日本緑化工学会誌
Online ISSN : 1884-3670
Print ISSN : 0916-7439
ISSN-L : 0916-7439
17 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • ノコンギクの種子発芽特性と挿し木による増殖ならびに群落の刈取り時期について
    近藤 哲也, 前中 久行, 高橋 理喜男
    1991 年 17 巻 4 号 p. 193-202
    発行日: 1992/05/15
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    野生草花の緑地への導入に対する技術的手法を明らかにするために, ノコンギクを材料として種子の発芽特性と挿し木による増殖の可能性, そして群落を美しく維持するための刈取り時期について検討した。
    ノコンギクの種子は暗条件下でも15~25℃ でよく発芽し, 明条件下なら30℃ でも高い発芽率を示した。また, 25℃ 以下で乾燥貯蔵しておけば, 種子の発芽能力を1年間はほぼ保持できた。したがって, 播種後の水分が確保できるならば, 播種適期は広いと判断される。ただし春に播種するとその年の秋には開花させることができた。さらに適切に水管理された挿し木実験では, 発根促進剤を用いなくとも90%以上の発根率が得られ, 挿し木による増殖も容易であると思われる。群落を年1回7月初旬あるいは年2回6月初旬と8月初旬に刈り取ると, 花数を十分に確保でき草丈も20~30cmに抑制できた。しかし, 9月初旬刈では花数は極端に少なくなった。種子の発芽適温と低温湿層処理の効果を考え併せると, 野外で12月に自然散布された種子が冬季を経た後早春から一斉に発芽することで群落の更新が行われると予測される。また地下茎によっても増殖することなどが明らかとなった。
  • 吉川 賢, 王 林和
    1991 年 17 巻 4 号 p. 203-212
    発行日: 1992/05/15
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    土壌の水分条件を人工的に調整しながら3年間生育させたアカマツ (Pinus densiflora), スギ (Cryptomeria japonica), ハイネズ (Juniperus conferta), アラカシ (Quercusglauca), ケヤキ (Zelkova Serrata), および中国の乾燥地帯原産の檸条 (Caragana korshinskii), 花棒 (Hedysarum scoparium), 楊柴 (Hedysarum mongolicum) の8樹種について, 切り枝の蒸散量を測定し, 生育時の水ストレスが気孔蒸散, クチクラ蒸散に与える影響について調べた。どの樹種についても, 生育期間中の水ストレスが高いほど, 気孔蒸散速度は遅かった。気孔を閉じるまでの時間はどの樹種でも処理による違いはほとんど認められず, それぞれの樹種でほぼ一定であった。なかでもアカマツの新葉とハイネズが比較的長くかかり, アラカシ, ケヤキ, スギが速かった。クチクラ蒸散は, 樹種によって処理区間での違い方は異なったが, アカマツとアラカシを除くいずれの場合も, 生育中の土壌が乾燥しているほど少なくなった。生育時の水ストレスは, アカマツの新葉とアラカシの気孔蒸散速度に影響し, ケヤキ, スギではクチクラ蒸散速度に影響した。一方, アカマツの旧葉, ハイネズ, 梓条という耐乾性の樹種では気孔蒸散速度, クチクラ蒸散速度の両方に影響した。
  • 鈴木 貢次郎, 山室 陽子, 近藤 三雄
    1991 年 17 巻 4 号 p. 213-223
    発行日: 1992/05/15
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    成長抑制剤の草丈抑制や雑草制御, 開花促進等の特性に着目し, ワイルドフラワーによる緑化で頻繁に用いられているコスモス “センセーション”(Cosmos bipinatus Cav. “sensation” ), キバナコスモス (Cosmos sulphureus Cau.), ルドベキア (Rudobeckn hirta L.), ハルシャギク (Coreopsis tinctoria Nutt.) の4種の草種に対して草丈抑制による美観の向上, 倒伏防止, 雑草の制御, 開花促進, 花の終了後の刈込み労力・量の軽減化を図るため, Dikegulac-sodium (アトリナール), Flurprimidol (グリーンフィールド), Paclobutrazol (バウンティ) の3種の成長抑制剤をそれぞれ2段階の濃度に設定した散布実験を行った。その結果, コスモス “センセーション” については, いずれの成長抑制剤の種類, 濃度でも効果は顕著にみられなかった。キバナコスモス, ルドベキア, ハルシャギクについてはグリーンフィールド0.2g/m2または0.1g/m2, バウンティ0.4ml/m2のいずれかの種類で散布すると, ぼらつきの小さいまま, 草丈を52.8-77%に低く抑え地面を緻密に覆うような生育状態を示した。また, 着花数を多くしたり, 観賞期間を延ばすことも明らかになり, 雑草の生育を抑えることも確認された。
  • 島田 緑子
    1991 年 17 巻 4 号 p. 224-235
    発行日: 1992/05/15
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
  • 軽量盛土材の締固め特性と高麗芝の生育調
    塩田 耕三, 喜田 大三, 杉本 英夫
    1991 年 17 巻 4 号 p. 236-243
    発行日: 1992/05/15
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    都市空間の高度利用の一手法として, 建造物の直上に人工地盤を造成し, 緑化空間を提供する手法が注目されてきている。その人工地盤上の盛土の軽量化が, 施工中あるいは供用中の土層を過度に締め固め, 植生に悪影響を及ぼすことが懸念される。その実態を明確にするために, 関東ロームの表土 (黒ぼく) を基材とし, 各種の軽量な土壌改良材を添加した材料を用い, 室内締め固め試験と屋外の人工地盤のモデル土槽を使っての盛土試験を実施した。また, モデル土槽を芝に適当な土壌硬度で造成し, コウライシバを天水条件下で生育させるために必要な最小土層厚を明確にする目的で芝の生育調査を行った。
    その結果, 軽量化した土層の締め固め特性と粒子破砕の実態ならびに平成2~3年度 (1990~1991) の夏期の高温小雨の悪条件下で, コウライシバを生育させるための土層厚と各種軽量土壌改良材の改良効果を確認することができた。
  • 坂本 圭児
    1991 年 17 巻 4 号 p. 244-253
    発行日: 1992/05/15
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
feedback
Top