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原稿種別: 表紙
1985 年 7 巻 4 号 p.
Cover1-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
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原稿種別: 付録等
1985 年 7 巻 4 号 p.
App1-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
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原稿種別: 目次
1985 年 7 巻 4 号 p.
Toc1-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
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原稿種別: 目次
1985 年 7 巻 4 号 p.
Toc2-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
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原稿種別: 付録等
1985 年 7 巻 4 号 p.
372-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
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原稿種別: 付録等
1985 年 7 巻 4 号 p.
373-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
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原稿種別: 付録等
1985 年 7 巻 4 号 p.
374-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
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仲田 祐
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
375-383
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
気管気管支管状切除が機能温存手術として, 日常一般的に行なわれるようになったことはよろこばしいかぎりである。症例は, 炎症, 外傷による狭窄から次第に悪性腫瘍に移ってきた。肺機能は加齢とともに急激に減少するので, 特に肺癌患者にとって意義が大きいと考える。我々は呼吸不全患者の治療法として肺移植の臨床応用をめざしているが, この気管支管状切除は肺移植への前段階と考えている。当研究所における気管支の管状切除吻合は73例で, 外傷および炎症によるもの12例, 腫瘍によるもの61例(83.6%)である。これは, 肺癌肺切除1, 140例中5.4%を占めるにすぎない。術式としては術後縫合不全あるいは肉芽, 瘢痕による狭窄を防ぎかつ吻合部癌再発がないようにということにつきる。そのためおのずから術式が決まってくる。吸収性の糸を用い全層に深く厚く針をかけ, むしろ荒く縫合する。また小口径側が広くなるよう分岐部で切断し, 大口径側に引き延ばすように吻合することが肝要である。このことは可及的大きく気管支を切除することになる。悪性腫瘍のうち扁平上皮癌が46例(79%)を占めている。肺癌における気管支管状切除5年生存率は, I, II期で67%, III期で7.9%, 全体で37%と当研究所の肺切除成績を上回った成績である。肺動脈形成術を伴った症例が9例あり, 2例が2年2月および6月生存しているが他は再発死である。肺動脈切除範囲がせいぜい2cm, 隣接臓器浸潤の範ちゅうに入るものであるので, むしろこの症例に対しては肺剔除と充分なリンパ節郭清をすべきものと現在は考えている。気管分岐部切除は8例ですべて同側開胸により行なっている。術後denervationの影響が, 肺血管系, 気道系および咳嗽反射, 呼吸調節の面に現れることになるが, 大きな問題にはならない。肺内迷走神経枝の温存を考えるあまり剥離が不充分であったり, リンパ節の郭清が不充分になっては手術の意味がなくなる。術後肺機能の低下は, denervationの影響を考えるより, むしろ吻合部周辺に発生した肉芽組織が経過とともに硬化し狭窄を起こしてくるためであることを強調したい。将来はこの術式をもとに肺移植, 人工臓器移植を軌道に乗せるべく努力して行きたい。患者の苦痛を取り除き, 延命をはかるばかりでなく, 社会活動が充分にできるよう機能を考えて対処していくのが今後の医療であると思っている。
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岡田 慶夫
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
384-397
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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気管・気管支腺は, 主として漿液細胞と粘液細胞との2種類の分泌細胞によって構成されている外分泌腺である。この腺はあらゆる動物のなかでヒトにおいて最も発達しており, 粘液多糖類をはじめ各種ライソゾーム酵素や分泌型IgA等の多くの気道内防御物質を旺盛に産生している。すなわち, ヒトにおいては気道内分泌機構のうちの重要な部分がこの腺に集中している観がある。この腺の分泌はコリン作働性物質の投与によって促進される。この腺は胎生期後半において急速に発達, 分化するが, 実験的研究によれば, 生後傷害をうけた場合には気道上皮の再生増殖に伴って再生する。軽度の刺激や傷害作用では漿液細胞/粘液細胞の比率はほぼ不変であるが, 慢性気管支炎等ではこの比率はしばしば低下する。腫瘍性変化を来す場合も稀ではなく, ヒトの腺癌において少なくともその10%近くが気管・気管支腺由来であると考えられる。
