日本血栓止血学会誌
Online ISSN : 1880-8808
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16 巻 , 6 号
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総 説
第27回学術集会HIT検討部会シンポジウム
原 著
  • 井上 須美子, 藤井 智美, 浦田 美秩代, 和田 結, 小野 美由紀, 栗原 正子, ウォラワン チュンピア, 飯田 廣子, 木下 幸子, ...
    2005 年 16 巻 6 号 p. 641-649
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/07/03
    ジャーナル フリー
    プロテインS活性低下を示した血栓症患者に見出された変異型分子2種類(Thr37MetおよびCys206Phe)をhuman embryo kidney 293(HEK293)細胞に安定発現させ,細胞培養上清中のプロテインS活性と蛋白質量を測定した.さらに,これら変異型分子とGreen fluorescence protein(GFP)とのキメラ体を用いて細胞内移行の検討を行った.
    Thr37Met変異型の培養上清中のプロテインS活性は低下していたが分泌される蛋白質量に異常はなく,Thr37Met変異分子は変異による構造変化で比活性が低下したものと考えられた.Cys206Phe変異型では,細胞内で合成された分子が分泌される過程に異常があることが判明した.
    HEK293 細胞を用いたこれらの実験結果から,この2種類のプロテインS遺伝子異常は患者血栓症患者に見出されたプロテインS活性低下に寄与していることが強く示唆される.
  • 福武 勝幸, 新井 盛大, 稲葉 浩, 花房 秀次, 三間屋 純一, 高松 純樹, 吉岡 章, 嶋 緑倫, 白幡 聡, 藤巻 道男, リコネ ...
    2005 年 16 巻 6 号 p. 650-663
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/07/03
    ジャーナル フリー
    過去に第VIII因子製剤による治療歴のある血友病A患者(PTPs)を対象とした多施設共同の市販後使用成績調査を実施し,遺伝子組換え型第VIII因子(rFVIII)製剤リコネイトの日常使用実態下における長期(2年間)の有効性および安全性を前方視的に検討した.134例が症例登録され,129例を有効性および安全性の解析対象とした.本剤の止血効果は総出血エピソード数4,171出血に対し,著効1,769出血,有効2,031出血で,有効以上の有効率は91.1%であった.非出血時投与の頻度が週1回以上で定期補充療法例と考えられた重症例21症例の出血頻度は出血時治療例32例に比し,有意に低いものであった.副作用は3例(2.3%)に認められ,内訳は頭痛,蕁麻疹および抗rFVIII抗体(IgM)産生が各1例であった.頭痛および蕁麻疹は軽度で一過性で早期に回復し,抗rFVIII抗体(IgM)産生症例では抗体産生に伴う臨床症状はなかった.なお,本調査期間中,新規に第VIII因子インヒビター(Bethesda法)が発生した症例はなかった.以上より,リコネイトはわが国におけるPTPsでの長期の使用において安全で有効な製剤であると考えられた.
診断・技術講座
トピックス
臨床試験への参加要請
  • 池田 康夫, 内山 真一郎, 折笠 秀樹, 後藤 信哉, 島田 和幸, the J-TRACE Investors
    2005 年 16 巻 6 号 p. 678-682
    発行日: 2005年
    公開日: 2007/07/03
    ジャーナル フリー
    心筋梗塞,脳卒中などの動脈血栓性疾患を臓器にかかわらず病態からアテローム血栓症(atherothrombosis)として包括的に理解しようとの方向性がある.高齢化とともに有病率が増加する心房細動に合併する心原性血栓塞栓症も含めれば,これらの血栓性疾患こそが現代人の保健,医療上の最大の脅威である.本邦における血栓性疾患の発症動態を示す基本的なデータベースの作成を目的に,心筋梗塞,脳梗塞,および心房細動にともなう血栓塞栓症に関する全国実態調査研究(Japan Thrombosis registry for atrial fibrillation, coronary or cerebrovascular events;以下J-TRACE)を計画した.全国を10地区に分割し,脳領域および心臓領域の専門医に各地域の参加医師の選定を依頼した.心筋梗塞,脳梗塞症例,および心房細動症例を登録対象とした.心血管疾患発症リスクの高い入院症例は除外する.登録後最低2年の観察期間内の心筋梗塞,脳梗塞の発症を調査する.登録目標症例数を15,000例とした.登録に当たって患者背景,登録イベント・発症時期,既往歴,危険因子,合併症および使用薬剤を調査する.血栓性イベントの発症のみを追跡することにより脱落を最小限とする.本調査は,全てセキュリティを配慮したインターネットシステムにより行う.登録期間は2006年6月末とし,追跡期間は2008年6月末を予定している.
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