ正確に施行することができ, 結果も満足いくものであった. ただし, #3リンパ節に対しては技術的な工夫をして, 診断精度を向上させる必要がある.
  • 北沢 将人, 近藤 竜一, 高砂 敬一郎, 羽生田 正行
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 367-371
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    背景. 顆粒細胞腫は神経鞘細胞由来の腫瘍であり, 全身の種々の臓器に認められるが, 気管原発の顆粒細胞腫は極めてまれである. 症例. 55歳, 男性. 検診の胸部CT検査にて頸部気管膜様部に腫瘤を指摘され当院を紹介された. 胸部CT, MRIにて気管膜様部に1cm大の腫瘤を認めた. 気管支鏡検査では声帯から5cm尾側の気管膜様部に表面平滑な粘膜下腫瘍様病変を認め, 気管腔内超音波検査では気管第2層から最外層にかけて低エコー腫瘤を認めた. 穿刺吸引細胞診の結果はclassIIであった. このため良性気管粘膜下腫瘍の術前診断にて手術を施行した. 腫瘤は気管膜様部縦走筋内から壁外性に突出しており, 手術は気管粘膜面を残し腫瘤を核出し得た. 食道壁を気管膜様部へ縫着して壁補強を行った. 病理組織診断は気管顆粒細胞腫であった. 術後経過は順調で, 術後3年2か月現在再発兆候を認めていない. 結論. 壁外発育型の気管, 気管支顆粒細胞腫の報告は比較的まれであるが, 術前気管腔内超音波検査が術式選択に有用であったため報告する.
  • 松久 隆之, 森 俊之, 浦田 淳夫, 坂本 英雄
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 372-377
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    背景. 肺胞蛋白症は稀な疾患であり, 細菌, 真菌感染症の合併がみられる. これらの合併症が肺胞蛋白症を悪化させるとの報告がみられる. 症例. 52歳の男性. 主訴は血痰である. 肺胞蛋白症で他院通院中であったが, 2001年3月当院紹介受診. 胸部レントゲン上右上肺野に結節影, 両中下肺野に淡い浸潤影を認めた. 同年11月, 臨床経過と経気管支生検による組織学的所見から肺アスペルギローマと診断した. イトラコナゾールの経口投与にもかかわらず, 菌球は明瞭となるのに伴い, 肺胞蛋白症の増悪も疑われた. 結論. 我々はアスペルギローマの増悪が, 肺胞蛋白症を悪化させた可能性があると考えた.
  • 佐藤 陽子, 清水 健一郎, 清水 久裕, 竹田 宏, 田井 久量
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 378-382
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    背景. 結核の治療法が確立された現在においても気管支結核は問題となっており, その理由として診断が遅れがちであること, 治癒後も気管支の狭窄を残すことが多いこと, 初期に気管支喘息や腫瘍と誤診されやすいことなどがあげられる. 症例. 27歳インドネシア人男性. 2003年12月から乾性咳嗽を認め他院にて加療中だったが改善なく, 当院紹介となった. 画像的に肺門, 縦隔リンパ節の腫大を認め, ツベルクリン反応は陽性であった. 気管支鏡検査では右中間幹外側粘膜に縦走潰瘍を認めた. 気管支生検では乾酪壊死を伴う類上皮細胞肉芽腫を認めたが, 喀痰および気管支鏡検査での抗酸菌塗抹, PCRは陰性であった. 補助診断としてQuantiFERON-TB(QFT)検査を施行したところ陽性と判明した. 結果. 以上より, 臨床的に気管支結核と診断し, 抗結核薬の内服を開始したところ粘膜所見の改善を認めた. 後に, 気管支洗浄液より結核菌が培養され, 気管支結核の確定診断に至った. 結論. 比較的まれな気管支内腔所見を呈した気管支結核の早期診断において貴重な症例と考え報告する.
  • 呉 哲彦
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 383-387
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    気管支鏡検査を苦痛はともなうが我慢する検査から苦痛をともなわず我慢しない検査へと変えるためには, 気管支鏡検査の手技に習熟し適格な検査を行うことはいうまでもなく適切な麻酔を行うことが重要である. 麻酔にはリドカインを用いる局所麻酔と鎮静さらには全身麻酔があるが, これらについての具体的な方法と注意点について述べてみたい. 気管支鏡前投薬 全国気管支鏡調査2000によれば前投薬として硫酸アトロピンと塩酸ヒドロキシジン(アタラックスP(R))を用いている施設が多い. 筆者は以前全例に硫酸アトロピンは原則として用いていなかったが, 現在は症例を選択し使用している. 硫酸アトロピンは前投薬として内視鏡検査, 特に気管支鏡検査において気道分泌の抑制, 気管支痙攣の抑制および除脈の予防目的に用いられてきた. しかし, 硫酸アトロピン投与による口渇, 頻脈, 重篤な不整脈の報告もあり, また前立腺肥大症での排尿困難や緑内障での眼圧上昇がおこる可能性も危倶される. これらのことより硫酸アトロピンの投与を再検討し前投薬としての投与は不要とした報告や, その気道分泌物抑制には効果が期待できないという報告が見られる.
  • 千場 博
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 388-390
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    気管支鏡検査および処置に際しては, すべての被検者に感染症が存在する危険性があると認識して器具の洗滌, 消毒, 滅菌を確実に行い, 医療スタッフも自身への感染防御には常に注意を払うべきである. 内視鏡の消毒剤に関してはグルタールアルデヒドが汎用されているが, 次世代の高レベル消毒剤であるフタラール製剤と過酢酸製剤が特に抗酸菌に対してグルタールアルデヒドに比べ有意に高い殺菌力を示している. 周辺機具に関してはできるだけデイスポーザブル製品を使用することが望ましい.
