気管支学
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表紙
会告
目次
巻頭言
論評
原著
  • 小森 和幸, 橋本 博史, 吉川 滉太郎, 田口 眞一, 尾関 雄一
    2021 年 43 巻 3 号 p. 201-207
    発行日: 2021/05/25
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    背景.降下性壊死性縦隔炎(descending necrotizing mediastinitis:DNM)は,深頸部感染症や歯原感染症が重力や胸腔内の陰圧などにより縦隔に波及した状態で,死亡率は10~20%とも言われている.比較的まれな疾患であるため,治療方針については定まっていないのが現状である.目的・方法.今回我々は当院で2011年から2020年までの間に外科的治療を行ったDNM 8症例の臨床学的因子を比較検討したので報告する.結果.内訳は女性5例(63%),年齢は76±7(62~83)歳,原因疾患は咽喉頭感染症6例(75%),背景疾患は糖尿病4例(50%),術前CRP 32±13(12.3~53.2) mg/dl.膿瘍進展を示すEndo分類はI期(気管分岐部上)/IIA期(気管分岐下前)/IIB期(気管分岐下後)4/4/0例,術式は全例に耳鼻科で経頸部ドレナージが行われ,3例に胸腔鏡下ドレナージを追加,気管切開は3例に施行された.起炎菌はStreptococcus属4例,混合感染5例,術後は47±36(14~114)日で全例退院し死亡例はいなかった.胸腔鏡下ドレナージを施行した3例はともにEndo分類IIA期であり,膿瘍が気管分岐部まで進展していたが,合併症なく安全に手術を施行し得た.結論.DNMは一般的に予後不良とされているが,他科と迅速に連携し,積極的な外科的ドレナージを行った結果全例軽快退院可能であった.気管分岐部にまで進展した症例においては胸腔鏡下アプローチが有用と考えられた.

  • 北岡 有香, 林原 賢治, 兵頭 健太郎, 金澤 潤, 中川 隆行, 薄井 真悟, 大石 修司, 齊藤 武文, 南 優子
    2021 年 43 巻 3 号 p. 208-214
    発行日: 2021/05/25
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    背景.気管支鏡検査は主に気管以下の下気道の疾患を疑い,精査,診断目的に行われるが,気管支鏡挿入時に偶発的に咽喉頭病変を認めることがある.今回,気管支鏡検査において偶発的に発見された咽喉頭病変について,合併頻度や症例の特徴,疾患の傾向を明らかにするために後方視的検討を行った.方法.当院で2014年10月から2019年9月までの5年間に行われた気管支鏡検査について,診療録をもとに,咽喉頭病変を認めた症例における年齢,性別,咽喉頭病変に伴うと思われる自覚症状の有無,喫煙歴,気管支鏡の目的となった疾患について解析した.結果.気管支鏡検査の総件数は4062件で,そのうち40例(0.98%)に咽喉頭病変を認め,発見される頻度は年々増加する傾向にあった.診断は声帯ポリープが最も多く,次いで喉頭癌,声帯結節が多かった.特に喉頭癌や声帯白板症は,比較的高齢で重喫煙歴のある男性に認められた.結語.特に高齢で喫煙歴のある患者では,無症状でも咽喉頭病変を合併している可能性が高く,気管支鏡検査前に口腔内の麻酔を十分に行い意識的に口腔,咽喉頭を観察することが重要である.

症例
  • 髙山 伸, 田村 朋季, 河角 敬太, 西村 智香, 工藤 健一郎, 久山 彰一
    2021 年 43 巻 3 号 p. 215-218
    発行日: 2021/05/25
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    背景.気管支軟骨腫は稀な腫瘍であり,治療法は確立されていない.症例.48歳女性.喘鳴,咳嗽を主訴に近医を受診し,胸部CTで左主気管支に結節を指摘され当科を受診した.結果.気管支鏡検査で有茎性の結節を認めたため,高周波スネアにより焼灼切除を行った.病理組織検査では軟骨成分を認め,明らかな悪性所見はなく軟骨腫と診断した.結論.気管支軟骨腫の治療で内科的・外科的治療の選択には絶対的基準はないが,内視鏡下に切除が可能な病変に関しては軟性気管支鏡による切除が低侵襲かつ根治性の高い治療であると考えられる.

