日本血栓止血学会誌
Online ISSN : 1880-8808
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12 巻, 6 号
December
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総説
日本血栓止血学会学術専門委員会静脈血栓症/肺塞栓症検討部会報告
症例
  • 重症再生不良性貧血の1例
    山崎 雅英, 伊藤 貴子, 吉田 知孝, 加藤 みのり, 御舘 靖雄, 水谷 朋恵, 斎藤 正典, 森下 英理子, 朝倉 英策, 塚 正彦, ...
    2001 年 12 巻 6 号 p. 487-492
    発行日: 2001年
    公開日: 2006/05/12
    ジャーナル フリー
    症例は66歳, 女性. 55歳時出血傾向を主訴に当科を受診し再生不良性貧血と診断されたが, 治療抵抗性であり輸血療法にて管理していた. 1994年7月, 消化管出血のため入院. 糖尿病性網膜症の有無を確認するため施行した眼底所見では左網膜中心静脈血栓症による出血が指摘された. 検査成績上, ループスアンチコアグラント (LA) 陽性であったが, 抗核抗体, 抗カルジオリピン抗体を含めその他の自己抗体は陰性であった. 本例における網膜中心静脈血栓の原因としては, 剖検所見で明らかな硬化性病変を認めず, LAによる凝固亢進状態が血栓の原因と考えられた. Thrombin generation inhibition assayによるLA対応抗原検索では, 陰性リン脂質とCaイオン存在下でヒトprothrombinと結合する抗体が検出され, 本例のLA発現機序としてウイルス感染や頻回輸血による二次性の免疫応答より自己免疫機序の関与が考えられた.
  • ―冠攣縮性狭心症から心筋梗塞をきたした1例を通じて―
    御舘 靖雄, 朝倉 英策, 水谷 朋恵, 加藤 みのり, 伊藤 貴子, 山崎 雅英, 森下 英理子, 吉田 知孝, 斉藤 正典, 青島 敬二 ...
    2001 年 12 巻 6 号 p. 493-499
    発行日: 2001年
    公開日: 2006/05/12
    ジャーナル フリー
    抗リン脂質抗体症候群 (APS) は, 臨床症状と, 検査所見としての抗カルジオリピン抗体 (aCL) またはループスアンチコアグラント (LA) の陽性の両者から診断されるもっとも典型的な血栓性素因の一つである. 全てのAPS疑い症例において, 国際血栓止血学会科学的標準化委員会 (SSC) で提唱されているLA診断基準に従って忠実にLAの検査がなされているとは限らず, 施設間での診断法と検出感度の差異がみられるのが現状である. この度われわれの経験した冠攣縮性狭心症から心筋梗塞をきたした1症例は, 受託検査会社 (外注) のLA検査では陰性であったものの, 同じ検体を用いて測定した自家検査ではLA陽性となり, 施設間による差が認められた. このような差異が認められる理由としては, 検体処置過程における血小板除去方法の相違, LA診断の際に必須になる混合試験の方法の相違と, LA測定法の種類数の相違ではないかと考えられた. LA陰性と誤診されたAPS患者が存在する可能性があり, LAの検査法・診断について慎重に扱う必要があると思われた.
トピックス
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