  • 大崎 能伸, 澁川 紀代子
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 391-394
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    気管支鏡検査は重大事故の発生率という観点からは安全な検査であるといえる. しかし, 発生率が低くても検査中に合併症が発生すると重篤な傷害に進展する危険性が高い. 気管支鏡検査時の合併症のうち頻度が高いものは, 大量出血, 気胸, 呼吸不全, 喘息発作, 心筋梗塞, 不整脈, リドカイン中毒, 炎症, 気道閉塞の悪化などと報告されている. 気管支鏡検査での意識に上がるリスクを軽減するには, 検査中に気がついたことが不安全状態かどうかを判断して, 不安全状態であればすぐに改善することがよいと思われる. また, 合併症が発生した場合を想定してシミュレーションを繰り返して行い, フェイルセーフが十分であるか絶えず検討することがよいと思われる. 発生頻度が極めて少ないが重大事故につながる事例とその対策については, 本学会誌の教訓的事例や投稿論文や学会発表などを通じて検査グループや施設の中での知識として共有しておく必要がある.
  • 鏑木 孝之, 雨宮 隆太
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 395-400
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    今日の呼吸器疾患の診療に気管支鏡検査は必要不可欠な診断機器となっている. 気管支鏡診療の基本は気管支の既存構造に基づいた画像の解析にある. 現在, 本邦で用いられている気管支鏡所見分類(日本肺癌学会, 日本呼吸器内視鏡学会)を基に, 演者達が従来の分類では不完全と考えている部分を補完して, 肺癌の増殖を中心に述べる. 正常気管支の気管支鏡的命名 気管支は左右主幹を0次, 各葉支を1次区域支を2次, 3次気管支である亜区域支は小文字のアルファベット洋数字で表記する. 原則的に同レベルの気管支に対して上方→下方, 後方→前方, 外側→内側の順に命名する(図1). 右上葉は縦走襞のB^2区域を同定し, 右回りに1, 2, 3と命名する. それに対して左上葉は左回りB^<1+2>a, B^<1+2>b, B^<1+2>c, B^3a, B^3b, B^3cと命名する. 右中葉はB^4を外側B^5を縦隔側に同定する. 左舌枝はB^4を上外方, B^5を下前方に同定する. 右下葉気管支は後方のB^6縦隔側のB^7分岐ののち前方よりB^8, B^9, B^10を同定する. B^6, B^10の亜区域支は後方より反時計回りに亜区域支a, b, cを同定する. これに対して左B^6, B^10の亜区域支は後方より時計回りに亜区域支a, b, cを同定する. これらのnormal variationについては参考図書をご参照頂きたい.
  • 近藤 光子
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 401-405
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    気管支鏡を介して, 気管支内に生理食塩水を注入し, 肺胞や末梢気道レベルを洗浄し, その回収液の細胞成分や液性成分を解析する方法で, 反復して施行することも可能である. 1970年代に開発され, 1980年代にびまん性肺疾患に対する有用性が確立された. 1990年代にはBALのガイドラインが示され, 標準化がなされるようになってきている. 現在, びまん性肺疾患の診断, 病態解析などに広く用いられている. 通常の気管支鏡と同様の前処置を行い, 気管支鏡を楔入し, そのチャンネルを通して生理食塩水を通常, シリンジで50mlを用手的に3回注入, 回収する. 回収時には気管支の虚脱が起こらないように陰圧は強くかけすぎない. 洗浄部位はびまん性肺疾患では中葉や舌区の区域支または亜区域支を選択することが多い. 病変が限局しているときは病変部を選択することもあるが, 回収率が不良になる可能性がある. 洗浄部位の記載は忘れずに行う. BAL施行中の咳嗽は回収率を低下させ, またcontact bleedingによる血液混入は結果の解釈に影響するので, 十分麻酔して咳嗽を防止する.
  • 横瀬 智之
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 406-414
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    呼吸器のみならず多くの科の臨床医にとって, 病理医とよいコミュニケーションが取れていることや病理に関連する注意点や情報を把握しておくことは疾患へのアプローチや診断, 治療において重要である. そこで, 今回気管支鏡に関連した基本的な病理学的事項に関してまとめを行ってみた.
  • [記載なし]
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 415-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
  • 庄村 裕三, 谷川 昇, 狩谷 秀治, 小島 博之, 米虫 敦, 澤田 敏
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 416-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    【目的】SUS304-PLAの複合ステントの力学特性の検討. 【材料および方法】複合ステントはSUS304とPLAをUltraFlex同一編目で編製. PLAのみで試作したステント, 市販のUl-traFlex, Spiral Zステントを対象に, 縮経に対する拡張力変化, 横圧縮に対する抗力を比較した. またPLAを含むステントでは加熱劣化処理による特性変化, 抜去性を評価した. 【結果】複合ステント, UltraFlex, Spiral Zは20%縮経まで直線的拡張力増加を示したが, PLAステントは15%縮経でキンクした. 熱処理後の拡張力は複合ステントでは変化ないが, PLAステントは脆弱化した. 複合ステントの残存金属部分は引っ張りにより容易に直線化した. 【考察】複合ステントは経時的な強度低下がなく, ステント残存部分は容易に抜去可能と考えられた. 【結論】SUS-PLA複合ステントは強度と抜去性を両立したステント構造である.
