スポーツ社会学研究
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20 巻 , 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
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特別寄稿
  • マンデル J.R
    20 巻 (2012) 2 号 p. 3-11
    公開日: 2016/09/06
    ジャーナル フリー
     スポーツ参加が増えることが開発を促進するという主張を裏付ける証拠はなきに等しい。しかしながら、スポーツでの発展は、人々が楽しめる活動に接する機会を個々に増やす点に価値がある。それゆえ、スポーツでの発展は、投資よりも消費行動に近いものと考えられる。
     本論文では、スポーツを剰余をもたらす投資行動として扱うのではなく、バングラデシュでのスポーツを従属変数とみなしている。横断的なデータ分析により、バングラデシュの経済が発展途上であるから、その国でのスポーツ参加も低レベルに留まっているのだという仮説が検証され、またこうした機能不全が男性より女性に多くみられることが明らかになった。
     データを吟味することで、バングラデシュの貧困こそが元凶であって、もしこの国が近代化されれば、スポーツ参加が増加し、性的不平等が低減されることが示唆された。
     近年、バングラデシュでは衣料・アパレル産業が成長している。しかし、生産性は低く、賃金も低いままである。したがって、スポーツ参加を活性化するにも、性的不平等を低減するにも、それは役立っていない。
     スポーツ参加を増やすにも、女性のエンパワメントを実現するにも、バングラデシュで必要なのは、経済の近代化に成功することである。彼らは技術力を高める必要がある。そうすることで、かの国の人々が中等レベルの教育を受ける機会を大幅に拡大しなければならない。
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  • 松村 和則
    20 巻 (2012) 2 号 p. 12-16
    公開日: 2016/09/06
    ジャーナル フリー
特集のねらい
原著論文
  • 齋藤 健司
    20 巻 (2012) 2 号 p. 23-35
    公開日: 2016/09/06
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は、現代的なスポーツをめぐるポリティクスの様相と視角を日仏のスポーツ基本法の政策決定及び制度構造の比較を通して考察することである。
     第1に、スポーツ基本法の政策決定については、政策決定過程に関係する諸アクターの行動や関係を分析した。その結果、超党派のスポーツ議員連盟による事前協議段階での政治的な調整の傾向、政党間の利害対立・争点が顕在化しない傾向、低調な立法審議と一部の議員による調整の状況、非常に短い立法協議の問題、文部科学省など官僚機構の組織変更、省庁間の権限関係や機関間関係の決定の先送り傾向、官僚機構による立法のコントロールとボトムアップ型の民主的な協議の機会の不足、国とスポーツ統括団体との権限関係の不明確さと明確な対抗関係の不在、アドバイザリーボードなど特定の関係者や専門家による組織の影響、スポーツメディアによる批評や影響の弱さと国民的関心の低さなどを指摘した。
     第2に、スポーツ基本法の制度構造については、特に統治、権力、権限、秩序維持などと係わる諸規定を分析し、当該規定によってもたらされる社会的諸力の相互関係を検討した。その結果、スポーツ文化論とスポーツ立国論の対立の構造、スポーツ権規定の導入の意義と作用、スポーツ団体の努力規定の導入の背景とガバナンス論や法の支配の観念との関係、スポーツ紛争解決制度の導入及びスポーツ団体と日本スポーツ仲裁機構との対峙傾向、文部科学省の権限と機関間関係の構造、中央地方関係をめぐる政治的な対立の回避の傾向と地方分権化の影響などを指摘した。
     最後に、日本におけるスポーツ政策の決定過程の曖昧さと責任や権限関係をめぐる法制度の不明確さを改善するためには、スポーツ権やスポーツ法の基本原理を確立し、スポーツ政策の政策過程と制度構造の合理化や高度化をすすめる必要があることを指摘した。また、ボトムアップ型の民主的な協議の場を確保するための制度構造を検討する必要があることを指摘した。
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  • 尾崎 正峰
