日本緑化工学会誌
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23 巻, 4 号
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  • 倉本 宣
    1997 年 23 巻 4 号 p. 203-210
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
  • 山中 典和, 王 林和, 吉川 賢
    1997 年 23 巻 4 号 p. 211-219
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2011/06/07
    ジャーナル フリー
    中国内蒙古自治区の毛烏素沙地において, 臭柏の種子散布および更新機構のメカニズムを明らかにする目的で, 種子生産と埋土種子に関する調査を行った.固定砂丘の低地部に生育する臭柏のパッチの方が固定砂丘の尾根部のものに比べ種子生産量が多い傾向がみられた.埋土種子は臭柏の樹冠下のみに存在し, 群落の外に出ると埋土種子はほとんど見つからなかった.樹冠下の平均埋土種子量は固定砂丘の低地部では2600-4800個/m2で, 尾根部では567-1575個/m2であった.しかし, 見つかった埋土種子の大部分は死亡した種子で, 生存種子の割合は低地部で2.9-3.8%, 尾根部で4-8.8%であった.実生は地下水面までの距離の短い固定砂丘低地部の樹冠下のみで認められ, このような立地は発芽に好適な場所であると考えられた.
  • 西村 尚之, 大田 武志, 坂本 圭児, 千葉 喬三
    1997 年 23 巻 4 号 p. 220-227
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    光条件 (相対照度13%, 10%, 30%) と土壌水分条件 (土壌含水率: 5%, 10%, 20%) がコナラとアベマキの実生の成長に及ぼす影響を明らかにするために実験を行った.コナラの実生の発生率は土壌水分5%区で他の処理区に比べても, また, アベマキに比べても有意に低かった.実生の発生開始日から発生完了日までの期間は, 両樹種とも土壌水分20%区で最も短かった.両樹種の実生の生存率は処理区間や樹種間による違いはなかった.両樹種の各器官の乾重は相対照度が高くなるほど, また, 土壌含水率が高くなるほど大きくなる傾向があった, 土壌含水率が20%から10%に減少すると, コナラでは各器官の乾重の減少割合が小さかったのに対して, アベマキではその減少割合が大きかった.コナラでは相対照度が低下してもT/R比や葉の乾重の割合はほぼ一定であったのに対して, アベマキでは相対照度が10%から3%に低下するとT/R比や葉の乾重の割合が増加する傾向があった, また, 両樹種とも土壌含水率が低くなるほどT/R比や葉の乾重の割合が減少する傾向があったが, コナラでは土壌含水率が20%から10%に低下した時の減少割合は小さかった.
  • 森本 淳子, 吉川 賢
    1997 年 23 巻 4 号 p. 228-236
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    慢性の水ストレスが樹木の葉の成長に与える影響を調べるため, アラカシ, コナラ, ケヤキの2年生苗のれき耕栽培を行い, 約1年間にわたりPEG処理による水ストレス (-0.04MPa, -0.30MPa) を与えた.その結果, 樹種によって異なる反応様式がみられた.アラカシでは数量的・生理的な影響があらわれ形態的な影響は見られなかったが, コナラとケヤキでは全てに影響があらわれた.これらの影響は水ストレスの大きさによって異なる程度で現れた.
    アラカシは, -0.04MPa区では, 旧葉の葉緑素量を維持しつつ, やや葉緑素量の低い新葉を展開したが, -0.30MPa区では, 旧葉が急速に落葉し, 高い葉緑素量を持った新葉への転換が進んだ.新葉の伸長速度と葉のサイズには, 水ストレスの影響は見られなかった.コナラとケヤキでは, 旧葉の寿命が長くなり, 新葉の展開が抑制された.新葉の伸長速度は低くなり, 葉長は短くなった.新葉の葉緑素量は低くなった.これらの形態的・生理的な反応の閾値はコナラの方がケヤキより低いストレスレベルにあり, 水ストレスに対するより高い感受性を示した.