  • 岡本 俊宏, 花岡 伸治, 高橋 剛士, 毛受 暁史, 里田 直樹, 近藤 展行, 庄司 剛, 大政 貢, 阪井 宏彰, 宮原 亮, 田中 ...
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 416-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    症例は38歳男性. 2004年2月, 若年性肺気腫に対して両側脳死肺移植を行った. 同7月より右中間気管支幹にpinhole様の気管支狭窄を認めた. 3度のバルーン拡張術を行うも無効であったため, 9月9日self-expanding nitinol stentを留置し気道の開存をえた. 術後に, 急性拒絶反応, PTLD(post-transplantation lymphoproliferative disease), 胸骨離開等の合併症を来したが, 術後8ヵ月目に退院した. 肺移植後に気管支軟化症や気管支狭窄を合併することがあり, 文献的考察を加え報告する.
  • 中山 英, 田中 亨, 野口 哲男, 鎌苅 邦彦, 寺田 泰二
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 416-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    症例は, 89歳女性. 呼吸困難とCO2貯留による意識障害で入院となった. 胸部X線写真上, 肺野に異常は見られなかったが, 呼吸困難と低換気は徐々に進行し, 挿管された. 挿管後, 喀痰吸引のため気管支鏡を挿入したところ, 気管分岐部で左主気管支の閉塞が認められた. CTにて, 上行大動脈の径は分岐部レベルで3.5×4.5cmとやや拡張していたが, 胸骨内側と椎体との距離が4.0cmしかなく, 上行大動脈の重さを胸壁が支えきれず, 気管分岐部を圧迫閉塞したものと考えられた. ステント(UltraFlex 12×40mm)を左主気管支入口部に留置したが, 右主気管支に狭窄を発症したため, 右主気管支にも同じステントを挿入し, 呼吸状態は安定した. 起座位をとれない痩せた高齢者で, 低換気や繰り返す感染がある場合は, CTや気管支鏡で中枢気道を検索する.
  • 村上 真理, 佐竹 範夫, 江村 正仁
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 416-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    症例は62歳男性, 2004年11月初旬より血痰が出現し, 他院で胸部CT所見より肺癌を疑われ, 2005年1月5日当院を紹介された. 気管支鏡検査で左主気管支入口部の狭窄を認め, 同部の生検で扁平上皮癌と診断した. 1月19日左無気肺となり, 呼吸困難のため緊急入院し胸部放射線照射(66Gy)施行した. 3月15日から化学療法開始したが, 再度左無気肺となった. 左主気管支狭窄に対し, ステント留置を行うためアルゴンプラズマ凝固法(APC)で焼灼するも開存せず, 化学療法を続行した. 化学療法により無気肺は改善したため, 再々狭窄予防のためステント留置を検討した. 5月26日気管支鏡実施したところ, 左主気管支は開存し腔内の腫瘍は消失していた. 自覚症状もなかったためステント留置は見送ったが, この症例での留置の適応と時期について考察する.
  • 宮崎 昌樹, 野上 壽二, 長谷川 喜一, 岡部 崇記, 明石 雄策, 池田 昌人, 寺嶋 応顕, 佐藤 太郎, 岡本 勇, 中川 和彦, ...
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 416-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    【目的】肺門, 縦隔病変に対するコンベックス走査式超音波気管支鏡ガイド下生検の使用経験. 【対象, 方法】2005年1月から肺門, 縦隔病変に対するコンベックス走査式超音波気管支鏡ガイド下生検を3例の症例に施行した. 【結果】症例1は79歳女性, 縦隔#3のTBNAで扁平上皮癌と診断した. 症例2は74歳男性, 気管分岐部#7のTBNAで小細胞肺癌と診断した. 症例3は68歳男性, 左肺門リンパ節のTBNAで小細胞肺癌と診断した. 【結語】コンベックス走査式超音波気管支鏡ガイド下生検は, 病変または病変周囲の血流をカラードップラーで確認し, リアルタイムの生検法であり低侵襲で, 極めて有用な検査法と考えられる.
  • 長谷川 喜一, 野上 壽二, 宮崎 昌樹, 岡部 崇記, 明石 雄策, 池田 昌人, 寺嶋 応顕, 佐藤 太郎, 岡本 勇, 中川 和彦, ...
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 416-417
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    【目的】肺末梢腫瘤性病変の経気管支的診断に於けるEBUS-GS併用の有用性の検討. 【対象, 方法】2004年12月から肺野末梢の3cm以下の腫瘤性病変を有する男性20例, 女性8例の計28例の患者にEBUS-GSを用いた生検を施行した. 気管支鏡下に内視鏡用超音波プローブ(UM-S20-R, OLYM-PUS)をガイドシース(GS)を用いて病変まで誘導し病変の超音波画像を確認後, GSを留置し生検を行った. 【結果】病変部位は, 上葉13/28例, 中葉, 舌区7/28例, 下葉8/28例で, 20/28例でエコーでの描出が可能であり, 診断率は75%であった. 生検後の出血は非常に軽微なものであった. 【結語】肺末梢腫瘤性病変の経気管支的診断に際しEBUS-GS併用は, 超音波画像で病変を確認し, GSを病変部位に留置固定することにより同じ部位での生検の繰り返しが可能で, X線透視の回数を減らす事が出来た. また生検後の出血も軽微にコントロール出来た.
