気管支学
Online ISSN : 2186-0149
Print ISSN : 0287-2137
40 巻 , 1 号
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表紙
会告
目次
巻頭言
論評
症例
  • 稲福 賢司, 諸星 隆夫, 足立 広幸, 増田 晴彦, 安藤 耕平, 益田 宗孝
    2018 年 40 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 2018/01/25
    公開日: 2018/02/13
    ジャーナル フリー

    背景.術後肺瘻は時として難治性であり,内視鏡的な治療が選択されることもある.症例.74歳男性.右上葉肺癌に対して,右上葉切除術を施行した.術後肺瘻が遷延し,自己血癒着療法や再手術を施行するも消失しなかった.気管支鏡検査で責任気管支が右B4であることを同定し,気管支鏡下フィブリン糊散布とEndobronchial Watanabe Spigot(EWS)充填術を施行し,肺瘻は消失した.しかし,EWSが脱落し,肺瘻の再燃を来した.EWSやポリグリコール酸(polyglycolic acid,PGA)シートとフィブリン糊を用いた気管支塞栓術を計6回施行するも,奏功しなかった.そこでフィブリン糊とPGAシートに加えN-butyl-2-cyanoacrylate(NBCA)を併用して気管支塞栓術を施行し,肺瘻を消失させることができた.術後3年が経過しているが,肺瘻の再燃は認めていない.結論.NBCAを併用した気管支塞栓術は,術後の難治性肺瘻に対しても有用な手段であると考えられた.

  • 吉積 悠子, 金子 正博, 冨岡 洋海
    2018 年 40 巻 1 号 p. 11-15
    発行日: 2018/01/25
    公開日: 2018/02/13
    ジャーナル フリー

    背景.防水スプレーの吸入による肺障害の症例報告は散見され,原因物質はフッ素樹脂と考えられている.われわれは防水加工剤の噴霧後,肺障害をきたし,速やかに自然軽快した1例を経験した.症例.39歳,男性.靴工場で防水加工剤を噴霧する作業をしていたところ,開始約2時間後より呼吸困難,頭痛,寒気が出現した.作業直後の喫煙はなかった.翌日,当院に入院となり,胸部high-resolution CTで肺野全体にびまん性すりガラス様陰影を認め,気管支肺胞洗浄液では好中球増多(30%)を認めた.無投薬にて経過をみたところ,約1週間で軽快した.結論.本例は防水加工剤に含まれるフッ素樹脂の直接吸入により肺障害を引き起こしたと考えられたが,吸入直後に喫煙はしていないため熱分解産物の発生はなく,そのため早期に自然寛解したと推察された.

  • 荒木 佑亮, 西村 好史, 平本 博文, 近藤 圭一
    2018 年 40 巻 1 号 p. 16-20
    発行日: 2018/01/25
    公開日: 2018/02/13
    ジャーナル フリー

    背景.胸部型の放線菌症は比較的稀な疾患であり,診断に苦慮することが多い.そして,長期の抗菌薬治療が必要といわれる疾患である.今回我々は気管支鏡にて診断し,その後抗菌薬治療をすることなく寛解の得られた気管支放線菌症を経験したので報告する.症例.77歳,男性.発熱と咳嗽を主訴に来院し,肺炎と診断された.抗菌薬治療中に撮影された胸部CTにて,右S7に腫瘤を認めた.肺癌を疑い,気管支鏡検査を施行した.右B7気管支入口部には痰による粘液栓を認め,除去すると気管支内にポリープ様の粘膜肥厚を認めた.同部位より生検を行い病理検査で放線菌症と診断された.診断後は無治療にて自覚症状,画像所見とも改善し,1年以上増悪なく経過している.結論.気管支放線菌症が自然軽快した1例を経験した.気管支鏡による粘液栓の除去が軽快に寄与した可能性がある.