  • アブドゥルザデイ アーマッド, 嶋 一徹, 千葉 喬三
    1997 年 23 巻 4 号 p. 237-248
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    アンモニア態窒素と硝酸態窒素の窒素源の違いが, キョウチクトウの塩化ナトリウムストレス条件下における成長, 植物体イオン濃度および水収支に及ぼす影響を調べた.実験はガラス室内の半自動制御の砂耕栽培装置を用いて行った.その結果, 窒素源がアンモニア態より硝酸態の方が耐塩性が高いという結果が得られた.全乾重, 葉面積および葉数は硝酸態よりアンモニア態窒素を与えたもので明らかに減少していた.アンモニア態窒素を与えたものでは, 塩化ナトリウム処理を行うと葉と枝のナトリウムおよび塩化イオン濃度が高くなっていたのに対して, 硝酸態窒素を与えたものでは, これらのイオンが根系に蓄積されていた.これに加えて, アンモニア態窒素処理では, 葉, 枝におけるカリウムイオン/ナトリウムイオンおよびカリウムイオン濃度が減少していた.硝酸態窒素処理では, 塩化ナトリウム処理に伴う浸透圧調整機能が速やかに行われていたが, 葉における単位面積あたりの含水量には違いは認められなかった.これらの結果は, 硝酸態窒素を与えた場合, 葉におけるナトリウムおよび塩素イオンの濃度を下げてストレスを回避していることを示している.これに対して, 結果的にアンモニア態窒素を与えた場合には, 獲得したエネルギーを乾物生産から葉における高いナトリウムおよび塩素イオン濃度の維持のために消費すると考えられた.
  • 西田 顕郎, 小橋 澄治, 水山 高久
    1997 年 23 巻 4 号 p. 249-255
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    火砕流堆積によって荒廃した雲仙普賢岳山腹斜面において, 航空緑化工による斜面安定化が図られている.その効果を調べるために, 緑化工によって草地化した斜面と裸地状態の斜面で, 降雨時の表面流流出と土砂流出を観測した.5回の降雨について観測した結果, 緑化された斜面は裸地斜面に比べて, 表面流の発生量が1/3程度, 流出土砂濃度が1/2以下であり, 従って土砂生産量は1/6以下であることが示唆された.
  • 森本 幸裕, 村田 辰雄, 若井 正記
    1997 年 23 巻 4 号 p. 256-262
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
  • 沈 益新, 池田 一, 伊藤 浩司, 野崎 牧代
    1997 年 23 巻 4 号 p. 263-267
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    センチピードグラス [Eremochloa ophiuroides (Munro) Hack.] の市販系統 (以下, 市販系) と中国の自生系統 (中国系) および米国の選抜系統 (米国系) の生育特性について比較試験を行い, 芝草としての利用特性について考察を加えた.中国系は市販系に比べ, 初期生育が速く, 匍匐茎の発生および伸長生長も速いため, 芝生の造成または法面の被覆が速く, また, 葉身長と葉幅が小さく, 草高が低いため, 良質な芝生が形成されるものと推察された. 一方, 米国系は他の2系統より匍匐茎の発生と生長が遅いが, 匍匐茎の節間が短く, 葉身が比較的細いので, 緻密な芝生が形成されると考えられた.南九州では供試3系統とも種子生産が可能であるが, 種子生産性は中国系および米国系とも市販系より低いことが示唆された.耐寒性については, 中国系と米国系が市販系より高い傾向を示したが, 南九州の自然条件下では10月中旬に播種し, 初霜までに主茎に5-6葉のみを展開した幼植物体の越冬は難しい場合があるので, 越冬時には少なくとも主茎葉数が7-8葉以上になるよう, 9月下旬までの播種が望ましい.
  • 東海林 知夫, 阿部 昌宏
    1997 年 23 巻 4 号 p. 268-270
    発行日: 1998/06/30
    公開日: 2011/02/09
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