  • 鈴木 夕子, 佐々木 義明, 藤井 正満, 中桐 伴行, 大野 喜代志, 春日井 務
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 417-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    症例は87歳男性. 平成16年8月5日に急性胆嚢炎で入院時, 胸部レントゲンにて左上肺野の異常影を指摘された. 胸部CTでは気管気管支壁に内腔に突出する石灰化伴う小結節病変散発, またS1+2の腫瘤影は辺縁不整であり肺癌も否定できないため, 気管支鏡を行った. 声門直下より両主気管支まで不整隆起性病変が多発しており, 同部位の生検組織には骨軟骨形成を認め気管気管支骨軟骨異形成症(TBOC)と診断した. 左S1+2の腫瘤影は肺結核と診断し, 現在加療中である. TBOCは気管, 気管支の粘膜に骨または軟骨が異所性に増生し内腔に突出する隆起性病変を形成する疾患であり, 比較的稀と考えられるため報告した.
  • 福田 泰樹, 辻 洋志, 近藤 元治, 瓜生 和人, 佐谷 誠司
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 417-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    躁鬱病にて入院中の69歳女性. 2004年11月17日, 以前からの咳と最近1週間の咳き込みを主訴に内科受診. 気管支喘息として吸入ステロイド, LABAの投与を受けるも咳嗽残存し, 12月17日よりプランルカストの追加を受けて安定す. その後, 徐々に咳嗽増強, 3月27日, 突然の発熱と呼吸困難を認め, 右中葉に浸潤影出現, 抗生剤にて軽快するも4月8日再び発熱し, 新たに左下葉に浸潤影を認めた. 胸部CTにて左主気管支の狭窄を認め, 気管支鏡を行ったところ左2ndカリーナを中心とし, 気管にかけて散在する潰瘍性病変と浮腫性変化を認めた. 3月30日の喀痰にて4週培養陽性(MTB), 気管支洗浄液で結核菌PCRにて陽性を認め, 気管支結核と診断した. 吸入ステロイドが気管支病変の悪化を助長したと考えられた.
  • 松田 能宣, 福永 幹彦, 中井 吉英, 小林 政司, 中村 有希子, 北井 直子, 鈴木 秀和, 岡本 紀雄, 笹田 真滋, 平島 智徳, ...
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 417-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    症例は60歳男性. 2004年11月より血痰あり. 2005年1月7日喀血のため緊急入院となった. 胸部CTにて左上幹に小空洞形成を認め, 気管支鏡検査でも左上幹の入口部より上舌区分岐部にかけて小空洞形成を認めた. 同部位より生検するも, 組織診では腫瘍性変化は認めず細胞診はclass IIIであった. 診断未確定の状態であったが, 出血コントロール目的に手術(左肺全摘出術)を行った. 空洞と思われた部位の病理像は腺様嚢胞癌(adenoid cystic carcinoma)による気管支拡張であった. 多発縦隔リンパ節転移を認めたため, 続いて胸部放射線治療(50Gy)を行い, 現在経過観察中である. 腺様嚢胞癌は唾液腺, 鼻咽頭, 涙腺, 乳腺, 気管支腺等に発生する比較的稀な腫瘍である. 気管支原発の腺様嚢胞癌は全肺癌の0.6%と報告されている. 本症例のような空洞様の気管支拡張を呈する症例は稀と考え, ここに報告する.
  • 新熊 悟, 玉置 伸二, 児山 紀子, 牧之段 潔, 米田 和之, 友田 恒一, 福岡 和也, 濱田 薫, 木村 弘, 善本 英一郎, 前田 ...
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 417-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    症例は82歳, 女性. 平成14年に下痢および脱水症状を主訴に近医入院, 胸部CTにて右下葉に径8cm大の巨大腫瘤を指摘された. 尿中5-HIAA高値でありカルチノイド腫瘍と考えられたが, 腫瘍の進展度より手術適応外と判断され, 以後対症療法のみ施行されていた. 平成16年11月頃より喘鳴と呼吸困難を自覚, 頸部CTにて声帯直下に腫瘤性病変を認めたため, 当科紹介入院となる. 気管支鏡検査にて声帯直下左側より突出する, 血管怒張を伴い表面平滑な腫瘍を認め, これにより気管は高度に狭窄していた. 同部位からの生検にて定型的カルチノイドと診断された. 気道確保のため気管切開術を施行後, 気管内腫瘍に対し半導体レーザーによる焼灼術を施行した. 術後経過は良好で, 気管内腫瘍はほぼ消退し, 気管切開口閉鎖後も喘鳴や呼吸困難等認めていない. 右下葉の腫瘍は残存し, 下痢などの症状は持続するために, サンドスタチン投与を開始, 平成17年5月退院となり外来にて経過観察中である.
  • 尾北 賢治, 土屋 恭子, 高橋 鮎子, 大迫 努
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 417-418
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    腫瘍による気管気管支の狭窄及び切除断端陽性例の再発予防のため本院では2003年10月から6例に腔内照射を行った. 組織型は全て扁平上皮癌で, 男性5例女性1例, 平均年齢73.5歳で, 術後再発3例, 進行癌1例, 術後腫瘍残存2例であった. 照射範囲は肺門部〜葉気管支で, 計3〜18Gyであった. 照射終了からの平均生存期間は6.5ヵ月で, 生存2例死亡4例であった. 1例で腫瘍縮小効果を認め, 外照射, BAIの併用が効果的であった. 今後照射線量の検討, BAI等の併用療法も期待される.