  • 小林 美郷, 栗本 典昭, 谷野 明里, 天野 芳宏, 堀田 尚誠, 津端 由佳里, 濱口 俊一, 礒部 威
    2021 年 43 巻 3 号 p. 219-225
    発行日: 2021/05/25
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    背景.ガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(endobronchial ultrasonography using a guide sheath;EBUS-GS)において,超音波プローブ(探触子)が病変の辺縁に接する状態(adjacent to)での診断率は未だ低く,課題が残る.我々はadjacent toの場合,病変とGSとの位置関係を細かく調整するpinpoint biopsyを行っている.症例.80歳代女性.右上葉のすりガラス陰影を伴う結節影の診断目的にEBUS-GSを実施したが,得られたEBUS所見はadjacent toであり,pinpoint biopsyを行うこととした.まず,①EBUS-GSを用いて病変を確認したあと,透視とEBUS画像を確認しながら気管支鏡のup/down angleをかけて,プローブが病変に近づく方向を定めた(気管支短軸の位置決定).次に,②プローブをGS内に引き込むときにEBUS画像が暗くなることで,GSの先端が病変部の先端に位置していることを確認した(気管支長軸の位置決定).このように生検部位を小さく定めて生検を行い,肺腺癌と診断できた.結語.Pinpoint biopsyはadjacent toにおける診断率の向上に寄与する可能性がある.

  • 小林 哲也, 山本 真一, 手塚 憲志, 塚田 博, 柴野 智毅, 遠藤 俊輔
    2021 年 43 巻 3 号 p. 226-230
    発行日: 2021/05/25
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    背景.転移性気管・気管支腫瘍の原発巣が肺癌である症例は比較的稀である.症例.63歳男性.脊髄損傷の既往を有する.62歳時に右上葉肺腺癌pT1cN0M0 pStage IA3/右中葉肺腺癌pTisN0M0 pStage 0に対して,胸腔鏡下右肺上中葉切除術・リンパ節郭清術を施行した.術後6カ月目に褥瘡感染にて入院加療中に呼吸状態の悪化を認め,CTにて右胸水・上縦隔リンパ節腫脹・左主気管支の占拠性病変を確認し,気管支鏡にて左主気管支を占拠する有茎性のポリープ病変を認めた.病変を高周波スネアにて焼灼切除し,酸素化改善・喘鳴消失を確認した.切除した腫瘍は肺癌気管支転移(epidermal growth factor receptor遺伝子変異陽性/exon 19欠失)と診断された.術後osimertinib 80 mg/dayを開始し,投薬開始後右胸水消失・上縦隔リンパ節縮小・左主気管支病変の無再発を確認した.投薬開始約半年後のCTで無再発であることを確認し,その後も気管支の局所再発なく経過している.結論.原発性肺腺癌の気管・気管支内転移は珍しい転移様式であり,本症例は貴重な症例と考えられた.

  • 田中 浩登, 大塚 崇, 菱田 智之, 大村 征司, 鈴木 幹人, 政井 恭兵, 加勢田 馨, 朝倉 啓介, 淺村 尚生
    2021 年 43 巻 3 号 p. 231-236
    発行日: 2021/05/25
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    背景.挿管後気管狭窄に対する治療は,外科的な気管切除・再建術が長期開存性に優れるとされ推奨されてきた.一方,近年内視鏡機器・技術の進歩に伴い,内視鏡下拡張術の報告も増加しているが,その適応や長期成績は十分検討されていない.症例.患者は23歳,女性.1年前に交通外傷で他院に搬送され,意識障害に対して5日間の経口気管内挿管,人工呼吸管理が施行された.抜管40日後より,咳嗽と呼吸困難を自覚し,喘息として治療されたが軽快しないため,精査・加療目的に当院へ紹介受診となった.胸部CT画像および気管支鏡検査所見上,狭窄長2.1 cmの瘢痕性気管狭窄を認め,挿管後気管狭窄の診断の元,緊急で硬性気管支鏡による拡張術を施行した.しかし,その後に再狭窄が生じ,硬性鏡下に拡張術を再度行ったが再々狭窄を認めたため,気管管状切除・端々吻合術を施行した.術後2年6カ月経過した現在,再狭窄の徴候は認めていない.結論.瘢痕性の挿管後気管狭窄に対し,硬性鏡下での拡張術を複数回施行したものの再狭窄を繰り返したため,外科的気道再建術を行い良好な経過を得た1例を経験した.