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荒井 他嘉司
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
398-399
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
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衛藤 安広, 中路 丈夫, 木山 程荘, 絹脇 悦生, 大塚 陽一郎
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
400-405
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
TBLB施行症例を胸部異常陰影別に, 腫瘤型, 限局性浸潤型, びまん性型の3群に分け, それぞれの診断におけるTBLBの有用性と合併症について検討した。対象はTBLB施行299症例で, 胸部異常陰影別内訳は肺野腫瘤型142例, 限局性浸潤型97例, びまん性型60例であった。確診あるいはほぼ確診は全体では299例中254例84.9%に得られ, 胸部異常陰影別では腫瘤型142例中121例85.2%, 限局性浸潤型97例中80例82.5%, びまん性型60例中53例88.3%と陰影別にはほとんど診断率に差はなかった。特異的診断の得られたのは299例中149例49.8%で, 胸部異常陰影別では腫瘤型69.7%, びまん性型40%, 浸潤型26.8%の順で陰影別に差が認められた。合併症は6例に中等度以上の気道出血, 4例に気胸を認めたが重篤なものはなかった。
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小室 淳, 武内 健一, 木村 律三, 小林 仁, 米谷 則美, 道又 衛, 田村 昌士, 冨地 信和
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
406-413
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
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1980年1月∿1984年12月の最近5年間に当科で実施したびまん性肺疾患に対するTBLBの成績を検討し, 診断率の面からTBLBの適応と限界について若干の考察を加えた。対象とした症例は, びまん性肺疾患132例のうち, 特発性間質性肺炎43例, サルコイドーシス33例, 過敏性肺臓炎22例, びまん性汎細気管支炎19例である。疾患別診断率は, 特発性間質性肺炎69.7%, サルコイドーシス57.6%(I期36.8%, II期81.8%, III期100%), 過敏性肺臓炎90.1%, びまん性汎細気管支炎57.9%であった。特異性が高い組織学的所見のあるサルコイドーシス, 過敏性肺臓炎では診断率が高く, TBLBの有用性が確認された。一方, 特発性間質性肺炎, びまん性汎細気管支炎では組織学的特異性に乏しく, 評価可能な検体を採取するのが比較的困難であるため診断率はやや低かった。疾患別平均採取検体数は, 特発性間質性肺炎4.1個, サルコイドーシス3.5個, 過敏性肺臓炎3.6個, びまん性汎細気管支炎3.4個であった。採取検体数はTBLBの合併症との兼ね合いを考慮すると4個が妥当である。
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倉富 雄四郎, 松岡 緑郎, 檀原 高, 三重野 龍彦, 小林 英雄, 吉良 枝郎, 山口 隆子, 二ノ村 信正
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
414-424
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
当科におけるびまん性肺疾患を対象としたTBLB施行症例は, 1977年9月より1984年12月末までに273例, 延べ317回であり, うち185例, 68%で確定診断を得た。開胸肺生検と比較し, TBLBのもつ大きな利点は, その低侵襲性に基づくrepeatabilityにある。対象症例のうち経過観察を目的としてTBLBを反復したものは18例であり, 間質性肺炎症例でその頻度が高かった。このうち本法で組織学的変化と臨床経過との対応を追跡しえた代表的3例を呈示した。症例1の特発性間質性肺炎例では, ステロイド治療による胞隔炎の改善の一方で, 組織構築の破壊を伴う線維化の進行が観察され, 症例2の過敏性肺臓炎例では, 急性期の高度な病変が遺残することなくほぼ完全に正常化し, 両者の経過の違いが組織学的に確認しえた。いわゆる混合型肺炎が示唆された症例3では, その組織学的変化のステロイド治療に対する良好な反応が観察された。臨床と病理との密接な協力が前提となるが, TBLBの反復によるin vivoでの経時的な病理組織像の評価はびまん性肺疾患の病態の解明に極めて有用なものと考えられる。
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高 光重, 花本 澄夫, 荒木 良彦, 川幡 誠一, 木村 謙太郎, 越智 規夫, 森野 英男, 菊井 正紀
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
425-430
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
主として人工呼吸中の, 胸部X線写真上びまん性陰影を呈する重症呼吸不全例に対し, 肺病変の診断を目的として, 気管支鏡を用いた経気管支肺生検(TBLB)を行なった。TBLBによる組織診断では, 25例中7例の確定診断を含む10例(40%)で診断的有用性が高かった。また他の14例(56%)では, TBLBの組織所見を参考にして治療法の選択がなされた。剖検例7例でのTBLB所見と剖検肺との組織学的比較検討では, 1例をのぞき比較的一致した所見が得られた。合併症は, barotrauma 5例(気胸3, 皮下気腫2), 中等度出血4例の計9例(33%)にみられた。合併症に対する十全な準備と注意深い観察の下に行なえば, 人工呼吸中の重症呼吸不全に対しても, TBLBは有用な情報を提供するものと考えられる。