  • 高橋 剛士, 板東 徹, 小松 輝也, 佐藤 まなみ, 毛受 暁史, 岡本 俊宏, 里田 直樹, 近藤 展行, 庄司 剛, 李 美於, 大政 ...
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 418-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    肺癌にてsleeve右上葉切除術後の吻合部再発症例に対してRALS(=remote after load system)による気管支内腔照射が有効であった症例を経験したので報告する. 症例は65歳, 男性. 既往歴:1995年食道癌に対して手術施行. 現病歴, 経過:2002年1月肺癌(扁平上皮癌)を指摘された. 腫瘍は右上葉入口部に達していた. 術前化学療法後の同年7月sleeve右上葉切除術施行. LN#11s, 12uに転移を認めpT1N1M0との評価となった. 2004年12月の気管支内視鏡にて気管支吻合部に約1/3周を占める再発病変を認めた. FDG-PETにても取り込み像を認めた. 翌月より計50Gyの照射および3回のRALSにて計18Gyの内腔照射を行い, 再発巣の著明な縮小が得られた. 2005年5月現在, 気管支内視鏡的にもFDG-PET等の画像診断的にも再発を認めていない.
  • 福田 祐樹, 柴 修吾, 堀口 速史, 儀賀 理暁, 山畑 健, 中山 光男, 菊池 功次
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 419-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    症例は76歳男性. 平成16年3月歯科治療中に義歯の誤嚥あり消化管に入ったと判断され放置. その後特に症状なく経過し同年10月検診の胸部Xpで右肺門部にX線不透過像を指摘された. 胸部CT上右気管支内異物と診断され加療目的に当科紹介となった. 入院当日に気管支鏡検査を施行, 右B8入口部に歯根部が手前に見える形で肉芽に覆われた義歯が嵌まり込んでおり周囲の粘膜は浮腫状であった. 生検鉗子で摘出を試みるも把持困難でバイアスピリン内服中で出血の危険があったため処置を中止した. バイアスピリンを中止し10日後に挿管全身麻酔下に経気管支鏡的に摘出を施行. スネア鉗子を使用しスネアを歯根部にかけることで把持可能となり出血もほとんどなく摘出することができた. 長期介在した気管支内異物は肉芽形成や出血の危険性のため手術を余儀なくされることもあり手術移行を念頭に置いて慎重に対応する必要があると思われた.
  • 平良 真博, 木村 雅一, 長束 美貴, 内田 修, 宮島 邦治, 梶原 直央, 筒井 英光, 坪井 正博, 大平 達也, 平野 隆, 加藤 ...
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 419-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    気管支異物をそれぞれ軟性鏡, 硬性鏡にて摘出した症例を経験したので報告する. 【症例1】82歳女性. 2005年2月歯科にて歯の治療中誤って歯牙金属修復物を誤嚥し, 当院紹介受診. 胸部レ線上気管支内に異物認めたために気管支鏡施行した. 内視鏡所見は中間気管支幹に異物存在し, 軟性鏡下にバスケット鉗子にて異物摘出した. 【症例2】23歳男性. 2004年11月仕事の同僚と喧嘩になり前歯を欠損. その後放置していたが同年12月上旬に咳嗽, 微熱出現し近医受診. 胸部レ線上, 左気管支の歯牙及び肺炎像認めたために当院紹介受診. 軟性気管支鏡にて摘出試みるも左上葉支入口部に陥入し肉芽形成認めたために後日硬性鏡にて摘出行うこととした. 静脈麻酔下に硬性鏡挿入し鰐口鉗子にて歯牙の摘出を行った.
  • 上吉原 光宏, 懸川 誠一, 滝瀬 淳
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 419-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    症例は83歳, 女性. 施設に入所中, 2004年6月16日より発熱が持続し近医受診した. 肺炎と診断され抗生剤治療を受けていたが軽快しないため, 第5病日に胸部単純写真を撮影したところ, 右下肺野の肺炎像と右主気管支内に異物(義歯)を認めたため, 当科へ紹介入院となった. 第6病日に硬性鏡下に義歯を除去し(時間45分), 処置後, 第17病日(術後11日目)に転院となった.
  • 河内 利賢, 武井 秀史, 塚田 久嗣, 相馬 孝博, 輿石 義彦, 呉屋 朝幸, 竹内 弘久, 跡見 裕
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 419-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    症例は57歳の男性, 呼吸困難を主訴に当院を受診した. 2002年4月に進行胃癌にて胃全摘術の既往がある. 6月28日, 当院を受診し, 胸部Xpにて左肺の過膨張像を認めた. 翌日のCTにて左無気肺と気管分岐部〜主気管支周囲リンパ節の腫大による左主気管支狭窄像を認め, 胃癌の縦隔リンパ節再発による, 気道狭窄と判断した. 気管支鏡所見では左主気管支に気管分岐部よりリングの部位に全周性の狭窄を認めた. 同部位の組織診断にて胃癌の縦隔リンパ節再発を確認した. 呼吸困難にてPS3と全身状態が悪化したため, 6月30日, 姑息的に左主気管支にUltraflex Covered Stentを挿入, 留置した. 7月1日, 胸部Xpにて左無気肺の改善を認めた. その後, 一旦退院し, TS-1を含む化学療法を施行した. PS1と全身状態も改善し, 3か月間の自宅療養が可能となった. 姑息的にStent挿入を行い, QOLの改善を認めた症例を経験したため, 報告する.
