日本緑化工学会誌
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16 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 三輪 賢志, 小橋 澄治
    1990 年 16 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1990/10/05
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    山腹工モニタリングシステムとしてリモートコントロールヘリコプター (以下リモコンヘリと略す) を利用する方法を開発した。これは写真測量法とリモート・センシング技術とを組み合わせたものであり, 三次元的に山腹工施工地の土地被覆状況を把握できるものである。リモコンヘリにより撮影された写真は今回はカラー及びフォルスカラーであるが, これらの写真の縮尺は一定せず平行交軸にもならない。このような写真を解析するために写真の解析理論に岡本厚による理論を用いている。解析の結果算出された山腹工施工地の三次元座標はメッシュデータに変換され, フォルスカラー写真をスキャナーにかけて測定した各分光イメージデータとマッチングされる。最終的に, 各分光イメージデータの放射特性を解析して土地被覆分類を行いそれを三次元座標上に表示することで, 山腹工施工地の被覆状況を捉えることを試みた。
  • 林分構造とコナラの個体群特性
    西村 尚之, 山本 進一, 千葉 喬三
    1990 年 16 巻 1 号 p. 8-17
    発行日: 1990/10/05
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    成熟した都市近郊コナラ (Quercus serrata) 林内に面積0.92haのプロットを設け, 毎木調査 (胸高直径cm) を行い, その構造を調べた。コナラは相対密度43.1%, 相対胸高断面積合計71.5%で調査林分の優占樹種であった。主な樹種の胸高直径分布は正規型, 逆J字型, L字型を示した。低木層ではヒサカキ (Eurya japonica) が優占していた。コナラには複数の萌芽幹からなる萌芽再生個体と単一幹からなる実生個体とがあり, 生存個体の75%が萌芽再生個体で, その幹数の平均は2.0本, 最多は6本であった。萌芽再生個体と実生個体の平均胸高直径はほぼ等しかったが, 平均根元直径は萌芽再生個体で有意に太かった。根元直径階級が大きくなるにつれて1個体あたりの萌芽幹数の多い個体が多くなり, 階級別の最多萌芽幹数も増加した。萌芽幹と単一幹のどちらも胸高直径が大きくなるにつれて樹高に頭打ちがみられた。萌芽幹と単一幹の齢分布は35-40年にモードをもつ類似の分布を示したことから, 本林分は実生と萌芽のほぼ同時発生により成立したものと考えられる。現在, 林内にはコナラの後継樹がほとんどなく, 実生の生残率も低いことから, このコナラ個体群は今後衰退していくものと考えられる。
  • 奥村 武信, 段 克勤, 田中 一夫, 仲山 昭彦
    1990 年 16 巻 1 号 p. 18-27
    発行日: 1990/10/05
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    砂地植栽造林への高分子保水剤の適応性を乾燥砂地を想定した水条件下で実験的に検討した。試験内容は, ガラス室内でのクロマツ1年生苗のポット植栽試験とクロマツ2年生苗の砂丘地植栽試験で, 保水剤使用量は前者で乾燥重量比0.05, 0.1, 0.2%後者で0.1, 0.2, 0.3%とし, 前者では3日間隔10mm, 7日間隔20mm, 14日間隔20mmの3種灌水, 後者では天水とした。ガラス室内試験では, 水条件良好の場合混合比による有意差なく保水剤混合による生育促進効果が現われ, 水条件不良の場合高混合比で効果が顕著に現われた。砂丘地植栽試験では, 混合比0.1%の時生育最良で, 高混合比 (0.2, 0.3%) での生育状況は無混合より悪かった。保水剤混合は, 基肥より苗木成長によい効果を与える。水条件が厳しいと施肥・無施肥問の成長差は小さくなるが, 高保水剤混合比でこの差を有意に維持できる。保水剤施与が肥培効果を増強できることが明らかにされた。また, 保水剤混合は地温低下・変動緩和作用ももっ。この効果も高混合比で大きく現われ, 灌水後の日経過に従って若干大きくなった。
  • 名勝雙ヶ岡を事例として
    仲 隆裕, 武居 二郎, 森本 幸裕
    1990 年 16 巻 1 号 p. 28-37
    発行日: 1990/10/05
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    本研究は文化財として市民生活と深くかかわりを持つ名勝地について, その特性をふまえた緑地の管理のありかたを雙ケ岡を事例として考察したものである。
    1988年に行った現況植生調査の結果, 雙ケ岡の樹林は (1) シイ林 (2) アカマッ林 (3) 広葉樹低木林 (4) 落葉広葉樹林 (5) ヒノキ林 (6) スギ林に大別された。あわせて群落調査, 樹木生長量調査およびランドサットTMデータによる樹木活力度調査を行い, 今後の樹林管理指標を考察した。1981年の植生調査に比して特にアカマツ林の衰退が目立ち, この衰退したアカマツ林はソヨゴ・リョウブを主体とした林に移行しつつある。現状ではこの林は雙ケ岡の眺望地点としての特性を阻害し, また眺望される景としても季節感に乏しい林となっている。そこで, ソヨゴ等低木林の林分密度を調整し, 在来のモチツツジの育成を図るなど, 名勝としての雙ケ岡再生案を提示した。
  • 康乗 栄治, 竹藤 正俊, 松枝 功喜, 杉本 正昭, 石原 利章, 清原 正高
    1990 年 16 巻 1 号 p. 38-51
    発行日: 1990/10/05
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    緑化計画を支援するために人工知能のうちエキスパートシステムを用いて緑化計画作成支援システムを構築した。このシステムはハードウエアとして日本・データゼネラル社のエンジニアリング・ワークステイションDS-7501, ソフトウエアとしてエキスパートシステム構築用ツール「ZEUS-II」および三次元CADツール「TEO/3D」を使用した。本システムは景観シミュレーションサブシステムと緑化計画サブシステムの2つのサブシステムから構成されている。景観シミュレーションサブシステムは, データベース機能, 図形処理機能等を持っており, 緑化計画作成支援システム全体をメニューを使うことにより管理している。このサブシステムは計画地域の周辺環境入力, 図形表示等の機能を持ち, 周辺環境等の属性入力を受け付け緑化計画サブシステムにデータを渡す作業および緑化計画サブシステムから推論結果を取り込み, 完成予想図を出力し検討する作業を行なうシステムである。緑化計画サブシステムは計画に必要な樹木の性質データ, 自然植生データ, 緑化機能関係データ, 植栽パターン等各種データおよびルールを持っており, これらを用いることによって推論を行ない, ユーザが希望する植栽樹種, 本数, 配植パターンを決定する作業を行なうシステムである。
  • 吉田 寛
    1990 年 16 巻 1 号 p. 52-55
    発行日: 1990/10/05
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
  • 山本 富晴, 玉木 和之, 山田 守, 堀江 直樹
    1990 年 16 巻 1 号 p. 56-59
    発行日: 1990/10/05
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
  • 日本緑化工学会の当面の方向を考える
    小橋 澄治
    1990 年 16 巻 1 号 p. 60-61
    発行日: 1990/10/05
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
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