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神田 哲郎, 河野 謙治, 岡 三喜男, 斉藤 厚, 原 耕平
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
431-439
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
肺感染症, 特に塗抹陰性肺結核や肺真菌症, P. carinii肺炎について, TBLBの適応と限界を検討した。入院時塗抹陰性肺結核57例にTBLBを施行し, 33例(57.9%)に結核に矛盾しない所見が得られた。気管支内採痰, TBLB翌日の塗抹をあわせると, 38例(66.7%)に肺結核の早期診断を得た。肺真菌症に対するTBLBの確診率は, 肺クリプトコッカス症12例中11例(91.7%), 肺アスペルギローマ3例中2例(66.7%)で, 気管支内採痰や喀痰培養に比べ優れていた。P. carinii肺炎では6例中3例にTBLBを施行し, いずれにもP. carinii虫体を証明した。また, 6例中5例にBALを施行し, いずれにもP. cariniiを証明した。したがってP. carinii肺炎の診断にはTBLBおよびBALともに有用であることを示した。以上のことから, これらの肺感染症においてはTBLBは有用で, 気管支内採痰, TBLB翌日痰, BALを併用することにより, さらに診断率が向上するものと考えられた。
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井沢 豊春, 安藤 正幸
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
440-441
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
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上田 眞太郎
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
442-449
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
超微形態像から, 気道・肺胞域各部の被覆上皮系の特異点と肺の表面被覆層・表面活性物質Sfを踏まえた肺のクリアランスは以下のように考えられる。1.気道中枢域は線毛細胞(排泄と一部吸収・分泌), 杯細胞(粘液外分泌, 一部吸収), 神経内分泌細胞(感覚), 中間細胞(未分化型)および基底細胞から成り, また気管支腺を有する。2.気道末梢域は, 未熟な線毛細胞とクララ細胞(外分泌, 脂質代謝?)の2種類であるが, 呼吸細気管枝は壁側面が肺胞様構造に変化してI型・II型肺胞上皮が被いガス交換が開始する。3.肺胞域はI型肺胞上皮(空気-血液関門を形成)とII型肺胞上皮(Sf分泌とI型の予備)で構成され全表面はSf膜で被覆される。4.気道液は, 分泌細胞と気管支腺の分布のため中枢域にやや多いが, 末梢域や肺胞域では極く少ない。5.気道・肺胞の全含気性領域を被覆するSf膜は, 気・液相界面を形成し細胞環境の保護その他とともに肺の防御機構の第一線を担う。6.Sf膜を含む表面被覆層は, II型肺胞上皮のSf持続分泌とその拡散能, 中枢域の線毛運動による間接的引き上げ, その他の共同でエスカレーター様に気道中枢域に運搬され気道アクアランスの第一段階が保持される。
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平野 富男, 井沢 豊春
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
450-458
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
放射性エロソール吸入肺シネシンチグラフィーの開発によって, ヒトの気道の粘液線毛クリアランス機構の視覚的および定量的評価が可能になった。粘液線毛クリアランス機構を評価するためのこの新しい研究的および臨床的方法の開発過程を振り返り, さらに健常者および慢性閉塞性肺疾患, 肺癌, 気管支拡張症, 肺線維症などの患者での粘液線毛クリアランス動態につき簡単に述べた。定量的評価は, 肺内残留率, 気道沈着率, 気道残留率, 気道クリアランス効率および肺胞沈着率の五つの指標を設定して行なった。定量的評価には原法では, 放射性エロソール吸入直後より連続2時間の放射能計測と24時間後の反復計測が必要であったが, 吸入直後より1時間の連続計測と1秒率より肺胞沈着率を予測して他の指標を計算する簡便法の導入により, 臨床実用が一層容易になった。
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石坂 彰敏, 金沢 実, 黒田 道郎, 鈴木 幸男, 横山 哲朗, 橋本 禎介, 久保 敦司, 橋本 省三
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
459-465
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