  • 古賀 教将, 吉本 健太郎, 松山 洋美, 太良 哲彦, 是枝 快泉, 川畑 政治, 廣津 泰寛, 久保田 伊知郎, 鈴木 実
    2018 年 40 巻 1 号 p. 21-25
    発行日: 2018/01/25
    公開日: 2018/02/13
    ジャーナル フリー

    背景.肺カルチノイドと非結核性抗酸菌症(NTM)の合併は稀である.症例.51歳女性.肺癌検診CTで右S8に4.4 cmの腫瘤影とその周囲に粒状影を指摘され,抗酸菌症などの気道感染や炎症性偽腫瘍を疑う所見であった.喀痰からはMycobacterium intracellulareが分離された.気管支鏡では右B8aを閉塞する隆起性病変を認め,生検でカルチノイドを疑う胞巣を認めた.胸腔鏡補助下右下葉切除+リンパ節郭清を施行し,定型的カルチノイドの診断となった.その末梢にはM. intracellulareによる肉芽腫性炎症を認めた.結論.肺カルチノイドとNTMの併発の機序としては,カルチノイドにより気管支が閉塞されてドレナージ不良となり,末梢でNTMが発育したと考えられる.気管支鏡検査で術前に診断が得られたことで一期的に根治切除を行うことができた.NTMと肺悪性腫瘍の合併例では診断が遅れる可能性があり,早期の気管支鏡による精査や厳密な経過観察が必要である.

  • 舟口 祝彦, 柳瀬 恒明, 垣内 大蔵, 遠渡 純輝, 伊藤 文隆, 豊吉 沙耶香, 森 秀法, 大野 康
    2018 年 40 巻 1 号 p. 26-30
    発行日: 2018/01/25
    公開日: 2018/02/13
    ジャーナル フリー

    背景.肺癌に対する気管支鏡生検後の合併症として,膿胸の発症は稀である.症例.58歳男性.左上肢の運動障害を自覚,脳MRIで右前頭葉の腫瘍を認め,転移性脳腫瘍と診断され定位脳照射を施行された.胸部CTで左下葉S6胸膜直下に長径53 mmの腫瘤性病変を認め,肺癌の疑いで気管支鏡検査を施行した.腫瘤に対して透視下に経気管支生検を施行し,原発性肺扁平上皮癌と診断した.気管支鏡検査3日後に高熱,左胸水の増加を認めた.左胸水は膿性で細菌性膿胸と診断し,抗菌薬の投与および胸腔ドレナージを行った.膿胸腔は多房化し,ドレナージ不良であったが,ウロキナーゼの胸腔内投与を行ったところ排液の増加が得られ,膿胸は軽快した.結論.肺癌に対する気管支鏡生検により膿胸を来すことは稀ではあるが,腫瘍が大きく,内部壊死や空洞を有し,胸膜直下に存在する場合は注意を要する.

  • 宮内 俊一, 松田 基弘, 長友 安弘
    2018 年 40 巻 1 号 p. 31-35
    発行日: 2018/01/25
    公開日: 2018/02/13
    ジャーナル フリー

    症例.53歳,男性.びまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis:DPB)と診断されマクロライド少量長期療法を受けていた.7カ月前より咳嗽,喀痰が増加した.気管支粘膜生検検体の電子顕微鏡検査を行ったところ線毛構造の異常を認め,原発性線毛機能不全症(primary ciliary dyskinesia:PCD)と診断した.結論.内臓逆位がない場合でも,DPBとして非典型的な臨床像を呈する場合はPCDを鑑別に挙げ,病態の再評価を検討すべきと思われる.

  • 丸山 広高, 坂本 一比古, 山根 宏美, 安道 誠, 伊藤 清隆
    2018 年 40 巻 1 号 p. 36-40
    発行日: 2018/01/25
    公開日: 2018/02/13
    ジャーナル フリー

    背景.多発性肺平滑筋腫性過誤腫は,通常中高年の女性にみられる稀な疾患である.症例.50歳,女性.ターナー症候群と診断され,若年時に女性ホルモン補充療法を受けた既往がある.無症状であったが,胸部CTで両肺に無数の粒状陰影を認めた.経気管支肺生検を行い,核分裂のない平滑筋の増生を認めた.MRIで子宮は萎縮し,子宮筋腫は認めず,多発性肺平滑筋腫性過誤腫と診断した.結語.多発性肺平滑筋腫性過誤腫の診断に気管支鏡検査が有用であった.多発粒状陰影の鑑別として本疾患を考慮する必要がある.

