ソーシャルワーク学会誌
Online ISSN : 2189-8944
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ISSN-L : 1884-3654
33 巻
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論文
  • ―リスク管理がもたらすジレンマ―
    三島 亜紀子
    2016 年 33 巻 p. 1-12
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー

     2014年の「ソーシャルワークのグローバル定義」で新たに登場し注目を集めた語句の一つに「社会的結束(social cohesion)」がある.本稿では,まず社会的結束の定義と,それが多くの国や国際機関で注目を集めるようになった経緯を概観し,比較的早い時期からこの概念を政策課題にあげてきたイギリスの事例を取り上げ,この語がソーシャルワーク領域で用いられるようになった背景を明らかにする.これらを通じ日本にいる個々のソーシャルワーカーがそれぞれの場でどのように社会的結束という語に向かい合うべきか考える一助になればと考える.

     ソーシャルワーク領域の社会的結束に関する議論では,社会的包摂の促進,持続可能な福祉の推進と共にこの概念が強調される傾向にあることを指摘した.そして,社会的結束が社会統制に直結し,ソーシャルワークと安全/リスクの古くて新しいアンビバレンスな関係を再現する可能性がある点を論じた.

  • ―「今いるところ」から離れるために―
    浅野 貴博
    2016 年 33 巻 p. 13-25
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー

     本論文では,専門職としての力量を高める上で不可欠なリフレクションに関して,学びとは切り離せないものと捉えた上で,ソーシャルワーカーが,実際の支援の文脈の中でどのようにリフレクションを行い,自身の理解の変容を伴う学びの経験をしているかについて考察するために,質的研究を実施した.

     分析の結果,ソーシャルワーカーはリフレクションについて,日々の支援の忙しさから一歩離れ,自身の支援活動を見つめ直すことと捉えていた.ソーシャルワーカーは自身が置かれた支援の文脈の中で,各々のニーズに応じた様々な手段を用い,自身が「今いるところ」から離れることで,自身とは異なる新たな視点を得るという学びの経験をしていた.そうした学びが起きるためには,ソーシャルワーカーが自身のことをオープンに語れるサポーティブな他者との関係性に加えて,支援の前提の見方が様々な形で揺さぶられる必要があることが明らかになった.

  • ―ミクロからメゾ領域の実践に焦点を当てて―
    木村 容子
    2016 年 33 巻 p. 27-39
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/10/23
    ジャーナル フリー

     本研究の目的は,ミクロからメゾレベルにおけるソーシャルワークの視点から,自治体による目的に照らした養育支援訪問事業の実施に必要な構成要素を明らかにすることである.全国1,742自治体の本事業実務統括担当者に質問紙調査を実施し,因子分析により本事業の実施に必要な構成要素を抽出し,それら因子と本事業の「推進度」に与える影響をみるために重回帰分析を行った.

     因子分析の結果,第1因子「ICT化された業務管理と標準化」,第2因子「業務・役割分担の明確化と意思疎通」,第3因子「子ども家庭福祉・教育機関等との協働体制」と,第4因子「必要な人材とその確保」の4因子となった.重回帰分析では,有意なモデルを得ることができ,4因子すべてが本事業の「推進度」に有意に影響を及ぼしていた.

     これまで実証的研究が行われていなかった本事業について,本事業の実施体制・仕組みや方法等本事業を推進する要素について多くの示唆が得られた.

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