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吉田 寛
1999 年 25 巻 4 号 p.
305-310
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
フリー
厚層基材吹付工により硬岩法面に導入された外来草本群落とイタチハギ群落の植生遷移の相違を明らかにするため, 本四連絡橋尾道~今治ルートの伯方島において24年間にわたる追跡調査を行った。その結果, 厚層基材吹付工を適用した場合は, 一次植生として外来草本群落よりもイタチハギ群落を造成した場合の方が植生遷移が早まる傾向があり, これまでに報告されている種子散布工等の簡易な植生工法とは異なる植生遷移をすること示唆された。また, イタチハギ群落は外来草本群落と比較して鳥類や小動物の生息環境として働いており, 低木林造成が鳥散布種子や貯食散布種子による常緑広葉樹の自然侵入促進に寄与していることが確かめられた。
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前田 浩之助, 杉山 太宏, 赤石 勝
1999 年 25 巻 4 号 p.
311-316
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
フリー
30年前に切土された関東ロームの道路斜面に自生した傾斜樹木の引抜き試験を行った。樹木の根元直径と引抜き抵抗力の関係は, 主に自然斜面上の樹木に対して行われた既往の試験結果の下限近くに位置した。また, 実測した樹木の引抜き抵抗力から求めた抵抗モーメントと自重による転倒モーメントから計算した転倒に対する安全率は最小で4であった。調査地の切土斜面は樹木根系の発育を阻害する硬さを有しているがこの斜面上に自生した傾斜樹木の転倒に対する安定性を確認した。
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米村 惣太郎, 那須 守, 田澤 龍三, 逸見 一郎, 松原 徹郎
1999 年 25 巻 4 号 p.
317-320
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
フリー
絶滅危倶植物タコノアシ (
penthorum chinense) 群落の保全と復元に関する知見を得ることを目的として, タコノアシの種子・発芽特性及び生育特性に関する検討を行った。その結果タコノアシの種子生産量は極めて多く, 発芽率も高く, 春から秋までいずれの時期でも発芽可能なことが分かっ鳥ただし発芽には光と変温条件が必須であったことから, タコノアシはギャップ検出機構を有する撹乱依存種であると考えられた。またタコノアシの実生は土壌養分の多寡に影響されることが示唆され, 生育適地としてはやや脂沃な土壌を必要とする可能性があると考えられた。タコノアシの増殖方法としては種子を採取し, 実生苗を育成する方法が最も良く, また導入方法として播種法法ポット苗法による導入が可能と考えられた。
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水澤 智, 中本 学, 森本 幸裕
1999 年 25 巻 4 号 p.
321-326
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
フリー
耕作放棄水田に生育する絶滅危惧植物を中心にした低湿地植生を, 土壌シードバンクを用いてオフサイトで復元する手法について研究した。土壌播きだし後の管理を変化させる管理試験区では, 放置区, 乾燥区, 火入区, 草刈区を設置した。その結果, 2年目の種多様性は, 放置区, 乾燥区において高くなるが, 両区では侵入種も増加することがわかった。一方, 火入区, 草刈区では, 2年目の種多様性は高くならないものの, 侵入種が少なく, 今後も現地の現存種の優占する植生を維持できる可能性があった。土壌の播きだし面積を変化させる面積試験区では, 2m
2の小面積区9つと18m
2の大面積区1つを設置した。その結果, 小面積で多数播きだしたほうが, 種数の確保には有効であった。さらに, 現地と同程度の種数を土壌シードバンクから復元することができた。
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竹村 茂雄, 木部 直美, 百瀬 浩, 藤原 宣夫
1999 年 25 巻 4 号 p.
327-332
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
フリー
植栽基盤上に水生植物を植栽した場合, 基盤の種類・水深・栄養条件などの要因が成長に与える影響を調べるため, 1999年7月~10月に, 屋外実験水路において, 水深・栄養条件を変えて, 4種類の異なる植栽基盤 (ヤシ繊維, 合成樹脂繊維, 木繊維, 赤玉土) を用いて5種の水生植物の生育実験を行った。その結果, すべての植栽基盤で水生植物の生育が確認され, 植栽基盤による成長の差は検出できなかった。また, 抽水・浮葉植物では, 貧栄養的な水質条件の場合に基盤に肥料を与えることで, 成長促進効果がみられた。一方, 沈水植物では逆に栄養塩や肥料を添加しない場合の方が生育良好であった。
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直播き, ポット苗植栽, 自生苗の移植の可能性
森本 淳子, 柴田 昌三, 長谷川 秀三, 井上 富美香
1999 年 25 巻 4 号 p.
