日本緑化工学会誌
Online ISSN : 1884-3670
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25 巻, 2 号
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  • 反町 雄木
    1999 年 25 巻 2 号 p. 86-90
    発行日: 1999/10/31
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
  • 武田 一夫, 岡村 昭彦
    1999 年 25 巻 2 号 p. 91-101
    発行日: 1999/10/31
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    寒冷地にある自然の斜面がミヤコザサによって保全されていることに着目し, ササを使った法面保護工を開発するため, 北海道東部の海岸地区と森林地区のササ地で4年間冬季凍上観測を行い, ササが形成する熱環境を調べた。ササが繁茂して密生するほど凍結深と凍上量は減少し, 密生地でのひと冬の最大凍結深は裸地の54%-27%であった。これはリター (落葉, 落枝) 層による断熱効果によるものと仮定して, 熱伝導率を試算した。その結果, 熱伝導率が市販の断熱材 (例えば, ポリスチレンフォーム) に近く, 断熱性能のあることが示された。ひと冬を通してみたササ地は, それ自体の断熱性能や積雪保持によて, 少なくとも厚さ5cm程度の断熱材に相当する断熱効果をもたらすと思われる。特に, 風の強い海岸近くのササ地で, その効果が大きくなった。また, 地下にあるササの越冬芽の耐寒温度は-10℃ であるが, 深さ10cmの地温が裸地では最低温度-14.4℃ まで下がったのに対して, 密生地では-2.6℃ までしか下がらず, ササは自ら生育に適した環境をっくり出していることが確認された。
  • 星子 隆
    1999 年 25 巻 2 号 p. 102-114
    発行日: 1999/10/31
    公開日: 2011/02/09
    ジャーナル フリー
    高速道路のり面への木本植物の侵入パターンを明らかにするために, 施工後32-33年経過した無管理の名神高速道路ののり面で, 植生と土壌の調査を行った。
    施工後32-33年も施工後13-14年に優占していたアカマツとヤシャブシがまだ優占していたが, 出現種は大幅に増加していた。群落は周辺に存在するモチツツジ-アカマツ群集の標徴種であるモチツツジやネジキ, シャシャンボ等のツツジ科の木本類を持つ群落と持たない群落に分化していた。しかし, アカマツとヤシャブシの新たな侵入はなく, 現在生育している個体が枯死した後は, 他の木本種が優占する群落に遷移することが示唆された。のり面土壌の腐植含有率や全窒素をみると, 周辺のアカマツ群落と同等のレベルまで発達していた。
    侵入した木本種の被度の変化をみると, 鳥によって種子が運ばれる動物散布種が増加しており, 道路のり道の遷移では鳥の役割が大きいことが指摘された。
    これらの調査結果を基に, 高速道路のり面での植生遷移系列と種子散布様式別の木本種の侵入パターンが模式図として取りまとめられた。
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