日本血栓止血学会誌
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15 巻, 6 号
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総 説
原 著
  • 吉岡 章, 福武 勝幸, 新井 盛夫, 稲葉 浩, 花房 秀次, 三間屋 純一, 高松 純樹, 嶋緑 倫, 白幡 聡, 藤巻 道男, リコネ ...
    2004 年 15 巻 6 号 p. 522-534
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    過去に第VIII因子製剤による治療歴のない血友病A患者 (PUPs) を対象とした多施設共同の市販後特別調査を実施し,遺伝子組換え型第VIII因子製剤リコネイトの日常使用実態下における補充療法剤としての長期 (2年間以上) の有効性および安全性を前方視的に検討した.25例が症例登録され,22例を有効性および安全性の解析対象とした.本剤の止血効果は総出血エピソード数378出血に対し,著効226出血,有効138出血で,有効以上の有効率は96.3%であった.週3回の定期補充療法が2例 (primaryおよびsecondary prophylaxis) で実施され,2.5年以上の観察期間中,出血は1回と2回で,関節出血はなかった.副作用は5例 (22.7%) で認められ,内訳は第VIII因子インヒビター (1 Bethesda単位/ml以上) 発生が4例 (18.2%) および抗ウシ血清アルブミン (BSA) 抗体産生が1例 (4.5%) であった.第VIII因子インヒビターは,ハイレスポンダー2例,ローレスポンダー2例であり,後者の内1例では消失し,発生状況は他の第VIII因子製剤と同様と考えられた.また,抗BSA抗体産生症例では抗体産生に伴う臨床症状はなかった.以上より,リコネイトはわが国における血友病A患者のPUPsでの長期の使用において安全で有効な製剤であると考えられた.
  • ―凝血学的マーカー・血管作動性物質に対する影響―
    高橋 葉子, 朝倉 英策, 表 美香, 荒幡 昌久, 門平 靖子, 前川 実生, 御舘 靖雄, 林 朋恵, 山崎 雅英, 森下 英理子, 吉 ...
    2004 年 15 巻 6 号 p. 535-540
    発行日: 2004年
    公開日: 2007/10/19
    ジャーナル フリー
    我々はこれまでの検討で,TF誘発DICモデルにおいては,一酸化窒素 (NO) の代謝産物である血中NOXが著増するが血中エンドセリン (ET) は微増にとどまることを明らかにしてきた.本研究では,同モデルに対してメシル酸ナファモスタット (FUT) を投与することによるDIC病態および血管作動性物質の動態への影響を検討した.Wistar系雄性ラットを用いて,TF 3.75単位/kgを尾静脈より4時間かけ点滴静注しTF誘発DICモデルを作成した.薬物投与群については,FUT 0.1mg/kg/4.5hおよび1.0mg/kg/4.5hをTF投与開始30分前から投与し,TF投与終了まで4.5時間持続点滴をした.その結果,いずれの濃度のFUTを用いた場合も,同DICモデルにおける血小板数・フィブリノゲンの低下やTATの上昇を有意に抑制し,Dダイマーの上昇を完全に抑制した.また,血尿の出現は著明に抑制された.同モデルにおける著しい血中NOX上昇は,両濃度のFUT投与によりほぼ完全に抑制された.以上,TF誘発DICモデルにおける著明な出血症状および線溶活性化 (Dダイマーの上昇) に対しFUTは著効し,本モデルに類似した臨床病態に対して,FUTは極めて有効な薬剤でないかと考えられた.また,今回の結果から,FUTのNO産生に対する強い抑制効果が明らかになり,その機序についてさらに検討すべきと考えられた.
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