  • 萩原 由貴, 佐藤 長人, 山口 剛史, 渡辺 一弘, 小林 国彦, 永田 真, 萩原 弘一, 金沢 実
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 419-420
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    【症例】65歳, 男性. 糖尿病(HbA1c 11.1%)の既往がある. 入院20日前より37℃台後半の発熱および吸気時の右胸痛が出現していた. 近医を受診し, NSAIDsを処方され, 内服したがその3日後には再び発熱した. 胸部エックス線上右中肺野に空洞を伴う浸潤影を認め, 肺化膿症を疑い, 当院へ入院した. 入院翌日に気管支鏡検査を施行した. 細菌標本用プロテクテッドブラシにて肺炎桿菌を検出した. MEPM2g/dayの投与で炎症反応および異常陰影の軽度改善を認めるも, 陰影は明らかに残存した. 同検査の結核菌塗抹は陰性であったが後日ヒト型結核菌培養陽性の報告があり, 肺炎桿菌と結核菌の混合感染であったと判明した. INH, PZA, EB, REPの4剤で追加治療を開始し胸部エックス線, 胸部CT上陰影の著明な改善を認めた. 【考察】肺炎桿菌と結核菌の混合感染はまれであるが, 気管支鏡下の起因菌検索を行うことにより, 確定診断することができた. 陰影が残存の際には混合感染を疑うことが肝要である.
  • 木村 透, 森本 耕三, 小川 良子, 高久 多希朗, 内藤 明日香, 渡部 厚一, 林原 賢治, 斎藤 武文
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 420-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    患者は74歳男性. 慢性副鼻腔炎の既往あり. 63歳時に血痰を主訴に初診. 気管支鏡検査上, 気管から気管支にかけて出血を伴うびらん病変を広範に認めた. 画像所見では肺内に数個の結節影を認め, 気管支粘膜生検では特異的病変は認めなかったが, C-ANCA50と高値を示したことからWegener肉芽腫症と診断した. PSL60mg+CPA100mgから開始し, 咳嗽, 血痰の臨床症状, 画像所見及び気管支所見は著明に改善した. その後再燃, 寛解を繰り返し, 数回の入院を経て徐々に全身状態が悪化したため, 2005年2月に入院. 3月に感染症を契機に増悪し死亡された. 画像所見上, 病初期に認めた肺内の結節影は消退したが, 気管支病変の線維化によると思われる気管支閉塞に起因する陰影は漸次増悪した. 肺病変と気管支病変の病理学的所見を中心に考察する.
  • 佐々木 庸郎, 花岡 陽子, 宇留間 友宣, 板東 千昌, 加藤 雅子, 清水 孝一, 鈴木 道明, 青木 茂行, 清水 誠一郎
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 420-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    症例は66歳女性. 55歳時にIBL like T cell lymphomaを指摘され当院血液内科で化学療法施行し完全寛解にあった. 64歳時に咽頭病変出現し, atypical lymphoid cell認めたが自然消退した(後にHodgkin病と判明). 65歳時(2004年7月), 肝脾病変指摘され, 脾摘によりHodgkin病と診断. 外来で化学療法中, 2004年12月頃より風邪様の咳嗽, 喘鳴が消長していたため当科受診. 胸部X線写真上左主気管支の狭窄, 左肺門部浸潤影を認めた. CT上左主気管支〜肺門部にかけて, 気管支周囲に沿うような軟部組織陰影を認めたため, 気管支鏡検査を施行. 左右の気管支は浮腫状であり, 黄〜白色の腫瘍を疑わせる病変も認めた. 左上葉支は著明に狭窄し, 右B4は閉塞していた. 生検によりHodgkin病と診断された. 気管支に沿って広がるHodgkin病はまれであり, 文献的考察を加えて報告する.
  • 宮崎 邦夫, 細野 達也, 大門 皇寿, 中山 雅之, 曽田 学, 榎本 宗浩, 間籐 尚子, 中屋 孝清, 鈴木恵理 , 中澤 晶子, 卯 ...
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 420-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    症例は52歳男性. 41歳時に肺結核のため抗結核療法を施行. 2003年1月に右下肺炎像を認め, 喀疾よりM. szulgaiを複数回検出し抗結核薬を投与するも改善不良なため2004年3月に当科紹介となった. 右上肺野巨大空洞, 右下肺炎像を認め, 抗結核薬を継続し炎症所見改善, 抗酸菌塗抹陰性化を認めた. 肝機能障害のため抗結核薬を中止したところ, 肺炎が再燃し入院となった. 抗結核薬再開に反応せず気管支鏡を施行した. 灰白調痰を多量に認め, 右下葉気管支末梢より, 空洞内の菌塊が直接確認できた. 組織学的にアスペルギルス菌塊を確認し, 抗真菌療法施行後に右肺胸膜全摘術を施行した. 術後経過は良好で前医へ転院となった. 本例では抗酸菌による肺実質の破壊, 空洞への交通を合併し, アスペルギルスが腐生性に増殖したと考えられた. また, 気管支鏡にて空洞内のアスペルギルス菌塊が直接確認でき, 貴重な症例と考えられ報告する.
  • 岡田 浩晋, 宮元 秀昭, 坂尾 幸則, 櫻庭 幹, 山崎 明男, 深井 隆太, 塩見 和, 園部 聡, 斉藤 雄一, 恩田 貴人, 松永 ...