^<99m>Tc-DTPA (diethylene triamine penta acetate)エアロゾル吸入後の胸部γ線体外計測により, 健常者と間質性肺疾患症例における肺胞上皮の^<99m>Tc-DTPAに対する透過性の変化を推測した。^<99m>Tc-DTPAが分布した肺胞上皮表面の液相を単一分画と考え, ^<99m>Tc-DTPAの肺からの移動率kepを肺胞上皮に対する透過性の指標として求めた。健常者のkepに年齢との関係, 男女の性別による差を認めなかった。放射線肺臓炎で胸部X線上陰影を認めた肺野のkepは29.9±12.3×10^<-3>min^<-1>で, 非照射側肺で陰影を認めなかった肺野の12.3±4.2×10^<-3>min^<-1>に比べて高値を示した。びまん性間質性肺疾患症例のkepは原因不明の群, 続発性の群, サルコイドーシス症例でそれぞれ29.1±11.5, 28.8±14.1, 14.2±4.9×10^<-3>min^<-1>といずれも健常者に比べて高値を示した。放射線照射を受けた対象のprospectiveな観察から, 放射線肺臓炎を発症した症例でPa_<o2>の悪化や胸部X線上の陰影の出現前に肺胞上皮の透過性が亢進している対象が存在することが分かった。以上より本法は間質性肺疾患症例の肺胞上皮細胞障害を^<99m>Tc-DTPAに対する透過性の変化として検出しうる新しい検査法であることが示唆された。
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菅 守隆, 安藤 正幸, 荒木 淑郎
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
466-474
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
肺胞領域の異物クリアランス機構は, 肺胞マクロファージ(PAM)がその中心的役割を果たしていると考えられる。このPAMの異物処理における役割と機能を家兎を用いた動物実験での解析とヒト喫煙者PAMをモデルに解析を試みた。家兎気管内に注入した真菌のクリアランスの検討において免疫学的に特異的な膜リセプターを介する機序の関与がPAMによるクリアランスをより良く作動させることを明らかにした。このPAMの細胞内異物処理機能を性質の異なる異物を用いてファゴゾーム内O_2産生能とファゴゾーム・リソゾーム融合について検討した結果, PAMの異物処理機能は異物の性状によって異なり, 特に生菌のクリアランスには抗体の役割が重要であることを明らかにした。次に, ヒトPAMの異物処理機能を喫煙者PAMをモデルに解析した結果, 肺胞腔に蓄積した喫煙成分に対し, PAMは数の増加とリソゾーム酵素活性の上昇を認めた。またこれらの機能を喫煙総量(pack year), 喫煙年数, 1日喫煙本数で解析した結果, PAM数およびPAMのリソゾーム酵素活性がbiological clearanceの指標になりうることが明らかとなった。
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於保 健吉
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
475-476
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
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福岡 正博
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
477-478
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
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北村 諭
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
479-486
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
気管支ファイバースコピーの合併症を検索する目的で, 全国の大学附属病院, 国・公・私立病院など1, 028施設にアンケート調査表を送り, 495通の回答を得た。495施設の年間施行例数は47, 744例で, 累積施行例数は279, 280例であった。合併症は1, 381例で発症率は0.49%であった。主要な合併症としては, 気胸611例, キシロカイン中毒169例, 多量出血137例, 発熱125例, 呼吸停止57例, 不整脈53例, キシロカインショック41例, 血圧低下39例, 死亡34例, 肺炎20例, 心停止16例などであった。死亡の直接原因は, 大出血18例, 気胸4例, 呼吸不全3例, 循環不全2例, キシロカインショック2例, 不明5例であった。また34例中19例(55.9%)は検査施行中または直後に死亡した。合併症には充分留意し, 慎重にしかも積極的に本検査を施行することが望まれる。
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桑原 修, 中岡 和哉, 土肥 英樹, 中川 芳樹, 西川 秀樹
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
487-492
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
1980年から5年間に気管支鏡を施行した1, 506例の主な内容はX線透視下43.5%, 直視下生検は36.5%, TBLBと透視下腫瘤生検18.1%, 末梢病巣擦過25.4%であった。気管支鏡の合併症の主なものと当院での頻度は, 中等量以上の出血3.5%, 気胸0.5%, キシロカインショック, 感染症, 後遺症, 死亡はなかった。検査は原則として入院のうえ行なっている。挿管麻酔器, 救急薬器具を完備し全例検査中は血圧, 脈拍を自動測定している。合併症で最も多く危険な気道出血に対しては, 術前に止血機能検査を行なうとともに出血時にはまずトロンビンの散布を行ない, 大量出血の場合にはocclusion balloon catheterで閉塞し, そのカテーテルからトロンビンを末梢へ注入している。止血に難渋し輸血した症例はなかった。TBLBは必ず透視下に行ない術後はX線写真をとっている。検査による感染防止のため器具の消毒は厳重にしている。検査従事者にたいしても感染, 放射線からの防護も大切である。
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加瀬 勝一, 高木 啓吾, 増田 秀雄, 菊地 敬一, 尾形 利郎, 杉山 圭作, 武田 潤