  • 筒井 俊晴, 内田 賢典, 飯島 裕基, 小林 洋一, 柿﨑 有美子, 宮下 義啓
    2021 年 43 巻 3 号 p. 237-242
    発行日: 2021/05/25
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    背景.リポイド肺炎は脂質を貪食したマクロファージが肺胞腔内に出現することを特徴とした肺炎で,比較的稀な疾患である.症例.53歳,女性.抗菌薬投与後も陰影が悪化する肺炎で紹介された.経過や画像所見から器質化肺炎が疑われたためステロイド投与を行うも陰影は改善せず,気管支鏡検査を施行した.気管支肺胞洗浄にて脂肪貪食マクロファージを認め,リポイド肺炎と診断した.就寝中に消化液逆流によりしばしば噎せていることが確認され,メトクロプラミドの追加,就寝前の食事制限,就寝中の体位指導などを行い改善した.結論.胃全摘術後の消化液逆流,就寝中の誤嚥が原因と考えられた.気管支鏡検査が診断に有用であったリポイド肺炎の1例を経験したので報告する.

  • 井本 智博, 鈴木 繁紀, 濱田 賢一
    2021 年 43 巻 3 号 p. 243-248
    発行日: 2021/05/25
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    背景.有瘻性膿胸や気管支瘻は外科的治療を要する場合が多く,外科的治療後も難渋する気管支瘻が存在することがある.考慮し得る他の治療選択肢として,気管支充填術がある.症例.65歳,男性.結核治療後の遺残腔にアスペルギルスによる慢性膿胸を合併し,長期の慢性炎症に起因する多発気管支瘻を生じた.有瘻性膿胸と診断して開窓術を施行し,気管支瘻の閉鎖目的にEndobronchial Watanabe Spigot(EWS)を用いた気管支充填術を施行したが奏効せず,充填したEWSと気管支内壁の隙間を埋める形で,気管支鏡下にシアノアクリレート(アロンアルファA)を注入したところ,気漏は完全に消失した.結語.難治性気管支瘻に対する治療としてアロンアルファAとEWSとの併用による気管支充填術が奏効した1例を経験したため,有用な治療選択肢の1つとして報告する.

  • 小島 章歳, 戸田 麻衣子, 小林 由美子, 菊池 聡, 平田 優介, 坂井 浩佑, 森山 岳, 大野 秀明, 宮﨑 義継, 植松 和嗣
    2021 年 43 巻 3 号 p. 249-255
    発行日: 2021/05/25
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    背景.近年,生物学的製剤や免疫抑制薬の使用が増え,それに関連した日和見感染症を診療する機会が多くなっている.ムーコル症も増加傾向にあるが,その診断は困難で,治療薬も限られている.症例.55歳女性.近医でSLEと診断された.ミコフェノール酸モフェチルとステロイドによる治療中に侵襲性肺アスペルギルス症を発症した.ボリコナゾールにより改善したが,同薬継続中に胸部CT検査で両側肺に多発空洞結節が出現し,当院へ紹介となった.経気管支肺生検を施行し,病理組織診でムーコル様構造物を認めた.さらに同検体を用いたPCR検査によりCunninghamella属と高い相同性を有する遺伝子配列が認められ,ムーコル症と診断された.リポソーム化アムホテリシンB製剤の投与を約3か月継続し,臨床的,画像的な改善を認めた.結論.経気管支肺生検により肺ムーコル症と診断できたことで,病原性の高い菌種であったが,迅速な治療介入と原疾患の管理により良好な転帰を得た.

