本研究の目的は,介護支援専門員の研修プログラムのあり方について,ソーシャルワークの視点を踏まえて検討を行うことである.特に,介護支援専門員の業務特性に加えて,研修企画・実施者側の認識について分析を行い,文脈とその構造を明らかにしている.研究方法は定性的(質的)研究法である.調査方法はインタビュー調査,分析方法は定性的(質的)コーディングを用いている.研究の結果,介護支援専門員研修の特性が,システム,方法,内容,対象,環境の5点から明らかにされた.つまり,{積み上げ方式の研修システム}{リアル体験が困難な研修方法}{非日常的な研修内容}{ゴールが見えない研修対象者}{バックアップが期待できない研修環境}である.このことから,介護支援専門員の研修は,「標準化途上にある資格」に対応した「積み上げ方式の研修システム」として表現できる.そのうえで,研修システムに焦点をあてた選択可能な提言を行った.
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