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
493-498
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
各種呼吸器疾患46例に対し, 気管支鏡検査における動脈血酸素分圧(PaO_2)の変動を経皮的酸素分圧(PtcO_2)によりモニターし, 検討を加えたので報告する。1)PtcO_2とPaO_2は有意の正相関を示した。r=0.88 n=58 PaO_2=1.11(PtcO_2)+15.2 P<0.001。2)気管支鏡検査の各操作によるPtcO_2の低下は, 気管チューブ挿管を除いたほとんどの操作に認められ, 変動率では生検時-18.3%, YAGレーザー照射時-18.0%が大きかった。3)検査全経過を通じての低下率の平均は26%であった。4)70歳以上の低下率の平均は, 70歳未満に比べ小さかった。PtcO_2モニターは, 患者のPaO_2の変動をよく反映し, 低酸素血症による合併症を未然に予防し, 検査の安全性を高めるため非常に有用と思われる。
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劉 震永, 酒井 直道, 松井 薫, 沢田 雅光, 根来 俊一, 高田 実, 玉井 精男, 楠 洋子, 福岡 正博
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
499-505
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
気管支鏡検査時の合併症はいろいろ報告されているが, 今回我々は, 心電図の持続的モニターおよび血液ガスの経時的測定を行ない, 特に心合併症の発現頻度とその対策について検討した。気管支鏡検査時にはhypoxemiaを呈することが多く, 安静時室内空気吸入下でPaO_2≦60torrの患者で酸素を投与しなかった患者にmajor cardiac complicationの出現頻度が高く, 低肺機能の患者には酸素投与の必要性があり, 酸素投与により, 心合併症は防げると考えた。また, 術前に心電図異常を有している者で, 特に虚血性変化のある患者では心合併症の出現頻度が高く, PaO_2の経時的な測定に加えて, 術中術後の心電図モニタリングが必要であると考えた。
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田村 康一, 光岡 明夫, 瀧 俊彦, 和田 洋己, 伊藤 元彦, 人見 滋樹, 倉沢 卓也, 門 政男, 西村 浩一, 佐藤 公彦
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
506-513
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
気管支鏡下の検査およびLaser治療の合併症として出血が最も多く, 時には致命的となる。我々の施設では過去3年間(1982∿1984)に1, 263件の気管支鏡検査を施行し, 中等度以上の出血に対し何らかの止血の処置を行なったものは75例(5.9%)である。その内, 特に止血に手間どったものは19例であるが, すべて保存的に対処しえている。一方, Laser治療は, 1981年1月以降4年5カ月間に51例, 121回の焼灼術を行なった。気管20例, 分岐部も含めてそれ以下の気管支31例である。出血が原因でLaser焼灼の継続が困難となったもの前者で5例, 後者で3例である。その内, 止血と気道確保の目的で気管チューブの留置を行なったもの各4例と2例である。気管例では気管チューブの留置により腫瘤の圧迫縮小効果がみられ, 引き続き行なうLaser焼灼時の気道確保の面で安全と考えられた。気管支例では気道内大量出血例を経験し, 本論文ではこれについても詳述した。
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広瀬 隆士, 滝島 任
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
514-515
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
ジャーナル
フリー
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伊東 祐之
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
516-522
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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気道平滑筋細胞の電気的膜特性および収縮特性を研究する目的で, イヌおよびネコの気管平滑筋を用い電気生理学的, 生化学的検討を加えた。気管平滑筋細胞は電気的膜自発活動を示さず, 筋直接刺激または神経刺激により活動電位を発生しなかった。しかし神経刺激により発生した興奮性接合部電位(e.j.p.)(迷走神経から放出されたAChによる)により収縮が発生した。AChによる収縮は過剰〔K〕_0溶液やカフェインによるそれより大きく, 〔Ca〕_0除去によりほとんど影響を受けず, 細胞内Caの遊離により収縮を引き起こす。一方, サポニンでスキニングした気管平滑筋細胞に外因性イノシトール三リン酸(Ins-P_3)を投与すると細胞内貯蔵Caの約40%が遊離された。またACh投与により気管平滑筋細胞ではIns-P_3が産生された。以上の結果は, 気管平滑筋の収縮は電位依存性Ca-チャンネルにより細胞外Caが細胞内に流入して発生するのではなく, 種々のケミカルメディエーターが細胞内に貯蔵されたCa^<++>を遊離し収縮を引き起こすことを示している。
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本島 新司, 湯川 龍雄, 福田 健, 牧野 荘平
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
