本調査の目的は,スキルの構造を明らかにし,スキル評価尺度を開発することと,スーパーバイザーの属性との関連を明らかにし,訓練のための基礎資料とすることである.
質的調査によって抽出された634のスキルを基に21項目のスーパービジョン(以下SV)スキル評価のための質問紙を作成し,各団体認定スーパーバイザー558名を対象に郵送調査を実施した.
回答者の半数近くは経験も浅く,日本における組織的SVの展開は始まったばかりであることが示された.スキルについて確認的因子分析の結果,「スーパーバイジー中心」「課題焦点化」「実践化」「承認と評価」という4因子が得られた.スキル得点と属性との関連を分析した結果,ソーシャルワークの経験年数とは関連がなく,担当したスーパーバイジーの人数とは関連が高かった.すなわち,質の高いSVのためには,そのための訓練とSV実践が必要であることが明らかになった.
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