スポーツ社会学研究
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  • 上杉 正幸
    3 巻 (1995) p. 1-11
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    生産を重視する社会は豊かさを目指して禁欲や勤勉に価値を置く社会であり、スペクテイタースポーツの観戦にあたって人々は強いチームや選手に期待し、勝利や記録を望んでいた。そしてプレーヤーは卓越の価値の追求に専念して高度なプレーを発揮し、それが観客に「夢を与えるプレー」になっていた。そこでは、プレーヤーと観客が卓越の価値で一元化していたのである。しかし、消費を重視する社会は自己表現に価値を置く社会であり、人々は見物する過程での自分自身の行動を重視し、スタジアムを自己表現の場としてとらえる。そして彼らは見物の過程を充実させてくれるプレーを要求する。したがってプレーヤーは、観客にノリやすい場を提供するために、単に卓越の価値のみならずパフォーマンスの価値を求めて高度なプレーをしなければならない。それが観客を「のせるプレー」となる。
    消費型観衆は、自己表現の機会をより多くより長く提供してくれるスペクテイタースポーツを求めている。スペクテイタースポーツが観衆のこの願望に応えるためには、パフォーマンスの価値を重視しなければならない。しかし、パフォーマンスの価値は高度なプレーによって生み出されるのであり、パフォーマンスの価値を追求しようとすれば卓越の価値をどこまでも追求することになる。この卓越の価値の果てしなき追求はプレーヤーにその肉体的限界を越えさせようとする。それによってプレーヤーが肉体的損傷を受けたとしても、観客にはそれもまた一つのパフォーマンスとして映ることになる。つまり消費社会におけるスペクテイタースポーツは、パフォーマンスの価値を生み出す卓越の価値がパフォーマンスの価値の追求によって破壊されるというパラドックスを内包しているのである。
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  • 山本 教人
    3 巻 (1995) p. 13-25
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、大学生のライフスタイルとスポーツの活動選好の関連を検証することであった。この目的のために、1,000名の大学生を対象に質問紙法による調査が実施された。本研究を通じて得られた結果は、次に示す通りであった。
    1) 活動選好の類似性によってスポーツ種目の分類を行うたに、71種目 (項目) に対して因子分析を適用した。分析の結果、マリンスポーツ、ダンス、格闘型球技、スカイスポーツ、ラケットスポーツ、アウトドアスポーツ、ターゲットスポーツ、パワー型スポーツ、武道、陸上競技、野球・ソフト、持久性スポーツ、水泳競技の13のスポーツの活動選好因子が抽出された。
    2) 大学生のライフスタイルの構造を把握するために、41のAIO項目を因子分析にかけたところ、ファッション志向、達成志向、スポーツ志向、ボランティア志向、個性化志向、リーダー志向、ブランド志向、出世志向、調和志向、自然志向の10のライフスタイル因子が抽出された。
    3) スポーツ志向を除く9つのライフスタイル因子のクラスター分析を通じて、調査対象者は、ファッション重視型、生活無目的型、調和重視型、アンチブランド型、積極生活型、出世重視型の6つのタイプのライフスタイルグループに分類された。
    4) 6つのライフスタイルグループについて、スポーツの活動選好度を検証した結果、ライフスタイルのタイプと活動を選好するスポーツとの間には、明瞭な関連が認められた。しかも、相対立するライフスタイルを示すグループ間においては、活動選好のパターンが逆転していることが明らかとなった。
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  • 日下 裕弘
    3 巻 (1995) p. 27-36
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    本研究は、歴史を通じてわが国の代表的な余暇文化のひとつである湯浴の意味と、その文化的特性を明らかにすることを目的としている。
    今日の「湯浴」の起源は、古代人の神聖な精神的風土としての「禊の精神」に根ざしており、「再生」という根源的意味を担っていた。わが国における湯浴の歴史は、このような神霊やどる古代の「ゆ」(斎川水)から、仏教による施浴、上流階層の御殿湯、および江戸庶民の「浮世風呂」等々を経て、現代の温泉や「お風呂」に至るまで、「聖」→「俗」→「遊」の発展過程を示すと同時に、そこには湯浴文化の階層下降現象が見られた。
    世界中いたるところで見られる蒸風呂と湯風呂は、日本では江戸期に融合して「風呂」と称されるようになったが、日本人独特の風呂趣味は、温泉に恵まれた湿潤で寒暑の変化の激しい風土と、古代日本人の世界観、そして道教や仏教などの思想とによって醸成された「自然遊」(あるがままの自然に遊ぶこと) 感覚によって特徴づけられる。それらの契機は、長い歴史を経て融合し、世俗化・卑俗化すると同時に、身体化、即ち、無意識のレベルにおける「かくれた形」として定着し、湯浴を日常のあたりまえの習慣につくりあげた。即ち、世俗化したわが国の「湯浴」(あの世とこの世の中間に遊び、ふわっとなる、「自然になる」という感覚様式) 文化の基底には、「人間と自然の帰一」という文化原理 (エイドス) と「いのちの再生」という価値原理 (エトス) がある、ということができる。