523-528
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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ovalbumin(OA)に感作したモルモットより気管鎖を作製し, OAに1時間曝露するとisoproterenol(ISP)に対する反応性が有意に低下することをすでに報告し, また同様の条件で求めたforskolinに対する反応性が低下することも示した。今回は, アナフィラキシー反応がβ受容体に及ぼす影響について検討した。chopped lungをOAに1時間曝露すると, β受容体数には変化を認めなかったが, ISPのβ受容体に対する親和性は低下傾向を示した。総合して考えると, アナフィラキシー反応後のISPに対する反応性低下の原因部位として, β受容体, GTp-regulatory protein, adenylate cyclaseのすべてが関与していることが示唆される。今回認めた現象は, 喘息発作時にβ刺激薬の効果が低下する原因の一部を説明するであろう。
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相沢 久道
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
529-536
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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気道過敏性の発症にthromboxane(TX)が関与している可能性について検討する目的で, オゾンによって引き起こされる気道過敏性に対する, TX生合成阻害剤であるOKY-046の抑制効果を調べた。3ppmオゾン曝露により, 気道の反応性はアセチルコリン閾値で表現して, 2.42mg/ml(GSEM 1.56)より0.14mg/ml(GSEM 1.16)と有意に亢進したが, OKY-046投与により, この気道の反応性の亢進は完全に抑制された。さらに, この結果を確かめるため, TX mimeticであるU-46619により気道過敏性が発症するかを検討した。それ自体では気道収縮を起こさない微量のU-46619投与により気道の反応性は約4倍に亢進した。これらの結果により, TXは気道過敏性発症に重要なmediatorであると考えられた。
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佐竹 辰夫
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
537-542
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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平滑筋に対する研究のうち, 気道のそれに対するものは少ない。なかでもヒト気道平滑筋についての報告はほとんどない。しかし, 最近, 気管支拡張剤, 平滑筋弛緩剤の薬効検定に際し, あるいはそれらに関連したCa代謝およびK, Sr, Baなど各種電解質濃度の影響など基礎的知識が要求され始めた。本論文では, ヒト気管平滑筋102切片を用い, まず, ヒト気管平滑筋にも自然張力が存在し, そのレベルが薬物負荷のstarting pointに適していること, 次に, 多用されているモルモットの場合と対比しながらアラキドン酸カスケード(cyclooxygenase, lipoxygenase)との関連で両者の相違と特徴を明らかにした。気道平滑筋の自然張力は, 主にヒトではleukotrienes, モルモットではprostaglandinsによって保持されていると推定できた。したがって, 今後は「ヒト」について検討することが望まれる。
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大畑 正昭
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
543-544
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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吉田 清一
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
545-546
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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佐藤 篤彦
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
547-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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関 松蔵, 松井 英介, 広田 敬一, 石川 勉, 国枝 武俊, 柴山 麿樹, 土井 偉誉, 下川 邦泰
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
547-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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源馬 均, 坂元 隆一, 鈴木 一也, 本多 淳郎, 長島 康之
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
547-548
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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竹内 義広, 木村 誠, 湯浅 浩, 草川 實