333-338
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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フリー
京都市近郊の里山二次林を象徴する野生ツツジ類, コバノミツバツツジとモチツツジの直播き・ポット苗植栽・自生苗の移植を野生ツツジ群落の衰退しつつある二次林で行い, その初期成長を調べた。主な結果は以下のとおりである。1) 林外では厚層基材, 林内ではコケを播種基盤とし, 春の早い時期に播種すると播種数に対する実生成立比が高い。2) しかし, そのような条件でも実生成立比は15%以下であり, コケ培地では実生の成長は遅かった。3) 1年生苗の活着率は100%近くあり, 植栽後2年間は順調に成長した。4) 林外に移植された自生苗は特に当年生シュートの生産数が少なく, 移植元との環境の違いが活着を困難にしていると予想された。
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細木 大輔, 米村 惣太郎, 亀山 章
1999 年 25 巻 4 号 p.
339-344
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
フリー
5種類の森林の表土をのり面に撒き出して, 埋土種子の発芽・生育による緑化を行い, 4年間追跡調査を行った。その結果, いずれの表土を用いても被覆率の高い緑化が可能であった。また, 成長の早い木本が生育して, 早期に低木層と草本層の2層の階層構造をもつ郷土種の植物群落が形成されることが明らかになった。さらに, 出現種には表土を採取した森林との共通種があることが確かめられた。のり面に飛来する種子の生活型別と散布型別の割合は, のり面に成立した植物群落のものと異なっており, のり面の植物群落では動物散布型の種が多く出現しているのが特徴的であった。本研究では, 埋土種子を用いてのり面を効果的に緑化できることが明らかになった。
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村上 健太郎, 森本 幸裕
1999 年 25 巻 4 号 p.
345-350
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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フリー
京都市内の孤立林39箇所において, 木本植物の種数, 種組成と孤立林の面積, 孤立度, 形状との関係を調べた。その結果, 種数と面積, Shape Index (Is=P/2√Aπ) との関係は高い正の相関を示した。Isとエッジ種数との相関は1ha以上の孤立林群で高い正の相関を示し, 1ha未満では相関はなかった。この原因を, 1ha未満の小面積パッチではその形状に関係なく, 孤立林全体がエッジ環境にあるためとすると, エッジ幅をほぼ30mと考えることができる。孤立の程度と種数の関係に関しては, 都市内の植栽樹木等の影響により, 明確には相関を示さないが, 形状や面積の条件は孤立林の木本植物の種数, 種組成に直接影響すると考えられる。
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田中 安代, 増田 拓朗, 丸山 宏, 前中 久行
1999 年 25 巻 4 号 p.
351-354
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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フリー
半乾燥地において緑化植物として用いられている植物は, その時間あたりの生産性と水消費あたりの生産効率を重視した植栽計画および利用計画が必要とされる。中国内蒙古自治区オルドス高原で緑化植物として利用される沙柳 (
Salix psammophila) を用いて, 年輪から読みとれる過去の幹直径の成長に着目し, 現在の幹直径, 樹高などの形状と各部分の乾物重よりえられた相対成長関係をもとに, 簡単な成長モデルを作成した。その結果, 立地条件による幹直径の成長にばらつきがあるが, 沙柳の幹収穫は樹齢4~6年程度で行うのが効率的であることがわかった。
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大藪 崇司, 柴田 昌三, 新畑 学, 森本 幸裕, 小橋 澄治
1999 年 25 巻 4 号 p.
355-360
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
フリー
近年, 景観に配慮し, コンクリート擁壁ブロックに植物を導入する事例がみられるようになってきた。同一な植枡および土壌において, 母樹が同じで同一場所で生産された4樹種, アベリア・オオムラサキツツジ・ヘデラカナリエンシス・ヘデラピッツバーグを全国10カ所の南北方向に設置したモデル擁壁に同時に植栽し, 地域毎の成長データおよび気象データを蓄積し, 解析することによって, 擁壁緑化に関する知見を得ることを目的とした。その結果, オオムラサキツツジ・カナリエンシスは北海道において, ピッツバーグは北海道・秋田・沖縄において枯死に至った。樹高成長と相関が高かった気象要因を簡略化することにより得られる因子得点によりD
2Hの推定が可能であることが示された。また, 相対的にみて北側擁壁に植栽された個体が優勢であった。
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佐藤 裕隆, 角田 真一, 野中 晃, 浅野 義人
1999 年 25 巻 4 号 p.
