日本緑化工学会誌
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23 巻, 3 号
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  • 鈴木 貢次郎
    1997 年 23 巻 3 号 p. 131-141
    発行日: 1998/03/31
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    緑化用植物の生産技術向上のため, また, 緑化工採否の可能性を探る目的で, ミソハギ (Lythrum anceps), ハナトラノオ (Physostegia virginana), キキョウ (Platycodon grandifloruns) 3種の種子の発芽と温度および明暗条件との関係について数種の実験を行った。ミソハギの種子は, 10℃ から15℃ の間よりも20℃ から30℃ の間で高い発芽率が得られた。また, 強い明発芽性を示した。明条件でもまた全般に発芽率の非常に低かった暗条件下においても, 冷温, GA3と冷温の併用ならびに変温の各処理に発芽促進効果があった。水中でも90%内外の発芽率が得られた。ハナトラノオの種子はどの温度区でも明暗条件ともに発芽率が低く, ばらつきも大きかった。発芽促進処理のうち, 変温処理とGA3処理とに効果が認められた。光条件と発芽との関連は認められなかった。キキョウの種子は概ね明発芽性を示し, 15℃ 以上の温度条件であれば安定して高い発芽率が得られたが, 採取後6ケ月ごろになると明暗条件の差はほとんど認められなくなった。また, 変温処理やGA3処理によってさらに高い発芽率が得られた。
  • 青木 明日香, 千家 正照, 西村 眞一, 牧 隆
    1997 年 23 巻 3 号 p. 142-152
    発行日: 1998/03/31
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    本研究ではペーパー新素材のマルチングボードを用いて, 土壌水分の乾燥防止効果を実験によって確認した。とくに, マルチング面積と根群分布相当域の乾燥防止効果の関係を明らかにするとともに, マルチングが潅漑水の浸透に与える影響も検討した。その結果, 以下のことが明らかになった。1.日本の夏季のように蒸発強度が高い場合 (約5~6mm/d) でも, 直径100cmのボードを設置することによって, 主根群分布相当域 (深さ30cm, 直径60cm) の土壌水分減少量は裸地の場合の56%に抑制することができた。2.直径が60~100cmのボードを設置しても, ボード被覆外の圃場面から浸透した水は8時間でボード中心まで到達することができた。
  • 遷移初期における植物の自然侵入特性
    楊 喜田, 北澤 秋司
    1997 年 23 巻 3 号 p. 153-160
    発行日: 1998/03/31
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    1984年, 長野県西部地震により大規模な崩壊地が御岳山に発生した。1986年, 地震荒廃地における森林の成立過程を知るため, 6箇所に調査プロットを設置し, 8年間の地震荒廃裸地における植物の自然侵入状況を調べた。その結果, 地震荒廃地における草本植物, 木本植物の侵入種数は, 両者とも経過年数に従って増加し, その侵入は, 周辺林地までの距離との間に, 明らかな負の相関が認められた。草本植物, 木本植物の侵入個体数は経過年数に従って増加したが, 木本植物の侵入個体数には, 年度による差が大きく, また, 当年生稚樹の枯損が多くみられた。ヤナギ属, カバノキ属のような先駆樹種は出現頻度が高く, 経過年数に従って個体数は増加した。先駆樹種以外のヒノキ, サワラなどは, 出現頻度が低く個体数も少なかった。また, ヒノキ, サワラは侵入しても, 何らかの原因で枯損し, ほとんど定着しないことを認めた。従って, 地震荒廃地のような厳しい立地条件下では, 厳しい環境条件を緩和する対策を講じ, 積極的に先駆樹種の導入を行う必要性があると考えられる。
  • アブドゥルザデイ アーマツド, 嶋 一徹, 千葉 喬三
    1997 年 23 巻 3 号 p. 161-169
    発行日: 1998/03/31
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    法面緑化牧草3種類 (Lolium multiflorum, Lolium perenne, Festuca arundinacea) についてナトリウム濃度0, 50, 100, および150mMの条件で溶液栽培して, 生長速度, ナトリウム蓄積ならびに窒素代謝から耐塩性を比較した。その結果, LoliumよりFestuca耐塩性が高いことが明らかになった。Loliumに比べてF.arundinaceaでは, 栽培溶液のNaCl濃度の増加にともなう光合成速度の低下と乾重の減少がみられた。塩分濃度の増加にともない植物体内のナトリウムイオンと塩素イオンの増加が認められた。2種類のLoliumでは, 地上部へのナトリウムイオンと塩素イオンの蓄積がみられたが, F. arundinaceaでは地上部へのナトリウムイオン蓄積がほとんどみられなかった。栽培溶液の塩類濃度の増加にともなって植物体内のカリウムイオン濃度に対するナトリウムイオン濃度の比率 (K+/Na+) が減少しており, とくにその減少は2種類のF.arundinaceaに比べLoliumで顕著であった。2種類のLoliumの全窒素と硝酸態窒素濃度は栽培溶液の塩類濃度にともない急激に減少していたが, F. arundinaceaではこのような影響が150mM処理のみで認められた。アンモニア態窒素濃度は, いずれの種でも培養液の塩類濃度にともない増加した。これらの結果からFestucaではおそらく塩類の排除機能によるストレス回避の能力を持っているものと推測された。Lolium2種ではこのような機能が存在しないと考えられた。以上の結果から, 塩類土壌における牧草類を用いた緑化にFestucaの適応が可能であることが示唆された。
  • 坂本 英光, 福島 吉彦, 沈 益新, 野崎 牧代, 池田 一
    1997 年 23 巻 3 号 p. 170-177
    発行日: 1998/03/31
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
  • 東海林 知夫
    1997 年 23 巻 3 号 p. 178-180
    発行日: 1998/03/31
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
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