    20 巻 (2012) 2 号 p. 37-50
    公開日: 2016/09/06
    ジャーナル フリー
     地域スポーツ振興のための職員体制の確立は権利としてのスポーツの保障のための重要な要素であるにもかかわらず、スポーツ基本法に職員に関する規定が盛り込まれなかったことは重大な問題といえる。また、研究面でも、職員の役割を実践に即して歴史的、系統的に考察することがこれまでほとんど手をつけられてこなかった。
     こうした問題関心の元での本稿のねらいは、第一に、第二次世界大戦後の文部省、文部科学省のスポーツ政策関連文書における指導者、とくに職員に関する政策構想を検証することにある。この検証を通して、戦後初期から職員の重要性の指摘は繰り返し公にされていることを見ることができるが、法的、制度的には現在まで不十分なままである。第二に、市町村自治体レベルでのスポーツ振興の実践事例を検証するとともに、職員の連携に基づく集団討議によって提起された職員像を検討することである。検討の対象は、1970年代以降、専門職配置を実現した自治体の事例、専任として関わる職員の尽力によって地域スポーツが活発に展開している事例などで、この検討を通して職員の意義と役割を明らかにした。
     最後に、現在、公務員の削減という困難な状況にあるが、問題解決のため、1970年代以来の実践をあらためてとらえ返す中から、職員の重要性を再度明らかにしていくことが求められる。
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  • 海老田 大五朗
    20 巻 (2012) 2 号 p. 51-63
    公開日: 2016/09/06
    ジャーナル フリー
     本稿の目的は、「柔道整復」の歴史の一側面を系統立てることによって「柔道整復」という名称の謎に迫り、「柔道整復」という概念がいかにして構成されたかを分析することである。世界中を見渡しても、「柔道」のような特定のスポーツの名称を冠した療法は他に類を見ない。
     本稿ではまず、「柔道」の発展史を確認することで、柔道整復術が公認される時代というのは、柔道が発展普及していく時代と重なることを示唆した。こうした時代背景こそが、「柔術」ではなく「柔道」を使用することになった要因の一つといえよう。
     次に、「整復術」の源流といわれている「接骨術」と現在の「柔道整復」の差異を検討することで、非観血療法と呼ばれる療法が受け継がれ、他方で薬の処方については受け継がれなかったという事実を確認した。
     最後に「帝国議会衆議院請願委員会議」の議事録などを検討することで、「柔道」が柔道整復師にとって独自の職業アイデンティティの一翼を担っている可能性を示唆した。
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  • 酒本 絵梨子
    20 巻 (2012) 2 号 p. 65-77
    公開日: 2016/09/06
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は、「共振」という概念が持つ、スポーツ独特の社会関係における「楽しさ」を理解する上での重要性を、チクセントミハイが提唱した、「流れ」=「フロー(Flow)」という概念と「引き込み現象」の概念を統合させることで、明らかにしていくことである。
     「引き込み現象」とは、異なった周期を持ったリズムがその周期を一致させる現象であり、自然界や人のコミュニケーションにおいて見ることができる。
     この「引き込み現象」をクラーゲスのリズム論から見てみると、「共振」という広い概念として捉え直すことができる。亀山によれば、「共振」とは、日常の制約から脱して生命のリズミカルな脈動の中に入ることを意味し、ここに音楽やスポーツの活動でリズムに乗るときに襲う「楽しさ」の由来があるという。
     チクセントミハイはこの「楽しさ」を「流れ」=「フロー」という概念で説明している。このフローの概念は個人的な心理的な状態を表すことでその「楽しさ」を捉えており、個人的な挑戦を超えた、集団スポーツを含んだスポーツで得られる「楽しさ」は捉えきれないという弱点を持っている。しかし、フローの概念をリズムの「共振」として捉えるならば、集団スポーツにおける「楽しさ」を「共同性の次元のフロー」として見る視点が与えられる。
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