361-366
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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フリー
浄水ケーキを淡色黒ボク土, 花崗岩質岩石風化土 (マサ土) に施用したときの, 土壌の物理性及び化学性に及ぼす影響について調査した。浄水ケーキ施用は, 土壌の保水性にはほとんど影響しなかったが, 透水性の改善効果は, 黒ボク土ではパーライトと同等, マサ土では10~30%(v/v) で最も高く, バーク堆肥と同等であった。また, 化学性については, 無機態窒素及び全窒素が増加し, マサ土ではさらにCa含有量, CECが高まった。クリーピングベントグラスの生育は, 浄水ケーキの施用量が多いほど促進され, 浄水ケーキ由来の窒素の影響と思われた。生育量と植物体無機成分含有量から, 浄水ケーキ20%(v/v) 施用で窒素成分60~70mg/1程度の効果と見積もられた。
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星子 隆, 吉田 裕介
1999 年 25 巻 4 号 p.
367-372
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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フリー
第二東名高速道路の切土のり面への木本値物の侵入予測手法を確立するために, 施工後7~9年経過した東名高速道路ののり面で木本種の侵入状況と周辺環境の調査を行った。数量化II類による多変量解析の結果より, のり面への風散布木本種の侵入に影響が大きい要因として, 母樹林からの距離, のり面の方位, 地質の3項目が抽出された。さらに調査結果をもとに切土のり面を対象にした風散布種侵入予測式が提案されたが, この予測式は約80%の確率で東名高速道路の侵入状況を表しており, 第二東名高速道路ののり面への適用も可能と考えられた。
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篠原 明日香, 林 佳貴, 小林 達明, 高橋 輝昌, 浅野 義人
1999 年 25 巻 4 号 p.
373-378
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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フリー
岩盤のり面緑化のために適切な立地区分を行い, 適当な樹種を抽出するため, 房総低山地に出現する軟岩のり面30ヶ所の植生調査を行い, 植生の成立条件と構成種の生活形態を多変量解析により明らかにした。数量化1類により植生成立条件を解析したところ, 日当たり, 地形, 斜面方位が植生の成立に大きな影響を与えていた。主成分分析により, 植物組成はのり面内ののり肩, のり腹, のり尻という微立地に強く規定され, 外部要因や遷移段階の影響は小さかった。また, クラスター分析により成立植物群落の生活型組成を解析したところ, 岩盤のり面ののり腹には低木で種子サイズが小さく, 葉のサイズは小型の樹種が適していると考えられた
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福井県中池見の法面緑化を事例として
柏原 一凡, 佐藤 治雄, 森本 幸裕
1999 年 25 巻 4 号 p.
379-384
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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フリー
本研究では福井県中池見の環境保全エリアにおいて, 畦畔表土を利用して施工された4タイプの法面施工 ((1) 切土面侵食防止ネット被覆 (2) 切土面ワラマルチング処理 (3) 表土混入厚層基材吹付施工 (4) 表土充填プロックエ) の違いがその後の植生回復に及ぼす影響を3ヶ月間追跡調査した。その結果全施工区を通じて多くの種が出現し, 施工1年目の帰化率が10%で低かったこと, 植生の回復には周辺に良好な種子源の存在が必要なこと, 土壌の乾湿度が植生回復に影響すること, 現地表土混入厚層基材吹付工や現地表土充填ブロックエが有効であるが今後検討すべき課題もあること, などを示した。
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倉本 宣, 辻永 和容, 斉藤 陽子
1999 年 25 巻 4 号 p.