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 420-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    症例は52歳, 女性. 2002年9月, 他院で胸部異常影指摘. 血清アスペルギルス抗体が陽性であったため, 抗真菌薬の投与にて外来follow upされていた. 以後約2年間経過観察されていた. 2004年11月, 血痰出現. 精査目的のため2005年1月, 当院内科入院. 術前の3D-CTで病巣に達する異常血管を認め, 肺葉内肺分画症に合併した肺アスペルギローマの診断で2005年2月4日, 胸腔鏡補助下右下葉切除術を施行した. 若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 林 武邦, 河野 匡, 文 敏景, 蒔本 好史, 濱本 篤, 吉村 邦彦, 坪井 永保
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 420-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    症例は73歳, 男性. 平成5年に肺気腫と診断. 平成15年より, 1. 5リットル鼻カニューラにて在宅酸素療法を開始. 当初は, Hugh-Jones分類第II度の呼吸困難感であったが, 平成17年には第V度まで悪化. 今回, 呼吸器リハビリテーション及びVRS目的で当院入院. 胸部CTでは両側下葉優位のLAA認められ, 換気血流シンチでは右肺中〜下葉, 左肺舌区〜下葉の血流, 換気欠損が認められた. 下葉優位型重症慢性肺気腫に対し, 平成17年4月14日に両側VATS下VRS施行. 1PODに右胸膜癒着術, 2PODに左胸膜癒着術施行し, 4PODに両側胸腔ドレーン抜去. その後, 呼吸器リハビリテーション継続している. 術後1ヵ月での呼吸機能は術前0.62リットルであった1秒量が1.05リットル, 呼吸困難感はHugh-Jones分類第IV度まで改善した. 下葉優位型の重症肺気腫に対し両側VATS下VRSを行った1例を経験したので報告する.
  • 石井 源, 北見 明彦, 神尾 義人, 佐藤 庸子, 高瀬 博康, 澁谷 泰弘, 栗生 和幸, 松田 正典, 鹿間 裕介, 笠原 慶太, 中 ...
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 420-421
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    74歳女性. 約半年続く咳嗽, および右上肺野の異常影の精査, 加療目的に平成17年1月当院紹介. 同年2月, 発熱, 呼吸困難のため緊急入院となった. 外来で行った気管支鏡検査では右上葉枝の閉鎖が確認され, 入院後のCTでは右上葉の肺化膿症が疑われた. 抗生剤治療を行ったが, 炎症所見の改善が得られず, CTガイド下に前胸壁から膿瘍ドレナージチューブ(ピッグテールカテーテル)を挿入. その後炎症所見は改善したが, 膿性の排液は持続した. 3月15日に診査胸腔鏡を行ったところ, 右上葉の低形成に伴う肺膿瘍と診断し, 膿瘍ドレナージ(バルーンカテーテル)を継続した. 初回ドレナージ後48日目に膿瘍皮膚痩は閉鎖した. 閉鎖後, 微熱, 咳嗽, 喀痰が出現し, 胸部Xp, CTで膿瘍腔の拡大を認めたため, 再度ドレナージチューブを挿入した. 炎症所見が改善したところで, 5月9日に開窓術を施行した. 術後の経過は良好である. 肺化膿症を合併した気管支閉鎖症は稀であるため報告する.
  • 山崎 庸弘, 石田 博徳, 坂口 浩三, 中村 聡美, 二反田 博之, 赤石 亨, 金子 公一, 清水 禎彦, 森田 理一郎
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 421-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    58歳女性. 18年前右乳癌に対し, 拡大乳房切断術, 腋窩リンパ郭清施行されていた. 平成17年3月咳嗽出現し近医を受診. 胸部レントゲン, CTにて右胸膜多発腫瘤と肺内多発結節を認め, 当院当科に紹介となった. 術創を含め体表に異常なく, 表在リンパ節の腫大も無かった. 腫瘍マーカーはCEA32.3ng/mlとCAl5-3 119U/mlの高値以外は正常範囲内であった. 診断目的で胸腔鏡下胸膜生検を行った. 胸膜癒着は軽度で, 壁側胸膜から臓側胸膜に白色調の数mm大の結節をびまん性に認めた. 生検の結果は低分化腺癌で, 乳癌の転移との診断であった. 原発巣切除プレパラートを含め詳細なデータは入手できなかったが, 病理組織学的に乳癌の胸腔内転移再発と考えられた.
  • 上田 有香, 田中 庸介, 小野 靖, 日野 光紀, 秋谷 麻衣, 大岩 健満, 上原 隆志, 小俣 雅稔, 吉野 直之, 窪倉 浩俊, 大 ...
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 421-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    症例)56歳 女性, 主訴)血痰, 現病歴)15年前より血疾症状の消退と再燃を繰り返し, 他院で精査するも診断に至らず経過観察となっていた. 平成17年2月始め頃より血痰出現し, 2週間以上軽快認めないため, 2/18当科外来受診した. 経過)入院にて胸部CT, 気管支鏡検査と併せて行った血管造影にて肺底区動脈大動脈起始症と診断に至った. この後, 当院肺外科転科し, 左肺下葉切除+異常肺動脈結紮切離術を行った. 肺分画症の定義は正常の肺組織から隔離された異常動脈により血液を供給されている異常肺組織とあり, 分類に肺葉内分画症, 肺葉外分画症がある. 今回の症例は肺葉内分画症の中のPryceの分類の異常血管は在るが分画肺がないとするType Iに相当するものであった. 今回我々は数年来の喀血を繰り返し, 当院で肺底区動脈大動脈起始症と確定診断した症例を経験した. 文献的考察とともに, 病理学的考察も併せて本症例を報告する.
