ソーシャルワーク学会誌
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論文
  • -直接処遇職員と子どもの関わりに着目して-
    木原 琴
    2023 年 47 巻 p. 1-15
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/03/20
    ジャーナル フリー

     児童養護施設における性は,性的問題行動が着目され,職員が行う生活の中での子どもの性(生)(以下,性)の育みへの着目が不足している.本研究では,問題とまで発展していない性全般にまつわる事柄も含めた性への職員の考えや対応を把握した.性のあり方を捉えるために,概念的枠組みとして「隠れたカリキュラム」を用い,発生構造を分析した.参与観察と面接により,性は,施設に入所する子ども特有の背景や立場への職員の意識,職員特有の立場,集団養育・施設生活を背景とした「フィルター」を通して語られることが示唆された.それは,性は典型的な枠にはまるべき,避けるべき,躊躇や葛藤が伴い,抑圧され得るとの認識を子どもに与え得る.これらは,被虐待経験等や,措置され施設にて職員に集団養育されているという弱くされた立場を子どもに想起させる.この言説が,性の独自性や多様性の表現を困難とする保護や管理の視点の強化へと繋がると論じた.

  • ─スクールソーシャルワーカーを対象にした質的調査の結果を基に─
    大塚 美和子
    2023 年 47 巻 p. 17-29
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/03/20
    ジャーナル フリー

     スクールソーシャルワーカー(SSW)が学校と協働で取り組み,子どもの問題の悪化を未然に予防する問題予防型の校内支援実践モデルをM-D&D(modified design and development)(芝野2002)を用いて開発した.フェーズ1では,校内支援と保護者ケース会議に組織的に取り組んできたSSW 10名にインタビュー調査を実施し,分析の結果から実践モデルのたたき台を作成した.フェーズ2では,フェーズ1でインタビュー調査を実施したSSWのうちの4名に協力を依頼し,ワーキンググループでの協議を経て,実践モデルのデザインを確定し,また,実践マニュアル作成に向けた手順について協議した.最後に,実践モデル開発の包括的な意義,本実践モデルにおける校内支援の視点,子どもと保護者という当事者と取り組む校内支援の実践モデルと実践マニュアルの普及の意義について考察した.

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