385-390
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
フリー
多摩川河川敷においてカワラサイコの局所個体群が103箇所, ヒロハノカワラサイコの局所個体群が3箇所発見された。両種の分布は細粒堆積物が薄く, 群落高の低い立地に限られていた。芝の堤防法面においては, カワラサイコは生育していたが, ヒロハノカワラサイコは見られなかった。発芽実験の結果, カワラサイコはシャクチリソバの菜の庇蔭による発芽抑制効果および変温による発芽促進効果を持たないのに対し, ヒロハノカワラサイコは両効果を持っていた。カワラサイ二は植被の下でも発芽するのに対し, ヒロハノカワラサイコは植被の下では発芽しないと推測される。この発芽特性の違いが, 芝の堤防法面における分布に影響を与えている可能性がある。
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生花苗沼湿原に自生する4植物種の生育環境
内田 泰三, 西村 さち子, 丸山 純孝, 荒瀬 輝夫
1999 年 25 巻 4 号 p.
391-396
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
フリー
湿生植物を用いた水域緑化が近年数多く試みられるようになってきた。本報では, 湿生植物の生育に配慮した水域緑化について検討することを目的に, その基礎的研究として生花苗沼湿原に自生するヨシ (Phragmites australis), フトイ (Scirpus tabernaemontani), マコモ (Zizanialatifolia), ガマ (Typha latifolia) の生育環境を主成分分析により解析した。その結果, マコモおよびフトイは, 土壌が無機質に富み水位変動が大きい立地に多く生育した。さらに, 両種は海水が流入する立地, 水深が深い立地にも生育した。ガマは, 土壌が有機質に富み水位変動が小さい立地に多く生育した。ヨシは, 土壌の性質や水位変動に規制されず幅広い立地に生育した。
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陣門 泰輔, 佐藤 治雄, 森本 幸裕
1999 年 25 巻 4 号 p.
397-402
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
フリー
本研究では森林表土の持っポテンシャルを評価し, その利用法を検討することを目的とした。大阪府茨木市のアベマキ林, モウソウチク林, 千早赤阪村のシイ林, 泉佐野市のコナラーアオモジ林, 兵庫県西宮市のアカマツ林の森林表土を荒廃地のモデルとした土壌基盤に播きだし, 活性炭素混入, 施肥, 土壌基盤・マサ土との混合, コバノミツバツツジの追加播種などの追加処理を行い, 全木本発芽個体の消長, 高さ・葉張りを追跡調査した。どの森林表土からもアカメガシワなどの先駆木本種の発芽がみられ, 成長を続けた。森林表土播きだしが荒廃地における早期の植生回復に有効であり, 施肥によってより早期の植生回復が望めることがわかった。
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木部 直美, 百瀬 浩, 舟久 保敏, 藤原 宣夫
1999 年 25 巻 4 号 p.
403-408
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
フリー
山地のダム湖面に設置した人工浮島上の植生を4年間に渡って観察した。浮島上の植生被度は設置から3年間増加し続け, 4年目に基盤のヤシ繊維の流亡により減少した。浮島には設置時に5種類の植物が植栽されたが, それらの浮島上での成長は良くなく, むしろ周囲の環境から侵入した種が優占する傾向があった。また, 浮島の植栽は高茎湿生草原の創出を期待するものであったが, ヨシ類の生育は4年目の基盤の流亡と沈降により向上し, 特にツルヨシは沈降箇所で繁茂した。このような観察結果から, 高茎湿生草原の創出を目的としてダム湖に人工浮島を設置する場合, 基盤の設置高さ, 導入植物の栄養適性, 植栽基盤の耐久性に配慮することが必要であると考えられた。
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岩崎 寛, 田邉 良忠, 新村 義昭
1999 年 25 巻 4 号 p.
409-414
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
フリー
シダレヤナギ (SaAix babylonica) の挿し穂を用い, ポリエチレングリコール処理により水ストレス (乾燥ストレス) を与え, さらに挿し穂の条件を変え, 根系発達過程の追跡調査および光合成速度の変化を測定し, 乾燥ストレスが挿し穂に与える影響を調べた。その結果, 水分が充分に供給された場合, 葉量が多いほど挿し穂の活着が容易であったのに対し, 強度の水ストレスを与えた場合は葉量が少ない方が活着に対し有利であった。また, 水ストレスが大きいほど光合成速度の低下にも影響し, 光合成が阻害される傾向が見られた。
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桑田 孝, 酒井 克人, 服部 剛幸, 瀧澤 英紀, 吉川 賢
1999 年 25 巻 4 号 p.
