本稿では,主に米国のSTEM[Science, Technology, Engineering and Mathematics の各discipline(学術分野)]教育,STEAM(STEM+Arts discipline)]教育の系譜と,各学術分野の関係性に着目し,特にエンジニアリング,デザイン,アーツ(arts)概念と,各学術分野のintegration(統合)の水準(Vasquez et al.,2013)に着目し,Society5.0 の実現に向けての,日本発STEAM 教育の要件についての論点整理をした。技術,科学,数学,アーツを,エンジニアリングとデザインで架橋し,SDGs と連動するSociety5.0 の実現を目指して,イノベーティブで,テクノロジーのリスクを評価,選択,管理・運用できる技術ガバナンス力のある人間を育成する日本発STEAM 教育と,各学術分野の関係性を示す俯瞰図を提案した。要件として,SDGs の共通テーマ,各学術分野連携の概念と資質能力を,STEAM 各教科で教科横断的に学習を支えるカリキュラム・マネジメントと,各教科担当教員の継続的専門職能発達の必要性を指摘した。
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