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
548-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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秋山 仁一郎, 岡野 昌彦, 谷口 正美, 早川 啓史, 千田 金吾, 本田 和徳, 佐藤 篤彦
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
548-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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田中 宏紀, 水野 武郎, 市村 秀樹, 柴田 和男, 山川 洋右, 鳥居 敬, 正岡 昭
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
548-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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山本 長晴, 浦田 淳夫, 杉浦 孝彦, 西村 穣, 佐藤 秩子
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
548-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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松井 英介, 広田 敬一, 関 松蔵, 石川 勉, 柴山 麿樹, 土井 偉誉, 広瀬 光雄, 下川 邦泰, 三宅 浩, 滝谷 博志
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
548-549
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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松本 修一, 鈴木 賢司, 近藤 潤一郎, 古井 秀彦, 堀場 通明, 井上 広治
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
549-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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小六 哲司, 松浦 広人, 堀川 博通, 斎藤 孝久, 中林 武仁, 安田 真也
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
550-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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古家 乾, 永井 達夫, 牧村 士郎, 板橋 孝一, 阿部 庄作, 川上 義和, 常田 育宏
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
550-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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土肥 勇, 鈴木 潤一, 牧村 士郎, 板橋 孝一, 阿部 庄作, 永井 達夫, 川上 義和
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
550-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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岡本 真由美, 宮崎 智徳, 渋谷 直道, 荒井 政義, 本田 哲史, 岡本 賢三
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
550-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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石井 良直, 秋葉 裕二, 中野 均, 松本 博之, 藤兼 俊明, 赤石 直之, 佐々木 信博, 清水 哲雄, 小野寺 壮吉
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
550-551
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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片岡 賢治, 那須 元一, 山口 保, 大野 猛三, 夷岡 迪彦, 田垣 茂, 名取 博, 鈴木 明, 湯浅 博夫, 横田 欽一
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
551-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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中田 尚志, 五十嵐 知文, 浜松 千秋, 三上 正志, 石田 勉, 小野寺 次民, 常松 和則, 浅川 三男, 鈴木 明
原稿種別: 本文
1985 年 7 巻 4 号 p.
551-
発行日: 1985/12/25
公開日: 2016/09/15
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