  • 山岸 亨, 押尾 剛志, 小高 倫生, 黒瀬 嘉幸, 渡邉 賀代, 岸本 久美子, 中野 千裕, 松瀬 厚人, 榎本 泰典
    2018 年 40 巻 1 号 p. 41-44
    発行日: 2018/01/25
    公開日: 2018/02/13
    ジャーナル フリー

    背景.肺過誤腫は肺実質内や気管支内に発症することが多い良性腫瘍で,気管内に発症することは稀である.症例.症例は66歳,女性.喉頭違和感の精査目的に他院で行われた胸部CTにて,気管内に径3 mmの内部が均一で辺縁整な結節影を認め,当院紹介受診となった.軟性気管支鏡にて気管内に表面平滑な隆起性病変を認め,診断目的に鉗子で直視下経気管生検を行ったところ,隆起性病変がそのまま切除された.軽度の出血はあったが,気管粘膜に切除痕はあるものの肉眼的に病変の残存は認めなかった.切除された検体は,病理検査にて気管内過誤腫と診断された.結論.肺過誤腫は女性の気管内に発症することは稀であり,軟性気管支鏡にて通常の生検鉗子で切除し得た症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.

  • 吉田 久美子, 田中 俊樹, 田尾 裕之, 岡部 和倫
    2018 年 40 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 2018/01/25
    公開日: 2018/02/13
    ジャーナル フリー

    背景.気管支内過誤腫の中には,脂肪成分に富み脂肪腫との鑑別が難しいものがある.生検での確定診断が得にくいことから,悪性を懸念してしばしば外科的切除が施行されてきた.症例.69歳,男性.風邪症状を契機に撮影されたCTで,右中下葉の肺炎像と右中間気管支幹内腔を閉塞する腫瘤影を認めた.画像所見から良性腫瘍を疑い,軟性気管支鏡下腫瘍切除を行った.術中迅速組織診断では脂肪腫が疑われたが,永久病理組織検査の結果,気管支内脂肪腫性過誤腫と診断された.結論.本症例の組織像では脂肪細胞以外に気管支腺組織を構成成分として認め,これが脂肪腫との鑑別点となった.本疾患に対する気管支鏡下治療の有効性と安全性に関しては,いくつかの報告がある.画像上良性腫瘍が疑われる場合は本疾患を疑い,診断と治療を兼ねて気管支鏡下切除術を検討するのが良いと考えられる.

  • 熊澤 紗智子, 細田 裕, 馬場 峻一
    2018 年 40 巻 1 号 p. 50-53
    発行日: 2018/01/25
    公開日: 2018/02/13
    ジャーナル フリー

    背景.良性気管気管支腫瘍の外科切除を行う際には,腫瘍と気管支の位置関係を把握し,末梢気管支および肺を温存した術式の選択が必要とされる.症例.51歳女性.呼吸困難を契機に左主気管支腫瘍を指摘された.腫瘍は左上葉気管支入口部の対側,左B6の口側に位置していた.術前に腫瘍と気管支の位置関係から気管支の切開ラインを想定して手術に臨んだ.術中迅速診断で腫瘍に悪性所見を認めず,らせん状気管支形成術により末梢のB6を温存して気管支内腫瘍を切除し得た.病理組織診断に非常に難渋し,“Bronchial mucous gland adenoma”という非常に稀な腫瘍であった.術後4年再発や気管支の狭窄なく経過している.結論.非常に稀な,“Bronchial mucous gland adenoma”をらせん状気管支形成術により切除した1例を経験した.

