日本血栓止血学会誌
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12 巻, 3 号
June
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総説
原著
  • 山田 貴之, 高木 明, 中出 祐介, 村手 隆, 柳田 正光, 中山 享之, 山本 晃士, 松下 正, 高松 純樹, 齋藤 英彦, 小嶋 ...
    2001 年 12 巻 3 号 p. 187-196
    発行日: 2001年
    公開日: 2006/05/12
    ジャーナル フリー
    伴性劣性の遺伝形式をとる代表的な先天性出血性素因・血友病Aは, X染色体長腕部に存在する第VIII因子遺伝子のさまざまな異常によって引き起こされる. 最近, 遺伝子異常の不明であった約半数の重症血友病A症例において第VIII因子遺伝子の一部を含んだ約500 kb におよぶ逆位が起こっていることが報告され, 日本人においてもサザンブロット解析にて欧米人とほぼ同頻度に逆位異常が検出されている. 今回われわれは, より迅速かつ簡便に第VIII因子遺伝子の逆位解析を行うべく, Long-PCR法の条件最適化を検討した. その結果, DNAポリメラーゼとしてLA TaqTMを用いて反応液にDMSO (最終濃度 7.5%) および7-deaza-dGTP (最終濃度 0.1mM) を添加し, 熱変性反応 (96℃ 15秒) とプライマーのアニーリング/伸長反応 (63℃ 15分) を20サイクル繰り返すPCRを行うことにより, 効率よく逆位異常を検出できることが判明した. 本法を用いて日本人重症血友病A患者検体を検索した結果, 39名中17名 (43.6%) に逆位を検出できた. 本法は, 従来のサザンブロット法に比べより少量の検体で, かつ迅速に解析できることが示された.
  • 和田 英夫, 登 勉, 森 美貴, 兼児 敏浩, 珠玖 洋, Gabazza Esteban C, 丸藤 哲, 射場 敏明, 朝倉 英策, ...
    2001 年 12 巻 3 号 p. 197-205
    発行日: 2001年
    公開日: 2006/05/12
    ジャーナル フリー
    造血器腫瘍375例, 非造血器腫瘍551例について, 厚生省播種性血管内凝固症候群 (DIC) 診断項目について検討した. 出血症状はDIC例の60%以上に見られ, 臓器症状は非造血器腫瘍群に高頻度に認められた. DIC例と非DIC例の比較では, PT比ならびにフィブリノゲン値は造血器腫瘍群, 非造血器腫瘍群ともに有意差 (P<0.001) を認めたが, 非造血器腫瘍群におけるFDP値の有意差は低かった (p<0.05). これは非造血器腫瘍群の非DIC例において高値を示す症例が多数見られたためである. DIC診断に対する感度はFDP値がもっとも高く, フィブリノゲン値がもっとも低かった. 一方, DIC診断に対する特異性はフィブリノゲン値がもっとも高く, FDP値がもっとも低かった. Receiver operating characteristic (ROC) 解析では, FDP値, PT比, 血小板数, フィブリノゲン値の順にDICの診断に有用であった. 以上の成績から, FDP値はカットオフ値を上げ, PT比はカットオフ値を下げることが感度や特異性の向上に有用であり, フィブリノゲン値のDIC診断に対する有用性は低いことが示唆された.
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