日本統計学会誌
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47 巻, 2 号
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会長就任講演
  • 赤平 昌文
    2018 年 47 巻 2 号 p. 51-76
    発行日: 2018/03/30
    公開日: 2018/10/05
    ジャーナル フリー

    統計的推測の理論的発展は1920年代のR. A. Fisherの研究に始まり,1950年代頃からA. Wald, L. LeCam, C. R. Rao, R. R. Bahadur, J. Kiefer, J. Wolfowitzらによって体系的に論じられ,一先ずその理論が完成された.その後1970年代になって,それまでの1次の漸近理論を踏まえてFisherの予想の一般的解決も視野に入れて,高次漸近理論の研究がB. Efron, J. Pfanzagl, J. K. Ghosh,竹内啓,筆者らによって精力的に行われた.本稿では高次漸近理論の発展を中心に統計的推測の深化と進展のヒストリーを辿る.

    Editor's pick

原著論文
  • 伊藤 伸介
    2018 年 47 巻 2 号 p. 77-101
    発行日: 2018/03/30
    公開日: 2018/10/05
    ジャーナル フリー

    一般に,公的統計ミクロデータの作成・提供にあたっては,個体情報の秘密保護に関する統計法制度的な措置および技術的な手法が施される.それは,具体的には,個体情報を統計法で定めた上で,ミクロデータの作成・提供を可能にするための法的な解釈と統計制度上の整備を行い,ミクロデータを提供するための統計技術的な措置を探究することだと言うことができる.本稿では,ミクロデータの作成側と利用側の両面を踏まえた形で,公的統計ミクロデータの作成・提供に関する方法的特徴を明らかにするだけでなく,わが国の公的統計のミクロデータにおける匿名化のあり方について追究する.

    Editor's pick

日本統計学会賞受賞者特別寄稿論文
  • 清水 邦夫
    2018 年 47 巻 2 号 p. 103-140
    発行日: 2018/03/30
    公開日: 2018/10/05
    ジャーナル フリー

    角度のデータは,環境科学・気象学における風向,生態学における動物の運動方向,分子科学における二面角などにおいて現れる.また,イベントの生起時刻を24時間時計上に配置すれば角度データのように扱える.従来,ハート型,von Mises,巻き込みCauchy分布は角度の対称分布として良く知られている.本稿では,角度を含むデータを扱う統計学(方向統計学)において,ハート型,von Mises,巻き込みCauchy分布を含む新しい対称分布,分布の非対称化,球面・トーラス・シリンダー・ディスク上およびそのハイパー型多様体上の分布について,それらの諸科学・技術における応用例を交えて,主に2000年以降の最近の発展を概観する.

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日本統計学会研究業績賞受賞者特別寄稿論文
  • 鈴木 大慈
    2018 年 47 巻 2 号 p. 141-157
    発行日: 2018/03/30
    公開日: 2018/10/05
    ジャーナル フリー

    Multiple Kernel Learning (MKL) について正則化法およびベイズ推定法を紹介し,その汎化誤差解析について概説する.正則化法については,ℓ1-正則化およびエラスティックネット型の正則化を考察する.エラスティックネット型の正則化はスパース性を誘導するℓ1-正則化と滑らかさを制御するℓ2-正則化の組み合わせで表される.ベースとなるカーネル関数の数は多くても,真の関数に必要なカーネル関数の数は少ないスパースな状況を考察し,これまで得られていたレートよりも速い収束レートを導出する.さらに,ガウシアンプロセス事前分布を用いたベイズ推定量を考察し,一次独立性の条件を仮定せずとも速い収束レートを達成できることを示す.

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