  • Yosuke Kakiuchi, Osamu Sakamoto, Yasuo Morimoto, Sayuri Hirooka, Kazuy ...
    2021 年 43 巻 3 号 p. 256-260
    発行日: 2021/05/25
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    Background. Pneumoconiosis is defined based on the fibroproliferative changes in the lung caused by inhalation of dust, such as polishing powder containing silica. Cases of dental technician's pneumoconiosis were described as early as 1939. Case. A 40-year-old male dental technician was referred to us because of nodular infiltrates on a chest radiograph. He complained of having a dry cough. He had been working as a dental technician for the past 15 years and had been engaged in polishing dental metals. Computed tomography revealed centrilobular nodules, predominantly in the upper lung fields. We performed bronchoalveolar lavage and a transbronchial lung biopsy of the right upper lobe. Biopsy specimens showed dense fibrosis with pigmented macrophages. Under a polarizing microscope, refractile materials of various sizes were observed, suggesting that minerals were present in the affected lung tissues. We performed a microanalysis of minerals in the affected lung tissue and bronchoalveolar lavage fluids using an energy-dispersive X-ray analytical spectrometer. In addition, five raw materials used in his dental laboratory were similarly analyzed. A mineral analysis revealed that the affected lung tissues and bronchoalveolar lavage fluids contained metals such as aluminum, silicon, chromium, and cobalt, which were consistent with the dental materials that the patient had handled in the laboratory. Conclusion. We diagnosed this patient with pneumoconiosis caused by inhalation of dental metals. This is the first reported case of pneumoconiosis in a dental technician wherein the metallic particles in the lung were matched with the inhaled dental materials present in the dental laboratory.

  • 曽我部 将哉, 滝 雄史, 齊藤 樹, 荒川 伸人, 辻田 章博, 山沢 英明, 中野 智之, 坪地 宏嘉, 遠藤 俊輔, 石川 成美
    2021 年 43 巻 3 号 p. 261-265
    発行日: 2021/05/25
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    背景.気管支原発の大細胞神経内分泌癌は稀である.症例.68歳男性.右腎盂癌に対して右腎尿管全摘を施行した.病理診断は腎盂原発のpapillary urothelial carcinomaであった.術後1年目に突然の呼吸困難が出現した.胸部CTで左主気管支を閉塞する腫瘤性病変と気管分岐下リンパ節・右腋窩リンパ節の腫大を認めた.気管支鏡検査では,左主気管支を閉塞する腫瘍性病変は分岐部上にまで張り出していた.経過から腎盂癌の転移が疑われた.出血による患側・対側気管支への吸引により気道閉塞が危惧されたため生検せず,一期的に内視鏡的腫瘍切除およびステント留置の方針とした.腫瘍は有茎性と判断,硬性鏡下に高周波スネアを用いて腫瘍を切除して閉塞を解除,続いてDumon Yステントを留置した.術後経過は良好で呼吸状態は安定し,術後5日目に退院した.病理診断は大細胞神経内分泌癌,左主気管支原発と考えられた.化学療法:CBDCA+CPT-11を開始して,現在内視鏡処置後14カ月,部分奏効を保っている.結語.気管支原発の大細胞神経内分泌癌は稀であり,高周波スネアで切除し気管気管支ステント留置した後,薬物治療を施行した1例を経験したので報告する.

  • 尾下 豪人, 森 智紀, 髙橋 達紀, 妹尾 美里, 船石 邦彦, 三玉 康幸, 奥崎 健
    2021 年 43 巻 3 号 p. 266-271
    発行日: 2021/05/25
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    背景.アレルギー性気管支肺真菌症では,囊胞化や線維化など肺の荒廃を呈することがあるため,早期診断と副腎皮質ステロイド薬や抗真菌薬による治療が推奨されている.症例.73歳の男性.左肺下葉の粘液栓周囲の陰影が悪化したため気管支鏡検査を施行した.左Bに粘液栓を認めたため,吸引除去した.菌種は同定できなかったが,グロコット染色で糸状菌を認め,アレルギー性気管支肺真菌症と診断した.気管支鏡検査後に症状が軽快したため,薬物療法なしで経過観察したところ,症状再燃はなく,CTで粘液栓の消失を認めた.結論.呼吸不全進行には注意を要するが,粘液栓が除去できた場合に,全身ステロイド投与や抗真菌薬なしで経過観察可能な症例も存在することが示唆された.

