日本緑化工学会誌
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16 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 林 拙郎
    1990 年 16 巻 2 号 p. 1-8
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    以前に筆者は, クーロンすべり面を考察するにあたって, 主働域や受働域の区切面を斜面に垂直としたことがある。本報では, その区切面を鉛直とし, こうしたときのすべり面の角を, 既報と同様クーロンタイプの解析法を用いて求めた。これより, クーロンタイプの解析法による傾斜地盤のすべり面角が, ランキン塑性応力場におけるすべり面角に一致することが示された。求められた主働側すべり面の角は, 斜面傾斜角が小さいところで実験値と一致する。斜面傾斜角の大きい場合に対し, 実験時の崩壊形状を考慮したすべり面を設定して, 同様の解析法を行った。この方法によるすべり面の角は, 広い範囲で実験値に適合している。
  • 陶山 正憲
    1990 年 16 巻 2 号 p. 9-16
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    都市林や都市近郊林は, わが国では関西地方ならびに首都圏に比較的多く分布しているが, これらの森林は, しばしば保安林の役目も果たしている。近年, わが国では保安林と都市近郊林の造成・整備・管理技術の向上が強く要請されている。このような現状に鑑み, まず第一に都市及び都市近郊地区に分布する環境保全林が, 議論の対象に取り上げられた。そこで, 樹木根系による生物工学的な斜面安定機構を解明するため, まず樹種による樹木根系の引張強度の変化が比較検討された。一方, 孤立木からの距離による土のせん断強度の低減率の比較や, 各立木間の中間点における土のせん断強度の分布などが, 京都の都市林について検討された。これらの研究成果は, 都市周辺に存在する森林の保全機能を高度に利・活用する場合に有効な, 一つの実用的な環境保全林施業法のとなろう。
  • Laru SAMARAKOON, 岸原 信義, 小川 滋, 井上 章二, 戎 信宏
    1990 年 16 巻 2 号 p. 17-26
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    林野火災の被火地を含むエリアを対象に, ランドサットTMデータの (Band 4 Band 3)/(Band 4+ Band 3) で表されるNDVI を指標として, 森林植生とその変化について検討した。使用したTMデータは, 火災前年, 火災直後および火災5年後の同じ季節のものである。その3時期のデータを重ね合わせ, 土地利用図からサンプルを抽出し火災前年のNDVIを求めると, 森林は他の土地利用と明確に異なる値域を示し, 火災直後ではその一部の値が大きく変化しており, 火災地域の検出が可能であることが判明した。そこでまず, 火災直後の空中写真から燃焼程度を3段階に分類した燃焼程度分類図を作成した。分類図から任意にサンプルを抽出し, 燃焼程度別のNDVI値域を求め, 対象地域全体を分類した結果, 適合率は73%と良好な結果が得られた。次に, 火災5年後の空中写真から被災地の植生回復度を4段階に区分し, 燃焼程度分類と同様の方法でNDVIによる分類を行った結果, 適合率は73%であった。さらに, 3時期のNDVI値の増減パターンにより, その地点の植生被覆の経時変化の様態を分類すると, 空中写真による分類と一致し, 植生の変化状態を空間的に表すことが可能となった。
  • 櫻井 三紀夫
    1990 年 16 巻 2 号 p. 27-32
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    地球規模で進行している砂漠化を抑制し, 砂漠の緑地化を促進するための大規模潅漑システムとして, 内陸砂漠地帯に人工海水湖を形成しその周辺に海水淡水化設備を設置して灌漑・緑地化を行う方式を提唱する。人工海水湖を形成する理由は, 海水淡水化して, 内陸に供給する方式に比べて次の点で有利だからである。(1) 淡水化設備や蒸留用熱エネルギーに投資する前に, 早期に低コストで内陸に水を送れる。(2) 内陸での自然蒸発により海水湖周辺の湿潤化, 雨量の増加が期待でき, 淡水化設備の建設よりも早いペースで淡水総量を増大できる。(3) 淡水化設備を利用価値の低い砂漠地帯に置くことにより, 海岸部の高価値地域の占拠面積を縮少できる。このような考え方に基づき砂漠灌漑システムの基本構想を検討し, 次の事項を明確化した。(1) 人工海水湖は盆地状岩盤地帯に形成すべきこと, (2) 海水湖形成過程での自然蒸発促進のため水路方式あるいは広域散水方式の採用が望ましいこと, (3) 500km2 (琵琶湖程度) の湖水域に年降雨量500mm相当の海水を供給し, 50km2の緑化地帯に年降雨量1000mm相当の淡水を供給するシステムの仕様を試算した結果, 構成単位システムとして実現性ありと判断された。
  • 阿江 範彦, 養父 志乃夫
    1990 年 16 巻 2 号 p. 33-38
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    造成地では, これまで, 表土や樹木の大半が捨てられたり焼却処分されてきた。これらの資源を有効に活用する手法を検討するために, 伐採後に残った根株を対象にして, 敷地内において移植試験を行い, 活着の動向を追跡調査した。その結果, コナラ, エゴノキ, クリ, ヤマザクラの根株では60%程度, ヤマツツジでは80%以上の活着率を示した。また, 幹径の大きな根株よりも小さい根株の方が活着率が高く, 5月, 7月の移植よりも, 3月, 4月の移植の方が活着率が高かった。根株移植のコストは, 幹枝葉を伴った樹木移植の1/20から1/40ほどであった。
  • 本山 和法
    1990 年 16 巻 2 号 p. 39-41
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
  • 番匠 康夫
    1990 年 16 巻 2 号 p. 42-43
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
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