  • 菅原 真人, 金子 昌弘, 土田 敬明, 今清水 恒太, 柿沼 龍太郎
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 421-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    症例は72歳の男性. 当センターの総合がん検診にて, 胸部MDCT上, 左主気管支内腔に突出するCT値の低い腫瘤を認めた. 気管支鏡にて, 左主気管支の気管分岐部より2軟骨輪目の縦隔側に黄色の柔らかい結節を認め, 生検では, 多列線毛上皮に覆われた気管支粘膜下に脂肪組織が増生しており, 悪性像はなく, 気管支脂肪腫と診断された. 約2年前, 他院での健康診断で撮影された胸部CTと比較すると, 当時から上記所見があり, 増大がなかった. また無症状であるため, 経過観察となった. 気管支脂肪腫は気管支刺激症状で発見される例が多いが, 本症例では, 末梢肺癌発見のために撮影された検診のMDCTにて, 無症状の時期に発見された. 今後, CT検診の普及などにより発見例が増加する可能性もあるが, 薄切のCT所見およびCT値で推定が可能であり, 気管支鏡で比較的容易に診断が可能である. 治療法などにつき文献的な考察を加え報告する.
  • 水野 里子, 小笠原 隆, 寺田 二郎, 笠原 靖紀, 黒須 克志, 田辺 信宏, 滝口 裕一, 巽 浩一郎, 栗山 喬之, 永井 雄一郎, ...
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 421-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    全肺洗浄を施行し改善を得た抗GM-CSF抗体陽性の原発性肺胞蛋白症2症例を経験した. 症例1:54歳女性. 15ヵ月前より労作時呼吸困難出現. BALにて肺胞蛋白症の診断, 経過観察中に胸部レントゲン増悪しPaO2 57torrに低下した. 全身麻酔下に左右の片肺洗浄施行. PaO2は84.9torrに改善. 症例2:75歳女性. 12ヵ月前より労作時呼吸困難出現. BALにて肺胞蛋白症の診断. PaO2 38.9torr. 全身麻酔下に左右片肺洗浄施行した. 左全肺洗浄中のPaO2最低値は55torr, 右全肺洗浄中のPaO2最低値は67torrであった.
  • 坂巻 美穂子, 武内 浩一郎, 森川 哲行, 打越 暁, 菊岡 健太郎, 石田 安代, 阿部 元, 前原 孝光, 山仲 一輝, 石川 善啓, ...
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 421-422
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    神経鞘種はSchwann細胞より発生する良性腫瘍で末梢神経の存在するあらゆる部位に存在しうるが, 胸部では胸壁や後縦隔に好発し, 気管支や肺に発生することは極めて稀である. 本邦では呼吸器系神経鞘腫の報告は50例ほど, うち気管支原発は10数例に限られる. 今回我々は左主気管支に発生した神経鞘種の1例を経験したので報告する. 症例は60歳女性. 2004年4月頃より咳嗽自覚. 近医受診し気管支喘息の診断で加療するも, 2004年8月頃より労作時の息切れ自覚. レントゲン上左無気肺像を認めたため当科受診となった. 胸部CT上左主気管支に2cm大の腫瘤影認め, 気管支鏡にて粘膜下より膨隆する腫瘤を確認, 生検の結果平滑筋腫が疑われた. YAGレーザーによる治療を施行(Total 14000J). 一部気道開存, 無気肺改善したが, 再狭窄認めたため外科治療を選択. 左肺下葉管状切除+気管支形成を行った. 摘出標本の免疫染色でS-100陽性, 神経鞘種の診断に至った. 術後経過良好で現在再発無く外来通院中である.
  • 中川 知己, 大岩 加奈, 増田 良太, 井上 芳正, 米谷 文雄, 西海 昇, 岩崎 正之, 井上 宏司
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 422-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    肺過誤腫は, 肺に発生する頻度の高い良性腫瘍であるが, そのほとんどは末梢肺に発生し気管, 気管支発生はまれである. 今回気管支内過誤腫の1切除例を経験したので報告する. 症例は55歳男性. 主訴は全身倦怠感. 胸部単純X線写真で左下肺野に径20mmの腫瘤影を指摘された. 胸部造影CTで左S10に境界明瞭な造影効果の乏しい分葉状の充実性腫瘤が認められた. 気管支鏡検査では左B10の内腔を閉塞するポリープ状の腫瘤を認め, 病理組織学的に過誤腫と診断した. 治療は胸腔鏡下に左S10区域切除術を施行した.
  • 守屋 康充, 安福 和弘, 石橋 史博, 伊豫田 明, 鈴木 実, 関根 康雄, 渋谷 潔, 飯笹 俊彦, 藤澤 武彦
    原稿種別: 本文
    2005 年 27 巻 5 号 p. 422-
    発行日: 2005/07/25
    公開日: 2016/10/15
    ジャーナル フリー
    症例は, 反復性多発性軟骨炎と診断された62歳, 女性. 1998年より加療開始, 2000年に症状の増悪, CTにて左右気管支の狭窄を認めたため, 気管切開を行い, ダイナミックステントを挿入した. その後, 2002年にダイナミックステント入れ換え, さらに2003年に左右の主気管支へのメタリックステント挿入を行った. 今回, 乾燥喀痰の付着によるステント狭窄にて, 窒息状態で救急外来に搬送された. 救命処置中にダイナミックステントが逸脱したが, 気管切開孔より気管チューブを挿管し, 人工呼吸管理にて救命できた. 全身状態が安定した後, 全身麻酔下に硬性鏡を使用してファイコンステント再挿入術を施行し, 経過良好にて退院した.
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