  • 稲田 修吾, 森本 俊規, 岩永 優人, 鍋島 新志, 渡橋 剛, 中島 拓, 岩本 博志, 藤高 一慶, 濱田 泰伸, 服部 登
    2021 年 43 巻 3 号 p. 272-277
    発行日: 2021/05/25
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    背景.経皮経肝胆管ドレナージ(percutaneous transhepatic biliary drainage:PTBD)後の合併症としての胆管胸腔瘻は稀な合併症である.治療法は胸腔ドレナージや外科的掻爬・瘻孔閉鎖術が報告されているが,局所麻酔下胸腔鏡による治療報告は極めて少ない.症例.89歳男性.十二指腸乳頭部腫瘍による閉塞性黄疸で胆管ステントを留置されていた.胆管ステント閉塞による急性胆囊炎・胆管炎のため入院した.PTBDを施行して3日後に発熱し,胸部X線写真で右に大量の胸水貯留を認め,胸部CT検査ではドレナージチューブが胸腔内を貫通していることが確認された.試験的胸腔穿刺で胆汁様胸水を認め,培養検査でEnterococcus faecium,Pseudomonas aeruginosaを検出し,胆管胸腔瘻による膿胸と診断した.局所麻酔下に右胸腔に胸腔鏡(LTF-240)を挿入し,胸腔内のフィブリンにより形成された隔壁を掻爬し,胸腔ドレーンを挿入した.胸腔ドレナージや抗菌薬の投与で膿胸および胆管炎は改善傾向であった.さらに後日,PTBDカテーテルを抜去し,局所麻酔下胸腔鏡で右横隔膜瘻孔閉鎖術を試みた.結論.高齢,担癌などにより全身状態が不良であり,全身麻酔も含めて侵襲性の高い外科的処置が困難と判断された胆管胸腔瘻による膿胸に対して,局所麻酔下胸腔鏡による治療の有効性が示唆された.

  • 児嶌 駿, 藤井 雅人, 森田 芽生子, 甲斐 翔太郎, 渡辺 綾乃, 阿部 岳文, 佐竹 康臣, 佐野 武尚, 土屋 恭子, 山田 孝
    2021 年 43 巻 3 号 p. 278-282
    発行日: 2021/05/25
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    背景.良性腫瘍により気管支が閉塞し呼吸不全を呈した場合,外科的切除または内視鏡治療が考慮される.症例.73歳男性.労作時呼吸困難を主訴に受診した.胸部X線で左上葉に無気肺を認め,胸部CTでは,左上葉気管支内を主座とし下葉気管支起始部まで進展した腫瘤を認めた.気管支鏡では,左上葉気管支内より下葉気管支入口部にかけて表面平滑な腫瘤を認め,生検で多形腺腫と診断した.その後,左下葉の含気も低下し,呼吸不全となった.外科的治療は希望されず,内視鏡治療を行うこととなった.気管支鏡下にアルゴンプラズマ凝固(argon plasma coagulation:APC)とホットバイオプシー鉗子による処置を計4回施行することにより,下葉気管支が開通し呼吸状態の改善が得られた.結論.気管支内多形腺腫により呼吸不全を呈した症例に対して,APCとホットバイオプシーによる内視鏡治療が有効であった.

  • 小西 花恵, 西野 亮平, 香川 洋輔, 水本 正, 北口 聡一, 菅原 文博
    2021 年 43 巻 3 号 p. 283-288
    発行日: 2021/05/25
    公開日: 2021/06/18
    ジャーナル フリー

    背景.免疫チェックポイント阻害薬投与により免疫関連有害事象(irAE)を生じた例で,一度軽快後にirAEが再燃することがある.症例.70歳,男性.2015年9月に右腎盂癌根治術後,肺に転移再発し,化学療法,放射線療法が施行された.2018年6月に肺に新たな転移性病変を認めた.Pembrolizumab療法が開始されたが,その後薬剤性肺炎を発症したため休薬し,無治療で肺炎は軽快した.休薬2カ月後に23価肺炎球菌ワクチン(PPSV23)を接種し,2日後から発熱し胸部単純X線で肺炎像を認めたため入院した.気管支鏡を施行し,気管支肺胞洗浄および肺生検から薬剤性肺炎に矛盾しない所見を認め,ステロイド治療を開始し軽快した.結論.免疫賦活作用のあるPPSV23の接種が,一度軽快した免疫療法による薬剤性肺炎の再燃に関与した可能性があり,免疫療法中のワクチン接種を考えるにおいて参考になる症例と考えられた.

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