本研究の目的は,公表されている「児童発達支援ガイドライン」の保護者等からの事業所評価データを用いて,児童発達支援センターにおける支援実践因子を抽出し,それらがサービス利用満足に及ぼす影響を明らかにすることである.368データに探索的因子分析を適用した結果,「協働的支援」「療育環境整備」「家族支援体制」の3つの支援実践因子が抽出された.続いて,これら3因子を独立変数とし,サービス利用満足(子どもの通所意欲および保護者の事業所支援満足)を従属変数とするロバスト重回帰分析を行った.その結果,支援実践因子のうち「協働的支援」がサービス利用満足に対して最も強く,直接的な正の影響を持つことが明らかとなった.さらに,他の2因子もサービス利用満足に影響していたことから,「協働的支援」を媒介として,「療育環境整備」と「家族支援体制」が,サービス利用満足に正の影響を及ぼしている可能性が示唆された.
本研究では,ソーシャルワーカーが基盤とする価値の内在化に関与する要因を明らかにすることを目的として,15人のワーカーへの半構造化インタビューを行い,そのうち14人の語りをナラティヴ分析によって分析した.その結果,価値の内在化に影響を与えた要因は,【ゆさぶられる経験】【実践と省察の積み重ね】【実践/教育に関わる他者からの教え/関係性】,【個人的な要因】に分類された.実践や個人的な経験を通して生じた,クライエントと共にあることの認識と社会の不条理さに対する懐疑が,ソーシャルワークの価値を醸成する一つの契機となっていた.また,教員や先輩支援者からの承認や関係性が価値の認識の深化に寄与したことが示唆された.ワーカーが基盤とする価値は経験とふり返りの循環を通して変遷・発展していくことから,継続した学びと省察の機会は不可欠であり,ワーカー自身の関係性に着目した養成教育・継続学習の検討が求められる.
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