ソーシャルワーク学会誌
Online ISSN : 2189-8944
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ISSN-L : 1884-3654
32 巻
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論文
  • ―精神保健福祉士を調査協力者とする質問紙調査より―
    大谷 京子
    2016 年 32 巻 p. 1-12
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー

     ソーシャルワークアセスメントスキル評価指標の開発を目的として,4つの県精神保健福祉士協会会員に質問紙調査を実施した.有効回答277票を使用し,探索的因子分析(最尤法・プロマックス回転)を行った結果,実践については「情報収集」「仮説生成(実践)」「仮説検証」の3因子19項目,思考については「面接中の思考」「情報分析」「仮説生成(思考)」の3因子20項目を抽出した.外的基準とした「問題予防や課題解決スキル群」と,各因子との間に,有意な正の相関がみられたため,妥当性が確かめられた.また下位尺度のCronbackαも.775から.869あり,一定の信頼性が確保された.

     年齢と経験年数以外で,各因子の下位尺度得点との有意な相関はみられなかった.このことから,アセスメントスキルが精神保健福祉領域においては所属を超えた共通性があることと,アセスメントに特化した研修プログラム開発の必要性を述べた.

  • 実方 由佳
    2016 年 32 巻 p. 13-24
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー

     本研究は,子ども虐待対応における個別ケース検討会議が,専門職の連携認識(連携の捉え方)にどのように影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的に行った.要保護児童対策地域協議会の基盤とも言われる個別ケース検討会議は,複数の専門職が互いに補完しながら援助を行うための話し合いの場である.連携の手段として個別ケース検討会議が選択される要因も含め,個別ケース検討会議が専門職の認識上,連携にどのように影響を及ぼすのかを検証した.質問紙調査の結果を分析したところ,個別ケース検討会議は参加メンバーの人数や職域の多様さと正の相関があること,および専門職の連携認識上,「メンバー間で行う作業」や「対象への焦点(クライエントに寄せる関心)」といった因子と正の相関関係があることが明らかとなった.個別ケース検討会議と参加者の多様さは反応しやすく,「私たち」という認識とも影響を及ぼしあうという示唆が得られた.

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