日本緑化工学会誌
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19 巻, 3 号
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  • 櫻井 彰人, 新谷 融, 柳井 清治
    1993 年 19 巻 3 号 p. 147-158
    発行日: 1994/02/14
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    1929年に大規模な火山噴火を起こした北海道西南部駒ケ岳山麓の火砕流堆積地において, 噴火後60年間の植生回復の過程と, 1963年から始まった木本導入施工地における生長成績から, 人為の植栽が森林復元に及ぼす意義に関して検討を行った。調査の結果, 再生林は先駆性広葉樹であるヤナギ類, カンパ類, ヤマナラシおよびドロノキの3m以下の矮性林と, 移入樹種であるカラマツの稚樹群から構成されていた.年輪解析から, 噴火後侵入してきた広葉樹類に変わってカラマツが優勢を占めつつあるが, 森林化するまでにはまだ長い時間を要することがわかった.次に, 植栽工施工地でクロマツ, ハンノキ, シラカンバおよびカラマツの主要導入樹種について成績を調べたところ, カラマツは最も生長がよく最大樹高で10mに達し, ハンノキ, クロマツもこれに次ぐ成績であるが, シラカンバは極めて成績が悪かった。クロマツ, ハンノキ, シラカンバは風倒, 幹折れなどの損傷が著しい。また, 林内には周辺からミズナラ等の侵入がみられた。土壌化に関しては, 主にケヤマハンノキにおいて, 経過年数の長いものほど, 土層厚, 全炭素・窒素ともに高い値を示していた。以上のことから再生林と比較して, 木本を導入することにより早期に森林を造成するという目標は達せられたと考えられた。今後は, 衰退しつつある導入林をより安定した広葉樹林へと導くことが大きな課題である。
  • Nizar NASRULLAH, 三沢 彰, 立本 英機, 金 学永
    1993 年 19 巻 3 号 p. 159-165
    発行日: 1994/02/14
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    沿道植栽木の樹葉による大気浄化効果を明らかにするため, 風洞を用いて, マテバシイ, シラカシ, キョウチクトウおよびクロマツの4樹種を対象にして, 暴露実験を行い, 葉による粉塵付着量を測定した。またフィールドにおいてマテバシイおよびクロガネモチの葉による金属 (Zn, Ca, Mn, Fe) の付着量を調査した。
    風洞実験結果はクロマツ, キョウチクトウ, マテバシイ, シラカシの順に粉塵付着量が低下した。粉塵付着量は葉面の構造の影響を著しく受け, 気孔, 葉毛, 凹凸のある複雑な葉面構造, 粘着性を持つ樹種の葉による粉塵付着量が多かった。また風速が大きくなるほど付着量も増加したが付着量の増加率が樹種によって異なり, クロマツの付着量の増加率が高かった。フィールドにおいてマテバシイの金属付着量は当年葉より旧年葉の方が多かった。それは旧年葉の方が当年葉より大気に暴露されている期間が長かったためと思われる。金属付着量の季節変化パターンは大気中浮遊粒子状物質濃度より降水量の影響を著しく受け, 全体として降水量が少ない時期に粉塵付着量は増加した。
  • 新村 義昭, 張 文軍
    1993 年 19 巻 3 号 p. 166-173
    発行日: 1994/02/14
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    中国・内蒙古自治区の毛鳥素沙地において, 越冬期間中に家畜の飼料として供される葉量を推定するための基礎資料を得る目的で, 大枝直挿し造林で導入された旱柳の幹末口の直径と萠芽枝数およびそれぞれの直径とを測定した。研究対象林は毛鳥素沙地開発整治研究所中心 (センター) および附属東試験地にある防護林である。その結果, 1) 東試験地区の幹末口の直径階分布は狭く, かつ正規分布をしていたが, センター区では広く分散していた。すなわち前者の区では一斉的に生育し, 後者の区では何らかの原因で細い幹を持っ個体から太い幹の個体まで混在していた。2) 二番枝数は一番枝数から萠芽するが, 前者の本数が後者の本数よりも多かったことから, 家畜飼料としての採集量は, 二番枝の方が多いことが示唆された。3) 一番枝と二番枝に分けて枝断面積合計と幹末口断面積との比を算出した結果, 前者の方が後者に比べて大きく, 前者の方がより良質な木材が収穫されることが明らかになった。以上のことから, 枝の本数や番数は幹の末口直径の大きさと関係があることが示唆された。
  • 乾燥度と沙漠の成因
    吉川 賢
    1993 年 19 巻 3 号 p. 174-184
    発行日: 1994/02/14
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    地球の環境問題が抱える大きなテーマのひとつに沙漠化があげられる. 沙漠化の問題は沙漠を理解するところから始まる. しかし, 沙漠と沙漠化は本質的に違うものであることがなかなか理解されないため, サハラ沙漠を緑の平原にすることが沙漠緑化の究極の目的であるような錯覚が大手を振ってまかり通ることになる. 半乾燥地が不毛の土地になる沙漠化の抱える問題を明らかにするために, まず地球上で最も乾燥したところ-沙漠の成因と分布などについてまとめてみた。
  • 小橋 澄治, 中島 皇
    1993 年 19 巻 3 号 p. 185-192
    発行日: 1994/02/14
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
  • 関東地方の自治体のアンケート結果
    飯島 健太郎, 鈴木 貢次郎, 高橋 新平, 近藤 三雄
    1993 年 19 巻 3 号 p. 193-198
    発行日: 1994/02/14
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
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