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  • 河原 和枝
    3 巻 (1995) p. 37-45
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    「フィットネス」の概念および実践の輸入と普及の過程は、ひとつの社会現象として注目に値する。80年代を通して、「フィットネス」は現代的なライフスタイルとして多くの人びとに採用されるようになっていった。フィットネス・クラブの数だけをとってみても、1980年には全国で246施設しかなかったが、1992年には1,564施設と6.3倍に達している。
    フィットネス・ブームの背景には、人びとの「健康志向」、あるいはその裏返しである「健康不安」がある。しかし「フィットネス」はたんなる健康法にとどまるものではなく、「健康」とは異質の「ファッション」(あるいは「美」) の要素をもっており、それがフィットネスの普及と定着の過程で重要な役割を果たした。そのことは、1980年代前半のエアロビクスの大流行によく示されている。
    以上の議論をふまえて、本稿の後半では、2つの視角から「フィットネス」のもつ社会的意味について検討する。まず、消費社会論の視角から、消費社会においては身体が消費の対象と化していくこと、のみならず身体の用い方 (たとえばフィットネス) までが一種の「スタイル」として消費されることを論じる。次に、知識社会学的な視角から、「フィットネス」をめぐるイデオロギー的状況について分析するとともに、ファッションの力によって一般の若い女性たちをまきこんだフィットネスが、女性たちの身体への意識を変容させたことにもふれる。
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  • 藤田 紀昭
    3 巻 (1995) p. 47-59
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    本研究は3年間にわたるフィールドワークをもとにスポーツ集団が実際にどのように維持、運営されているかについて、それにかかわる家族やスポーツ集団の存在する地域的特性との関連のなかで明らかにしたものである。子どものスポーツを対象としたが、これはそれを対象にすることでスポーツ集団を実際に運営している親、その家族および地域的特性が射照されるからである。
    今回調査対象となったS少年野球チームには核家族を一つの単位として参加するという特色が認められた。基本的に参加家族は平等な横の関係を形成することによってチーム運営を行っており、Sチームは核家族連合として特徴づけられる。Sチームにはその役割分担の結果、父親と子ども、父親と父親、母親と母親、子どもどうしの4つの特徴的な関係が見いだされ、それぞれが有機的にかかわり合いながらチームが維持されているという特色がある。これらの特色は都市化途上にあるという地域的特性によって理解される。
    スポーツ集団の運営に関しては父親の職業 (チーム指導の時間がとれるかどうか)、子どものチーム在団期間および、親の同地区内での在住期間、子どものスポーツ技術レベルが集団運営のリーダー出現の要因になっていることが明らかになった。そして、こうして生まれたリーダーが中心となって、チーム運営がなされているわけだが、彼らがチームの指導、運営に費やす時間とエネルギーの多さは、父母達からの賛同や協力を得るための、そして、円滑なチーム運営のための重要な要件となっている。
    Sチームにとって試合での結果はそれまでの活動の過程を意味付け、意義づける契機となっている。勝利はこれまでの活動を正当化し、敗北はスポーツの持つ教育的機能の確認の機会として機能している。そして、勝ち負けの如何にかかわらず対外試合を行うことがチームへの帰属意識や集団としてのわれわれ意識の形成に重大な影響を与えていることが明らかになった。
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  • 張 世昌
    3 巻 (1995) p. 61-69
    公開日: 2011/05/30
    ジャーナル フリー
    本研究は、韓国の体育学会誌に掲載された論文から、三つの時期「第I時期 (1953年~1980年)、第II時期 (1981年~1988年)、第III時期 (1989年~1992年)」 に区分し、韓国の体育・スポーツの全般的な研究動向と体育・スポーツ社会学の研究動向を分析した。その結果、以下のように整理することができた。
    1. 体育・スポーツに関する研究論文は、全般的に自然科学の論文が占めている (約60%)。特に、第II時期になってその比率が増加し、論文全体の62.2%を占めた。そして、体育・スポーツ社会学を除く人文・社会科学の論文は、第II時期では49編で、論文全体 (157編) の31.2%の比率であったが、第III時期ではその比率が35.7%となり、徐々に研究論文が増加する傾向がみられた。
    また、体育・スポーツ社会学の論文は、第II時期では58編で、論文全体 (151編) の38.4%の比率であるが、第III時期ではその比率が29.8%となり、全般的に研究論文が減少する傾向がみられた。
    2. 体育・スポーツ社会学の研究論文は、『体育・スポーツ・プレイと文化・社会の領域』と『体育・スポーツ・プレイの社会心理学的研究領域』が、論文全体 (151編) の58.7%を占め、研究論文の中心的な領域であった。しかし、第III時期からは、これらの研究領域の研究論文は減少し、『社会問題、婦人、老人の領域』が増加する傾向があった。
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