415-420
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
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蒸散活動における樹体内水分の生理的・生態的意義を明らかにするため, 地際で切断された樹体地上部の水分量を無給水状態の広葉樹と針葉樹樹体について調べた。樹体重量と葉の水ポテンシャル, 気孔コンダクタンスを計測した結果, 広葉樹 (アキニレ, クスノキ) では針葉樹 (スギ) に比べて吸水や蒸散によって置き換えられる水分の割合が大きかった。また気孔閉鎖を起こすときの葉の水ポテンシャルはアキニレよりスギで高かった。また, 立木時の葉面積あたりの通水抵抗はアキニレよりスギで著しく大きかった。スギは日中の蒸散によって樹体内に生じた水欠差の影響を受けやすいため, 葉内水分の減少過程の早い段階から気孔を閉じることが示唆された。
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鈴木 裕美, 勝見 典子, 小林 達明, 長谷川 秀三, 新井 雅夫
1999 年 25 巻 4 号 p.
421-426
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
フリー
千葉県小櫃川・小糸川流域の民家において, ミツバツツジ類植栽木の生育状況と自然発生実生の調査を行った。ミツバツツジ類はヤマツツジより樹勢が悪かった。数量化理論1類の解析結果より, キヨスミミツバツツジは排水良好で低温多湿の壌土のところ, ミツバツツジは排水良好の埴壌土で西日を遮るものがあるところ, ヤマツツジは根系が制限されない立地で, 低温多湿の酸性土壌が生育に適した環境であるということがわかった。また, 実生はターフ型のコケ上に多く分布しており, ミツバツツジ類は半日陰の壌土か埴壌土のところ, ヤマツツジは日陰で壌土のところで発芽・更新するということがわかった。
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斎藤 方嗣, Al Abbassi TARIK, 山本 福壽, 吉川 賢
1999 年 25 巻 4 号 p.
427-430
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
フリー
サウディ・アラビアの紅海沿いの山脈に成立するJuniperus proeraの枝の伸長成長と幹の肥大成長について4年間測定を行った。伸長成長期間は3月~9月でピークは5月~7月にみられ, 肥大成長期間は3月~11月で8月がピークであった。伸長成長は年による変動が大きく, 夏期のストレスによる著しい衰えがみられた。肥大成長は伸長成長ほどストレスの影響が大きくなかった。1年間の平均伸長成長量は2.9cm~5.3cmであり, サンプル枝の長さに関わらずおおよそ一定であったが, 成長が活発な年は, サンプル枝の長さが長いほど当年の伸長量が大きくなる傾向もみられた。年平均肥大成長量は3.0mmであった。
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藤原 優理, 吉田 玲, 山中 典和, 王 林和, 吉川 賢, 山本 福壽
1999 年 25 巻 4 号 p.
431-436
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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中国内蒙古自治区内の毛烏素沙地において, 砂丘斜面に植栽された沙柳の生育状況と葉の組織構造を調査した。沙柳は乾燥した砂丘頂上部から湿潤な砂丘低部にかけて相反するストレス環境で生育していた。沙柳の成長は頂上部や低部と比べて中腹部の個体が良好であった。葉の厚さは, 成長の最も良好な中腹部の個体で薄くなった。葉のサイズは, 頂上部の葉は小型であるが, 低部ほど大型となる傾向が認められた。表面気孔密度は, 頂上部よりも低部の個体ほど大きくなった。裏面気孔密度は, 頂上部が中腹部や低部の個体と比べて大きかった, 中腹部の個体は表面気孔密度の比率が大きく, 頂上部や低部では小さかった。
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山中 典和, 王 林和, 吉川 賢
1999 年 25 巻 4 号 p.
437-442
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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中国内蒙古自治区の毛烏素沙地において, 臭柏 (
Sabina vulgaris) の更新と, 更新場所の微環境に関する調査を行った。調査は立地環境を砂丘尾根部の臭柏樹冠下, 樹冠外, 砂丘低地部の臭柏樹冠下, 樹冠外, 烏柳 (
Salix cheilophila) 樹冠下の5つに分類し, 行った。臭柏の実生は砂丘低地部の臭柏樹冠下と烏柳の樹冠下のみで出現した。砂丘低地部の臭柏樹冠下や烏柳樹冠下の8月下旬における気温, 地表面温度, 地下10cm温度は他の立地環境に比べて低く, 実生の定着にとって良好な環境であることが明らかとなった。また砂丘低地部の烏柳樹冠下は土壌含水率も高く, 砂丘低地部における臭柏や烏柳等の樹冠は, 砂漠の厳しい環境下において, 臭柏の実生にとって好適な微環境を作り出していると考えられた。
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堀江 直樹, 笹谷 達也, 横塚 享
1999 年 25 巻 4 号 p.