  • 西澤 夏將, 大崎 敏弘, 小山 倫太郎, 中川 誠, 宗 知子, 小館 満太郎
    2018 年 40 巻 1 号 p. 54-58
    発行日: 2018/01/25
    公開日: 2018/02/13
    ジャーナル フリー

    背景.Inflammatory myofibroblastic tumor(IMT)は,炎症細胞の浸潤を伴う筋線維芽細胞の増殖からなる腫瘍性病変であり,全肺腫瘍の0.04%と稀な疾患であるが,気管支原発IMTはさらに稀である.症例.36歳男性.血痰の精査目的に施行された気管支鏡検査で右中間気管支幹に内腔を閉塞する腫瘤を認め,生検でIMTと診断された.CTでは右2nd carinaより5 mm末梢から15×10 mmの中間気管支幹をほぼ閉塞する腫瘤と,右中葉の完全無気肺を認めた.手術は右下葉を温存し右中葉スリーブ切除を行った.病理所見ではリンパ球や形質細胞の浸潤を伴う紡錘形の線維芽細胞が密に増生し,免疫染色でSMA,vimentin,ALK陽性,AE1/AE3,S-100,desmin陰性であり,IMTと診断した.現在術後7か月経過し,再発なく経過している.結論.気管支原発IMTは非常に稀な疾患であるが,腫瘍の完全切除を行うことが重要である.

  • 佐藤 伸之, 石橋 直也, 遠藤 千顕
    2018 年 40 巻 1 号 p. 59-62
    発行日: 2018/01/25
    公開日: 2018/02/13
    ジャーナル フリー

    背景.Endobronchial Watanabe Spigot(EWS)を用いた気管支充填術は難治性気漏や有瘻性膿胸,さらには喀血に対する有効な治療法として幅広く用いられているが,長期留置に関する報告は少ない.症例.46歳女性.24歳時に浸潤性胸腺腫で手術したが,すでに左胸膜播種があり左肺舌区も合併切除した.16年後に左胸腔内再発をきたし,抗癌剤治療後に胸壁を含む摘出術を施行したが術後気漏が遷延した.再手術したが瘻孔を閉鎖することができなかった.最終的にEWSを左上区気管支に充填することで気漏を停止できた.気瘻再発を防止するためEWSは抜去していないが,呼吸器合併症なく6年を経過した.結論.EWSは6年以上の長期留置も可能である.

  • 小谷内 敬史, 横村 光司, 金田 桂, 後藤 彩乃, 赤堀 大介, 天野 雄介, 角谷 拓哉, 鈴木 恵理子, 棚橋 雅幸, 丹羽 宏, ...
    2018 年 40 巻 1 号 p. 63-67
    発行日: 2018/01/25
    公開日: 2018/02/13
    ジャーナル フリー

    背景.クリプトコッカス症は健常者では肺結節影を呈することが多いが,免疫不全患者ではときに肺野に陰影を認めず,縦隔,肺門などのリンパ節腫大のみが認められる.症例.20歳男性.急性リンパ性白血病の化学療法中に持続する発熱を来し,CTで縦隔および左肺門リンパ節腫大を指摘された.縦隔リンパ節へ超音波気管支鏡ガイド下針生検(endobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration;EBUS-TBNA)を施行し,検体中に酵母様真菌を認めた.血清クリプトコッカス抗原陽性と合わせて,クリプトコッカスリンパ節炎と診断した.また髄液細胞数増加を認め,縦隔リンパ節炎を伴う播種性クリプトコッカス症と診断した.アムホテリシンBリポソーム製剤とフルシトシンによる導入治療で軽快し,フルコナゾールによる維持治療に切り替えたのちも再燃を認めずに経過した.結論.免疫不全患者に縦隔,肺門リンパ節腫大を認めた場合はクリプトコッカス症も鑑別となるため血清抗原を測定する意義は高く,確定診断にはEBUS-TBNAが有用と思われる.

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