445-448
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
フリー
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笹谷 達也, 堀江 直樹
1999 年 25 巻 4 号 p.
449-452
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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柴田 規夫, 渡辺 彰, 林 豊, 水島 澄夫, 清水 富二男, 勝野 武彦, 鈴木 光
1999 年 25 巻 4 号 p.
453-454
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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牧野 誠一
1999 年 25 巻 4 号 p.
455-458
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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辻 充, 河野 茂樹
1999 年 25 巻 4 号 p.
459-460
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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渡辺 彰, 鈴木 光, 柴田 則夫, 林 豊, 水島 澄夫, 二見 肇彦, 工藤 孝浩, 勝野 武彦
1999 年 25 巻 4 号 p.
461-464
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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猪俣 景悟, 木伏 英世
1999 年 25 巻 4 号 p.
465-468
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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森 哲男, 福岡 啓内, 日高 厚, 田中 賢二, 大原 優, 佐藤 泰山
1999 年 25 巻 4 号 p.
469-470
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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フリー
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横塚 享, 小林 正宏, 斉藤 茂, 細江 清二
1999 年 25 巻 4 号 p.
471-474
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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横山 能史, 土居 洋一, 惣田 立夫, 小堀 英和, 角田 真一, 大石 英子
1999 年 25 巻 4 号 p.
475-478
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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二見 肇彦, 猪俣 景悟
1999 年 25 巻 4 号 p.
479-482
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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角田 真一, 小堀 英和, 横山 能史, 土居 洋一, 武井 譲二, 山田 幹夫
1999 年 25 巻 4 号 p.
483-486
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
フリー
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日下部 友昭, 石垣 裕志, 三木 茂樹, 杉本 真一, 大原 悟, 角田 真一, 佐藤 裕隆
1999 年 25 巻 4 号 p.
487-490
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
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下層に設けた炭化物層の効果について
酒井 隆, 土田 潤一, 中野 友香, 中澤 みどり, 金野 隆光
1999 年 25 巻 4 号 p.
491-494
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
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施工約4年目までの植生推移
市原 悟, 久瀬 敏明, 吉田 寛, 宮地 洋一, 堀江 保夫
1999 年 25 巻 4 号 p.
495-498
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
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大澤 和幸, 笹原 則之
1999 年 25 巻 4 号 p.
499-502
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
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高田 研一
1999 年 25 巻 4 号 p.
503-506
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
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播種工で導入した常緑広葉樹の生育について
秋田 賢人, 平松 英樹, 堀江 保夫, 牛島 和昭
1999 年 25 巻 4 号 p.
507-508
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
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優占度を用いた生育樹の評価について
柴田 勉
1999 年 25 巻 4 号 p.
509-512
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
ジャーナル
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根系の成長特性ならびに伸長成長の可否の一判定方法について
柴田 勉
1999 年 25 巻 4 号 p.
513-516
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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池田 桂, 二見 肇彦, 鈴木 隆浩
1999 年 25 巻 4 号 p.
517-520
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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播種工で導入した常緑広葉樹の生育推移
石田 和宏, 松本 薫, 國弘 雅之, 吉武 聡子, 堀江 保夫
1999 年 25 巻 4 号 p.
521-524
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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森崎 耕一, 藤田 豊, 長谷川 秀三, 大津 洋介
1999 年 25 巻 4 号 p.
525-528
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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高橋 毅, 大平 政喜, 田中 邦和, 浅子 光雄, 小菅 清史, 角田 真一, 佐藤 裕隆
1999 年 25 巻 4 号 p.
529-532
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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清水 勝義, 播本 一正, 西田 仁志, 出口 直彦, 小松 良朗, 森本 幸裕
1999 年 25 巻 4 号 p.
533-536
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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市川 貴美代, 森本 幸裕
1999 年 25 巻 4 号 p.
537-538
発行日: 2000/05/20
公開日: 2011/02/09
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